【10月28日3回目の手術】
昨夜は殆ど眠れませんでした。
先のことを考えると怖くなってしまい、最悪のことばかり頭に浮かんでしまいます。
「もう考えるのはやめよう。とにかく職場に休みの連絡をして、病院に行こう。夫に会えないけれど少しでも夫の側に居たい」と思いました。
早目に病院に着き1人で何時間も今後のことを考えました。頭を整理して、不安は何か?それはどうして不安なのか?それを解決する方法は何か?「では、どうやって」と自問自答していました。
15時頃、手術前に夫に会わせてもらいました。予定より少し遅れたようです。
夫は機械付きの点滴スタンドを押して、看護師さんに寄り添ってもらい、
歩いて手術室に向かう途中でした。
夫は「ちょっと行ってくるね」と、いつもの優しい笑顔を見せてくれました。
夫は採血するだけでも顔が真っ青になってしまうほど、注射が苦手なのに、
こんなに大きな手術を何回も受けて、どれほど怖いことか。
それでも、私に笑顔を見せてくれる。
私はそんな夫を見て、メソメソ泣いてる場合じゃないと、何かスイッチが入りました。とびきりの笑顔で、「頑張ってね」と言えました。
それから手術が終わる5時間は子供達も来てくれたので、今後についてどうすればいいのかを相談していました。
毎日点滴をすることになるので、点滴スタンドの用意。
1日何時間点滴するのか分からないけど、基本、2階の寝室と書斎を往き来することになる。
食事は殆ど食べられないので、皆で食事をするのはやめよう。
私と娘で二人で食べて、夫は食べられるものを用意して、私が付き添う。
仕事は辞めて夫の側にいる。
一人暮らしをしている息子が、「実家帰ろうか?仕事は完全テレワークだから実家でも仕事出来るし。」と言ってくれましたが、「ありがとう。気持ちだけで十分。本当に助けて欲しいときにはよろしくね」と返しました。
子供たちがいつも私を心配して支えてくれます。
私の父や姉達も心配し、苦しい気持ちを察して、なんとか乗り越えられるように導いてくれます。
夫の母親や兄弟、親戚達も応援してくれます。
「私は一人じゃない。」そう思えたときに、力が湧いてきました。問題は一つずつ解決していけばいい。今までもそうしてきた。苦しいときは相談して知恵を借りよう。
そんな事を考えていました。
5時間の手術を終え医者が私達家族を呼んでくれました。
夫は目を開けていました。前回のように全身麻酔ではなかったので、意識がありました。
私は夫の顔に手のひらを当て「お疲れ様。よく頑張ったね」と声を掛けました。
夫の体温が手に伝わってすごく安心しました。
子供達も夫の手を握りながら「お父さん、お疲れ」、「頑張ったね」と声を掛けて、「お父さん、握り返すよ」と嬉しそうに言っていました。
少しの時間ですが、手術の成功をみんなで喜びました。
その後、医者が面談室に案内してくれて手術の結果を聞くことになりました。
【手術結果】
壊死している腸は全て切除しました。
やはり、腸に穴が空いてしまっていたので、直ぐに手術をして良かったです。
もし、もう少し時間を置いてしまったら腹膜炎を起こす可能性がありました。
思っていたよりも、腸壁の壊死が進行していたため、小腸の60センチを切除しました。
残存小腸は40センチです。
今後については、個人差はありますが、一生点滴生活になります。
自宅で点滴が出来るように、ポートを鎖骨のところに入れる手術をするので、
点滴の取り付けは誰でも出来ます。
基本、本人が出来るように病院で取り付けの練習をします。
点滴は毎日10時間行うようになります。
口からの摂取については11月上旬から開始出来ると思います。
まずは、栄養ドリンクのようなものを摂り始め、ゼリーやプリンなど徐々に固形のものを試してみます。
順調に行けば年内に退院できます。
この続きは次回書きますので、読んで頂けると嬉しいです。
このときの心境を趣味のピアノで弾いてみました。
下手な演奏ですが聴いて下さい。