今回は最初で最後?のピアノ発表会について書きたいと思います。
是非読んで下さい。
S先生のピアノ教室には2年通いました。
そこでは、毎年ホテルのレストランを貸し切って、大人だけのピアノ発表会を開催していました。
最初の年、先生に誘われましたがとても人前で弾く勇気がなく、丁重にお断りをしました。
翌年も「堅苦しい発表会ではないので、一度経験してみたらどうか」と先生に強く勧められたので、不安だらけでしたが参加することにしました。
半年以上前から発表会で弾く曲を練習し始めて、「正」の字を書きながら通し練習を何度も何度も繰り返しました。
数百回は弾いたと思います。
目を瞑っても弾けるくらい、しっかり頭に入って指も迷うことなく次の音に移動できました。
「これだけ練習したんだから大丈夫!」と自分に言い聞かせていました。
レッスンの時も「安定して弾けるようになったね」と先生から言われ当日の発表会が少し楽しみになってきました。
発表会はグランドピアノ、電子ピアノの両方を準備するので、好きな方で弾いていいとのことでした。
憧れのグランドピアノ!と思いつつも、いつも練習している電子ピアノを使うことにしました。
また、発表会は楽譜を見ながら弾いてもいいとのことで安心しました。
発表会ではジョージ・ウィンストン作曲「あこがれ愛」を弾くことにしました。
少し長い曲なので、楽譜の譜めくりを先生がやってくれると言って下さいましたが、完全に暗譜していたし、先生に迷惑を掛けたくないので「譜めくりは自分で出来ます」と言ってしまいました。
発表会当日も朝練して、かなり落ち着いて弾けたので大丈夫と思えました。
しかし、発表会が始まると生徒の皆さんはとても上手で、「私のような下手な人はいない…。」と段々不安になってきました。
そんなときに自分の番がきました。
初めての舞台は天井のライトがとても明るく心拍数MAXになりました。
とにかく弾かなきゃ!とあせってしまい、かなり早いペースで弾き始めました。
3ページ目の譜めくりを失敗して、楽譜を鍵盤に落としてしまいました。
練習中一度も楽譜を落としたことがないのに…。
楽譜が鍵盤から床まで落ちていく様子がスローモーションに見えました。
その瞬間「終わった!」と思いました。
しかし、このまま舞台を降りるわけにいかないので、最初から弾き直しました。
既に緊張MAXだったので楽譜を落として曲を途中で止めてしまった時点で「どうにでもなれ!」という気持ちになり、ただ無我夢中で最後まで弾き切りました。
とても恥ずかしくて、早く舞台から降りたいと思いましたが、そのときに会場の皆さんが沢山拍手をして下さいました。
演奏そのものより、皆さんが注目している中で、楽譜を拾って弾き直した勇気に拍手してくれたんだと思います。
席に戻るときに、ある女性から「素晴らしい演奏で感動しました」と声を掛けて貰いました。
きっと励まそうとしてくれたんだと思います。
でもその女性の一言で後悔よりも喜びを感じることが出来ました。
私がピアノを大好きなままでいられるのもその女性のお陰です。
この発表会以来、人前で弾くことが苦手になってしまいましたが、もっと上手になって人前で自分の思うようなピアノが弾けるようになりたいと思っています。
失敗から学ぶとても貴重な経験をしました。
いつまでも夢を持ってピアノを弾き続けたいです。
このときの心境はこの曲です。下手な演奏ですがどうぞ聴いて下さい。
