前回の続きを書きます。

 

一時はどうなるのかと、どん底になりましたが、歩く夫の姿を見ることが出来て「もう大丈夫」と一安心しました。

 

腸壁が回復するまで時間が掛かりそうなので、夫の入院中に普段出来ないことを色々やろうと思いました。

 

普段夫が家に居るときは、夫にべったりで殆どの時間を夫の好きなアニメを観て過ごすので、ちょっと離れて自分の時間を持てるのは、こんな状況下でも少し嬉しかったです。

平日は仕事をしているので、夜家に帰ると、適当に食事を食べて、夫と電話で話し、好きな映画やドラマを観ながら寝る。

土日は家事を一通り済ませると、全て自分の時間なので、ピアノを弾いたり、映画やドラマを何時間も観たり、夫からの電話も昼夜と掛けてくれるので、楽しく過ごしました。

 

夫のことは、病院の医者や看護師さんが全力でやってくれているので、私は「元気になった夫を待つのみ」とかなり楽観的に考えていました。

 

面会は完全予約制で平日の午後2時間の間に、10分だけモニター越しに話が出来るようになっていて、直接会うことは出来ません。

また、このモニターは病院の面会室に2台しかないので、予約が一週間先まで一杯で取れませんでした。

 

でも、夫は電話やLINEで状況を色々教えてくれていたし、顔を見たいと言えば写真を送ってくれたので、寂しさを感じることがありませんでした。

 

【10月27】

病院から呼び出しがあり、病院に行くことになりました。

 

前回夫の歩く姿を見ることが出来ましたし、新薬の効果も期待出来るので、「もしかしたら凄く順調で、退院の目処がついたのかなぁ」なんて思っていました。

 

何よりも「夫に会える!」と思うと、なんだかとても嬉しい気持ちで病院に行きました。

 

面談室で待っていると、夫が機械付きの点滴スタンドを押して歩いてきました。

夫は笑顔で「◯◯ちゃん来てくれたんだねー」と嬉しそうな顔をしましたが、続けて、「いやー.....-。あまり良くないらしいよ。」と言葉を続けました。

私はその一言で浮かれた気分がふっ飛び「どういうこと?何かあったの?」と立て続けに質問しましたが、夫は「ん~。医者が説明してくれるよ。」と苦笑いして話てくれませんでした。

一気に不安が押し寄せてきたので、夫の手を握りしめて、不安な気持ちを抑えました。

しばらくすると、医者が入ってきました。

 

【医者からの説明】

「現在、小腸の腸壁が半周以上も壊死しており正常な小腸に戻るのが難しい状態です。

狭窄閉塞が予想され腸閉塞のリスクがあります。このままの状態で回復を待つのはかなり厳しい状態です。」

 

再手術をした場合

(利点)

◯早めの退院が出来る。

◯早めの経口摂取の練習が開始出来る。

(欠点)

◯残存小腸が50㎝以下であり、一生点滴生活になる。

 

手術をしない場合

(利点)

◯可能性は極めて低いが、壊死した小腸が復活して正常に戻る。

しかし、半周以上も壊死しているので、正常な小腸に復活するにはかなりの時間がかかる。

◯今後の生活は1メートルの小腸を使って経口摂取できる。(口からの摂取は3~6ヶ月先)

(欠点)

◯壊死した腸が狭窄閉塞し、最終的に手術をすることになってしまう。

◯合併症のリスクがある。


この続きは次回書きますので、読んで頂けると嬉しいです。

このときの心境を趣味のピアノで弾いてみました。

下手な演奏ですが聴いて下さい。