叩けよ さらば開かれん -6ページ目

叩けよ さらば開かれん

Yahoo!ブログからの引っ越しです


その①は 「はじめに」 
その②は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 上
その③は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 中
その④は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 下
その⑤は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 上
その⑥は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 中
でした。

今回は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 下 です。

それでは実際にがん細胞をみてみよう。
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視触診時に皮膚が少し引っ込んでいる。
右側がこの部分の割面。
中央、白い塊が皮膚を引っ張ってえくぼのようになる。
この塊ががん細胞である。

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左側の白い塊が癌である。
右がこのがん細胞を少し顕微鏡で大きくしたもの。

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さらに大きくする。
小さい丸い粒ががん細胞の塊である。
0.8mmの中にこんなに沢山がん細胞がある。

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がん細胞の大きさは20ミクロンと言われている。
1mmが1000ミクロンだからかなり小さい。
がん細胞から1cmの箱を見るのは、人間が東京ドームを見るようなもので
それほど小さいサイズである。

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青い筋のようになっているのががん細胞の塊である。
黒く写っているのは待ち針の先端である。

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病理でみているプレパラートというものである。
これを顕微鏡の上において見る。
7mm×10mmの癌が乗っている。

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少し大きくする。

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電車の中はひとつの塊である。
つまりこれは非浸潤癌。

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これは浸潤癌。
白いのは脂肪で、浸潤している。

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非浸潤癌。

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浸潤癌。
私達病理はこういうものを見て癌を診断している。

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乳腺の病理診断は良性と悪性を見極めるのが、とても難しい。
専門の知識と経験が病理医には必要となる。
例えば、これはどちらが癌でしょう?

右が良性の乳腺症で 左が悪性で硬癌である。

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これはどちらが癌でしょう?

左は良性の乳頭腫で 右が悪性の非浸潤癌である。
乳癌は癌に見えそうなものが癌でなかったりする。 逆のこともある。
非常に難しい組織の1つである。

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日本医科大学のHPである。
私は病理医であるが外来も開いている。

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「病理外来のご紹介」として「乳癌と言われたが納得がいかない」、
「十分な説明がないまま、つらい治療を強いられている」、
また医師から紹介をもらって患者さんとお会いし、標本などを見て診断している。

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今までに「悪性」が「良性」になったのが1例あった。
「良性」が「悪性」になったのが4例、これはセカンドオピニオンだった。
「浸潤癌」と言われたが「非浸潤癌」だったのが1例。
このように不一致例はいくつかある。

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乳がんの診断・治療に携わるものの願いとしては「乳がんで命をなくしてほしくない」、
「乳房を失わない」、「快適な生活を失わないでほしい」である。
私達は乳がんに対して診療医・病理医・臨床検査技師・細胞検査士・放射線科医などが
連携を密にして乳がんに立ち向かっていく。


      https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/3c/8c/pi0830pipikapi/folder/1622272/img_1622272_31239507_1?1201412803.jpg

病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 下は以上です。

次回は 外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」 上 をUP予定です。
   

その①は 「はじめに」 
その②は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 上
その③は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 中
その④は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 下
その⑤は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 上
でした。

今回は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 中 です。


病理はミクロの世界なのでわかりやすく「山手線」を例とする。
乳がんの進行は電車に置き換えると非常に理解しやすい。

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電車の車両を「乳管」と考えてみる。何両も連なり終着駅の小葉に行く。
実際の細胞画像で見ても管が横に並んでいて(この画像上は4両?)左の房のような小葉につながっている。

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これは電車の中である。
赤い枠が車体で、「基底膜」にあたる。
中には椅子に腰掛けた乗客がいる。
乗客は「腺上皮」細胞、椅子が「筋上皮」細胞になる。
乳腺の細胞は「腺上皮」と「筋上皮」の2つしかない。

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これは乳管・電車を輪切りにしたところである。
中央に空間があり、腺上皮細胞・乗客が筋上皮細胞・椅子に重なっている。
その外側が車体となる。

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実際の正常な乳管の組織を輪切りで見てみる。
中央に管が開いていて、乗客に相当するピンクの腺上皮細胞、そして椅子の筋上皮細胞が重なっている。
ピンクの帯は車体になる基底膜で、外側を囲んでいる。

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がん発生は乗客・腺上皮細胞ががん化をおこして始まる。
赤い乗客が癌細胞、まず1つ発生する。

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2つ、3つ…とだんだん電車内に増えてくる。
ヨッパライがいるようなものである。

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そのうち全部ヨッパライになるが、まだ電車の外には出ていないし、椅子も頑張っている。

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筋上皮細胞もその外の基底膜も頑張っている。
この癌が外に出ていない状態が「非浸潤癌」である。

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実際の非浸潤癌の組織である。
中央のいくつもの粒々が癌である。
椅子である筋上皮細胞は細くなり少し見えるだけの状態であるが
まだ頑張って癌細胞が外に出ないようにしている。


        非浸潤癌・浸潤癌の違いは、電車の中に癌がとどまるか・とどまらないか。

電車の外に出たら「浸潤癌」となる。
「非浸潤癌」と「浸潤癌」の違いは電車の中だけに癌がいるか・外に出たかの違いである。

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浸潤の始まりである。
ドアが開いて癌細胞が外に出て行く。

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浸潤癌の第一歩である。

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黄色の矢印の間、つまり管が破れて外に癌細胞が出て行く。
これが非常に初期の浸潤癌である。
すぐ左下の癌細胞はまだ外にでていないので非浸潤癌である。

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浸潤癌の中には「硬癌」という触ると硬い癌がある。
電車・乳管からバラバラと一列縦隊で出てきて、エスカレーターで地下に行くような感じである。

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実際の組織も列状に並んでいる。

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また「乳頭腺管癌」は手をつなぎ輪になって出てくる。

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実際の組織も輪を作っている。
乳頭腺管癌は比較的予後が良いと言われている。

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「充実腺癌」は塊が出てくる。

イメージ 18
こういう塊が出てくるのである。
これら「硬癌」「乳頭腺管癌」「充実腺管癌」の3つが乳がんの浸潤癌のほとんどを占めている。

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左が正常、中央が非浸潤癌、右が浸潤した癌である。

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癌は浸潤して「間質」と呼ばれる外に出て行く。
そして総武線に乗り換える。 総武線はリンパ管や血管に当たる。
トンネルの先はリンパ節や肺・肝臓・脳などであり、これが「転移」である。

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間質に出たり血管やリンパ管に入ると「遠隔転移」、癌細胞が塊で移ってくる。


      https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/3c/8c/pi0830pipikapi/folder/1622272/img_1622272_31239507_1?1201412803.jpg

病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 中は以上です。

次回は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 下 をUP予定です。
   
今年の5月に千葉県の京成バラ園に行っています。
 
本当に今更のUPですが 秋バラと思っていただけないかしら (笑)
 
今回はデジブック5作目として 新企画 『 ぐるぐるプロジェクト 』 を実施中です (^_^)v
さあ ご一緒にぐるぐるしましょう~ o(*^▽^*)o~♪
 
文字が小さいので、できましたら 「 フルウィンドウで見る 」 をクリックし
最大画面にしてご覧くださいませ。
                          ( 注意 : BGM付です )
 
 
 
秋バラのイベントも目白押しのようです。
是非姿と香りの素晴らしさを体験してきてください。
あっ 回し者ではありませんよん (* ̄m ̄)プッ
 
京成バラ園
千葉県八千代市大和田新田755
 
  
  
  
  

その①は 「はじめに」 
その②は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 上
その③は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 中
その④は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 下
でした。

今回は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 上 です。

病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」

                                   日本医科大学付属病院病理部 教授 土屋 眞一先生

「病理」は乳がんを取ってきたもの、あるいは乳腺のしこりを取ってきたものを
良いものか悪いものかを調べる部門である。
従って顕微鏡の世界で馴染みがないかもしれないが、わかりやすく説明したい。

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これはレンブラントの「湯あみのバテシバ」という有名な絵だが、左乳房の下あたりが少し色が変わっている。
これが乳がんである。
昔から乳がんはあり、それほど珍しい病気ではなかった。

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「知っておきたい乳癌の画像診断」で角田先生の説明があったが、影をみて何が写っているか、コスモスであると判断するのが「画像診断」である。
放射線科の先生が的確な画像診断をし、その後取ってきたものを見るのが「病理」である。

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右上が超音波画像、左下がマンモグラフィ、右下がMRI。
こうした画像で見えたものを、病理では左上の乳腺を見ながら診断している。

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右が乳房の模式図だが、肋骨があり、大胸筋があり、乳頭からは枝分かれをして房のようになっている。

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乳頭から太い乳管を通り、最後は小葉という所になる。
幾つも集まった小葉でミルクが作られ、乳管内を通り乳頭に分泌されてくる。

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うまく撮れた小葉の画像。
これがミルクを作る1番もとの細胞である。

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乳がんは非常に組織型が多く、現在の取扱い規約では悪性で19種類ある。

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大きく分けて非浸潤癌と浸潤癌、パジェット病がある。
ただパジェット病は全体の1%以下という非常に少ない癌なので、
ほとんどが浸潤癌、そして次に多いのが非浸潤癌となる。

        非浸潤癌
 乳がんの増殖が乳管内にとどまっていることから、
 理論的にはリンパ節転移や遠隔転移は起こすことがないため、
 この診断は臨床上、非常に重要です。
           ↓
           ↓
         浸潤癌
乳がんの非浸潤癌は、がんの増殖が乳管の管の中にとどまっているので、
理論的にはリンパ節転移や遠くに飛ぶ遠隔転移などを起こすことはない。
従ってそれを診断することは非常に重要である。
「非浸潤癌」を通り過ぎると「浸潤癌」となる。

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左が非浸潤癌で乳管の中にとどまっているが、この管を破って外、
すなわち「間質」に出たのが浸潤癌である。
進行した癌と言われるものになる。

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乳がんは浸潤癌になると血管やリンパ管、そしてその後にリンパ節や肺・肝臓・骨・脳などに転移してくる。
  

      https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/3c/8c/pi0830pipikapi/folder/1622272/img_1622272_31239507_1?1201412803.jpg

病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 上は以上です。

次回は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 中 をUP予定です。
  

その①は 「はじめに」 
その②は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 上
その③は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 中
でした。

今回は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 下 です。

 Q9. 超音波検査はどうやって画像をつくっているのですか

  ・体の中に超音波をあてて、その反射の違いによって画像を作ります
  ・高濃度乳房内の腫瘤は多くの場合、マンモグラフィに比べて超音波による検出が容易です
超音波検査について。

マンモグラフィはX線を使うのに対して、超音波検査は超音波をあててその反射で画像を作っている。

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高濃度でわかりにくい乳癌も超音波でははっきり写ってくることがある。

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最近は超音波技術も非常に進歩して能力も高くなってきた。
この1cmのしこりを診断する技術は難しいものがあるが、実は乳癌である。

イメージ 3
これは大きなゴツゴツしたしこりであるが、乳癌ではない。
だからしこりがご自分で触れてもあまり心配せずに、まず精密検査を受けてほしい。

        乳房超音波ガイドライン
 ・日本乳腺甲状腺超音波診断会議
 ・超音波にうつる乳房の病変を、腫瘤(しこり)、
  境界不明瞭な低エコー域(超音波で黒く写るかげ)、
  乳管拡張、構築のみだれ(構造のゆがみ)などにわけて
  どのようにしたら正確に診断できるか、まとめられています
超音波にもガイドラインがあり、
超音波で写る病変をしこりや黒く写る影などに分けて診断しようと、日本全国で教育がすすんでいる。

 Q.10 超音波はマンモグラフィに取って代われる検査でしょうか

 ・先日ある患者さんから聞かれました
 ・マンモグラフィも撮影する、超音波もやるっていったいどういうことでしょうか
  検査は1つにしてください
すると超音波はマンモグラフィに取って代われる検査なのか。

マンモグラフィも超音波も両方する必要はあるのかという疑問は当然あると思う。

 ・超音波、マンモグラフィのそれぞれにいいところがあって、
  1つでOK、というわけにいかないのです
 ・それぞれ得手、不得手があります
マンモグラフィ・超音波それぞれに良い点・悪い点、得手不得手がある。

イメージ 4
白い粒のような石灰化は超音波ではほとんどわからない。
マンモグラフィの方が得意である。
ところがしこりは超音波の方がわかりやすい。

        MMGとUSの利点・欠点

       被爆    造影剤     利用できない患者がいるか       年齢 ……………………………………………………………………………………………………………………
  MMG  あり     なし      基本的に全員可能        若年者の検出感度が高い
  US   なし   なしが基本    基本的に全員可能           基本的にOK
その他被爆があるか・ないか。
あるいは超音波の方が若い方の検出が少し良いが、マンモグラフィの方が客観性は優っている。

 ・たとえばMMGでは、あとから何回もその所見を検討することができます
 ・写真を持って行って専門家に聞くこともできます
 ・USではその場で検出しなければ、異常なしということになり、
   あとからそれを検討することはできません
 ・なにか病変を検出しても残された画像はその検査者の主観の入った画像が残されることになります
超音波はそのときに検査をしている人が見つけないと、後から写真をみて判定することが難しい。
またマンモグラフィは乳房全体を後から見ることができるが、
超音波は全部をビデオで撮ることもあるが検査のときに必要と考えた部分だけ撮影することが多い。
このようにそれぞれ得手不得手がある。

        専門家はそれぞれが万能ではないことを知っています

 ・違う方法を用いて、違う角度からも診断する必要があるのです
私達専門家はマンモグラフィや超音波の得手不得手を 
患者さんや検診の受診者さんによく説明する義務がある。
しかし皆さんもわからないときはよく聞いてほしい。
それぞれの検査に得手不得手があるということは非常に重要である。

専門家はそれぞれ万能でないことを知っているので、
違う方法を用いて違う角度から色々な形で診断をしているというのが今の現状である。


今回はマンモグラフィ中心に話をしたが、少しご理解いただければ幸いです。

    
      https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/3c/8c/pi0830pipikapi/folder/1622272/img_1622272_31239507_1?1201412803.jpg

診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 下は以上です。

次回は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 上 をUP予定です。