叩けよ さらば開かれん -5ページ目

叩けよ さらば開かれん

Yahoo!ブログからの引っ越しです


その①は 「はじめに」 
その②は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 上
その③は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 中
その④は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 下
その⑤は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 上
その⑥は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 中
その⑦は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 下
その⑧は 外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」 上
その⑨は 外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」 下
その⑩は 内科編 「一人一人の治療を考えよう-オーダーメイド治療へのご案内-」 上
でした。

今回は 内科編 「一人一人の治療を考えよう-オーダーメイド治療へのご案内-」 下 です。

アロマターゼ阻害剤あるいは抗エストロゲンというお薬がどんな働きをするかを説明する。
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閉経後の女性でも微量ながら女性ホルモンが体の中に存在している。
なぜかというと わずかに男性ホルモンが副腎という場所で作られいて、
その男性ホルモンがそのままになっているとヒゲが生えたりということになってしまうので
体中 特に皮下脂肪などに沢山あるアロマターゼという酵素が
男性ホルモンを女性ホルモンにどんどん転換する。作り変える。
作り変えると女性ホルモンが体の中に存在し、ホルモン受容体陽性の乳がんはそれを餌とする。

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この餌がある状況をどうしたら治療という形で抑えることができるかというと
1つはタモキシフェン、抗エストロゲン剤でがん細胞が女性ホルモンを取り込む口(受容体)をブロックしてしまう。
乳がんの口に詰め物をすることで食べられなくなって 飢え死にして死んでしまう。
だが体の中には女性ホルモンが十分あるので副作用が強く出ることもなく これは優れた治療法である。

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もう1つはここ10年くらい前から出てきた薬で、別の働きを持つアロマターゼ阻害剤。
アロマターゼが男性ホルモンを女性ホルモンに変換することを抑えるため、女性ホルモンが体から減ってしまう。
体中がヒヤーッとしたイメージで感じてもらうかもしれないが がんにとっても餌がなくなる状態。
ただ困ることは骨が弱くなり、骨粗しょう症になりやすいというのが欠点である。

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骨粗しょう症とは骨がスカスカになってしまうもの。
上段中央のように上は健常で元気な骨、下に行くほどスカスカで弱く力がかかるとつぶれてしまう。
骨粗しょう症が進みぺちゃっと潰れると 背が縮んだり背中がだんだん曲がったりする。
車椅子生活にならざるをえないこともある。
なのでアロマターゼ阻害剤は良い薬だが、骨粗しょう症に対しては十分注意を払う必要がある。
元々骨粗しょう症は遺伝しやすい病気なので
祖母・母が骨粗しょう症である人がアロマターゼ阻害剤を使う場合には特に注意してほしい。

          抗HER2療法

 ● モノクローナル抗体
      一般名 トラスツズマブ
        商品名 ハーセプチン
 
 ● チロシンキナーゼ阻害剤 
      一般名 ラパチニブ
        商品名 タイケルブ
         アメリカでは : タイカーブ
         ヨーロッパでは: タイバーブ
ここからはHER2の話。
『抗HER2療法』とはHER2タンパクの働きを抑える治療である。
薬はモノクローナル抗体の一般名トラスツズマブ、商品名ハーセプチンや
新たに出た一般名ラパチニブ、商品名タイケルブ、アメリカでのタイカーブ、ヨーロッパのタイバープである。

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普通の細胞、乳がん細胞にもHER2タンパクは少しはあるが、それほど沢山はない。
HER2タンパク陽性とは過剰発現している状況で、それを調べるのが病理診断である。

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HER2タンパクが過剰発現している乳がんの場合には、HER2タンパクが細胞からの信号を増幅し
細胞がどんどん増える。

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そこに手錠のようにあるいは投げ縄のようなものでHER2タンパクの働きを止めしまう。
これがハーセプチンという薬である。

          ハーセプチン 治療方法

             1週間に1回の点滴

なにも小さい輪っかを注射するわけではなく 普通の点滴で1週間に1回、
あるいは3週間に1回、1時間くらい点滴というのがハーセプチンによる治療である。

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もう1つタイケルブという薬はHER2タンパクの内側に入り込み根っこを抑えることで
HER2タンパクの働きを抑える。

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タイケルブは1日5錠や6錠の飲み薬だが、結構粒が大きくこれを1度に飲む。
ハーセプチンが効かなくなった方でも このタイケルブが最近使えるようになった。

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乳がんの好物については病理の先生が研究・診断をしてくれる。
おにぎりを食べるとか、クロワッサンがよいとかは病理の先生が教えてくれる。
それに基づいて我々は治療法を選んでいく。

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今日の講演の検診・診断、外科治療、病理診断、薬の話などを全部含めて
乳癌学会では患者さんのための乳がん診断ガイドラインを作っていて 一昨日改訂版がでたばかりである。
作成にあたり九州がんセンターの大野真司先生を中心に医師・看護師・薬剤師や
患者団体の代表の方々に協力していただいた。
まず患者団体の方々に何が知りたいか、判らないかをクエスチョンという形で出してもらい
それに対して我々が回答を作った。

例えば『センチネルリンパ生検について教えてほしい』とか
『抗がん剤の副作用について、対処法や予防法を教えてください』など
専門家がわかりやすく記載したので是非お買い求めいただきたい (2300円)。

このように我々乳癌学会は皆さんのために色々な形で情報提供したり、
治療・診断・マンモグラフィーの普及などに努めているので
是非これからも一緒に乗り越えていきましょう。


      https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/3c/8c/pi0830pipikapi/folder/1622272/img_1622272_31239507_1?1201412803.jpg

内科編 「一人一人の治療を考えよう-オーダーメイド治療へのご案内-」 下は以上です。

次回は 診療の問題点 「乳癌の確定診断-本当に乳癌なの?-」 上 をUP予定です。
   

その①は 「はじめに」 
その②は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 上
その③は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 中
その④は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 下
その⑤は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 上
その⑥は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 中
その⑦は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 下
その⑧は 外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」 上
その⑨は 外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」 下
でした。


今回は 内科編 「一人一人の治療を考えよう-オーダーメイド治療へのご案内-」 上 です。

内科編 「一人一人の治療を考えよう-オーダーメイド治療へのご案内-」

                                        浜松オンコロジーセンター長 渡辺 亨先生

タイトルにあるようにオーダーメイド治療へのご案内として一人一人の治療を考え
お薬に関しての話をしたい。

土屋先生のお話でがんとはどういうものか、実際の顕微鏡写真での説明などあったが
もう1度浸潤や転移などを含めて がんとは何かということをおさらいしたい。

          『がん』とは
     自らの体から生じた細胞が 無秩序、無制限の増殖をする病気

           転移 ↓ 再発

     諸臓器機能の障害 → 症状
      ・機械的圧迫
      ・機能的撹乱 (調節失調)
がんとは自分の体から生じた細胞が無秩序・無限に増殖する病気である。
電車から降りたがん細胞が山手線から総武線に乗って他へ移ることが 他の臓器に転移することであり
時間的に後になってから再びぶり返してくることを転移あるいは再発という。
他の臓器に移ったがん細胞がそこでどんどん増えていくと 色々なところを圧迫したり機能的撹乱がおこる。
機能的撹乱とは、例えば血液中の微妙な塩分濃度は普段はピタリと調節されているが
その塩分濃度のバランスが崩れて血液組成が変ったりすることをいう。
つまり無秩序・無限に増殖して転移・再発をしていき 圧迫・撹乱となる。

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今日はがんには顔つきや性格が良いもの悪いものがあることを学んだと思うが
私は腫瘍内科医として たちの悪いがんはウサギ、たちの良いがんはカメに例えて考える。

このグラフは時間の経過を追っているが たちの良いがんは比較的ゆっくり大きくなる。
一方たちの悪いがんはウサギのようにどんどん走り、一気に大きくなって他の臓器に転移し
圧迫・撹乱という状況を早くおこしやすい。

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まずがんの性格を見極めることが必要である。
乳がんには色々な性格があり、増殖が早く転移をおこしやすい全身型のがんもあれば
いつまでたっても遠隔転移をおこさないような局所型もある。
ゆっくりその地に留まる小さいがんもあるし、小さいがんでもあっという間に大きくなるがんもある。

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専門外なのでどこをどう診断するのかといわれると無理だが たちの良い乳がん、悪い乳がんがあり
それに対して私達が薬で治療をすることになる。

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少し前まではがんはとにかく無秩序・無限の増殖で
残飯でも何でも食べるような非常に貪欲なイメージで考えられていた。
そのため抗がん剤という髪が抜けるなど色々な副作用がある治療薬をどかっと点滴し
何でも食べるようながんをやっつける、と同時に正常な細胞もやられてしまう。
髪が抜けたり気持ち悪くなったりすることもある。

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ところが段々研究が進み がんに性格があることがわかってきた。
がんの性格とは要するにがんの好物のことである。

好物が判ればしめたもので「ボクはおにぎりが好きなんだな」というのからは
おにぎりを取り上げれば飢え死にをする。
レ・ミゼラブルの少女コゼットはパンが好きなので、パンを食べさせなければ衰えてしまう。
このように乳がんにも好物があるということが この20年くらいでわかってきた。

              乳がんにも好物がある
          これをがんの性格という言い方をする

 ●乳がんの約7割は:
   ◆女性ホルモン(エストロゲン)受容体が陽性
   ◆つまり女性ホルモンを餌として取り込む
     ・ということは、女性ホルモンをとりのぞいてしまえば がんは縮小する
       -昔は卵巣を手術で切除するという治療も行われた
       -現在、いろいろなホルモン剤が乳がんの治療に使われる

 ●乳がんの約2割は:
   ◆HER2タンパクが細胞表面に多数存在している(過剰発現)
   ◆HER2タンパクは「アンテナ」にように細胞外から「増殖せよ」の信号を細胞内に伝える
     ・ということはHER2タンパクの働きをおさえれば がんは縮小する
       -HER2タンパクの働きをおさえる薬がハーセプチン
乳がんにも好物がある、これをがんの性格という言い方をする。
まず乳がんの7割は女性ホルモン受容体が陽性、つまり女性ホルモンを餌として取り込む仕組みが組織にある。
ということは女性ホルモンをとりのぞいてしまえば がんは縮小し飢え死にしていく。
昔はホルモンの出所である卵巣や副腎という臓器を 手術で取ってしまっていた。
しかし現在は色々なホルモン剤が使われていて、飲み薬で乳がんの治療が行われるようになった。

また乳がんの2割はHER2タンパクが細胞表面に多数存在している。
HER2タンパクは細胞表面にアンテナのように立っていて、
細胞の外から「増殖せよ」という刺激が来ると その信号を増幅して細胞の中に伝える。
ということはHER2タンパクの働きを抑えれば がんは縮小する。
HER2タンパクの働きをおさえる薬のひとつがハーセプチン、
最近はラパチニブ・商品名タイケルブが出てきている。

               ホルモン療法剤
 ● 抗女性ホルモン
      一般名 タモキシフェン
        商品名 フェノルルン、 アドバン、 エマルック、
            タスオミン、 ノルキシフェン、 ノルバデックス、 レスポール

 ● アロマターゼ阻害剤
      一般名 アナストロゾール 
        商品名 アリミデックス
      一般名 エキセメスタン 
        商品名 アロマシン
      一般名 レトロゾール 
        商品名 フェマーラ
ホルモン剤にはどういうものがあるかというと、まずタモキシフェンという一般名の薬がある。
だが売られている名前はフェノルルン、アドバン、エマルック、タスオミン、ノルキシフェン、ノルバデックス、
レスポール・・・と沢山あるのはタモキシフェンという成分でジェネリック医薬品が存在しているからである。
これは1980年代から使われている薬である。

もうひとつのアロマターゼ阻害剤は3種類ある。
商品名はアリミデックス、アロマシン、フェマーラというが まだジェネリックは出ていない。

どちらかというとアロマターゼ阻害剤の方が高価で1錠600円くらい、
タモキシフェンは400円くらいで 200円という安いものも出回っている。
効果はアロマターゼ阻害剤の方がやや優れていることが知られている。


      https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/3c/8c/pi0830pipikapi/folder/1622272/img_1622272_31239507_1?1201412803.jpg

内科編 「一人一人の治療を考えよう-オーダーメイド治療へのご案内-」 上は以上です。

次回は 内科編 「一人一人の治療を考えよう-オーダーメイド治療へのご案内-」 下 をUP予定です。
   

その①は 「はじめに」 
その②は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 上
その③は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 中
その④は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 下
その⑤は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 上
その⑥は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 中
その⑦は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 下
その⑧は 外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」 上
でした。


今回は 外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」 下 です。



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腋の下のリンパ節を経て癌が全身に広がるのではないかという考えの時代から
リンパ節に転移があるということは既にリンパの流れに乗りどこか身体の他の場所にも
癌細胞の芽が潜んでいるかもしれないという一つの指標ではないかと考えられるようになった。
腋窩のリンパ節に転移している個数が 将来再発してくる可能性を示唆すると言われている。
そこでリンパ節に転移があるかを調べ、無ければその先は取らないということができないかと
考え出された手法がこの図のセンチネルリンパ節生検というやり方である。

しこりの直上ないしは近傍に ラジオアイソトープという放射性同位元素または青い色素を注入する。
しばらくすると1個目のリンパ節にそれが集まってくる。
放射性同位元素はガンマープローブという金属探知機のようなものを押し当てるとピーピーと音がして、
色素の場合は青くなって、1個目のリンパ節の場所がわかる。
それだけを取り出して細かく詳細に転移があるかないかを調べることをセンチネルリンパ節生検という。

この方法は2010年4月の保険適用を目指して今臨床確認試験を行っている。
海外では標準治療として確立しているが、
使用する薬が日本では適用外であるので安全性と効果を確認する指導を受けた。
海外データと同じように安全性も効果も確保されているという資料を学会として厚生労働省に提出したが
2010年には保険適用になる予定である。
 (腋窩リンパ節郭清術の実施前におけるセンチネルリンパ節の同定及び生検は、
   平成22年4月1日より保険適用になりました。)

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抗癌剤を使うと、このようにほとんど癌が消えてなくなってしまう症例を2割くらい経験するようになった。

   2006年度原発乳癌治療内訳

 ・全613症例 636乳房
    平均年齢 51.86歳 (28歳~86歳)
 ・術前薬物療法 195症例 199乳房 (31.3%)
 ・温存率Bp 454乳房 (443症例)/636乳房(71.4%)

私共の病院でも3割ほどの方に術前の薬物療法が行われ、今は温存率も7割ぐらいを達成している。

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術後に抗癌剤を使う可能性のある人を術前に把握することができれば
その効果を目で見て判るということで術前抗癌剤の治療の比率が増えている。
最近は抗癌剤そのものも、本当に使う必要がある人を正確に同定する検査法なども進んできている。

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乳房全体に癌が広がっている場合にはやむなく全摘が必要になるし
乳房を残すにしても左右バランスの良い乳房を作ることができないかが外科医に対して求められている。
形成外科とは美容関係の外科だが
腫瘍を取る外科の領域でも腫瘍形成外科、Oncoplastic surgeryといって
きれいに左右バランスの良い乳房を作る学問の気運がここ1、2年急速に高まってきている。

昔からある方法としては筋肉の下にインプラントというシリコンバックを入れてふくらみを作る手術、
これは残念ながら保険が通らないことがあって中々日本では普及してこなかったのだが、
安全性の面でアメリカでも一時中断されていた時期もあるが、
この方法をなんとか保険が通るようにしようということで、今私達が取り組んでいるところである。

右側は取られた乳房のふくらみを元に戻すところだが
アメリカで開発された大きなおわん状のシリコンバッグを入れると
日本人の乳腺では逆に入れた方が大きくなってしまい、反対側にも入れて左右のバランスをとることもある。

あるいは温存手術をすると乳房が小さくなってしまうので
反対側が下垂している場合は左側のような吊りあげる手術が行われている。
特に海外では大きな胸の女性が多いので、手術していない側の胸が下垂してくる為持ち上げる手術がある。

大きくする、小さくするは人それぞれ色々あるが、
同じ乳房温存手術でも今後こういう技術が必要になるので
我々も研究会などを作り 形成外科の先生方と一緒に勉強しているところである。

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切らずに手術と同じ効果ということで色々な方法も考えられてきている。
収束超音波といって、虫眼鏡で紙を焦がして焼くのと同じ原理で
超音波を多数方向から一点に集中して当てると熱が発生する。
右下のグリーンの点々が虫眼鏡で一点に合わせたところだが、
体外から超音波を一点に収束すると 熱が集中して焼ききることができるので
何度も繰り返すことでこの領域が焼けるという方法がある。

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しかし線維腺腫 (Fibroadenoma)のように良性のしこりで周りがクリッとしているものは計画通り焼けるが
残念ながら癌の場合は浸潤をおこすとどういう形で丸いところから飛び出てくるかが画像では中々わからない。

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ここに癌があるだろうと熱で焼くが、収束地点では特に真ん中が熱くなるため
乳癌ではまわりに残ってしまうものが結構あるということで
画像診断などを本当に正確にしなければいけない状況である。

この治療が適用になるかならないかは、まだ臨床試験をきちっとやらなければいけない段階である。

    切らずに治したい!

  針生検は・・・   下手な鉄砲
  放射線は・・・   じゅうたん攻撃
  
   そこで・・・   MR spectroscopy

切らずに治したいということで、例えば針を刺して完全に癌が死んでいるかを確認しようとしても
針が刺さるのはごく一部でしかない。
収束超音波の後に放射線を当てても、放射線治療で完全に癌が消えてなくなるのは90%くらいである。

他の方法で癌が完全に消えているかを確認できないかと研究もされている。
ひとつはまだ実験研究段階だが、『MR spectroscopy』という考え方である。

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抗癌剤で癌が小さくなり更に薬を変えたが、その後のしこりの大きさがほとんど変らないような時がある。
しこりの中の癌が生きているかどうかをある物質の量で調べてみると
赤い矢印が治療と共に593から79と段々下がり、MRI画像でも縮小し癌細胞が死んできたなと思ったら
画像では変らないが赤い矢印は再び上がってきて 生きている癌細胞がまだいそうだということが判る…
そんな方法も開発できないかと 今研究が進んでいる。

    医療チームと患者の対等な関係
     患者はチームの一員である (パートナーシップの確立)

    ・正確かつオープンな情報開示
    ・証拠に基づく治療の受け入れ
    ・患者の権利の理解と認識
このように新しい治療法などが進んでいるが その方法をとるのに関しては
やはり自分の癌がどのような癌なのかを知らなければならない。
どんな広がりか、浸潤癌か非浸潤癌か、顔つきはどうか、ホルモンやハーセプチンが効くかなど
自分の癌の情報を理解して 必要な治療法は何かどんな方法があるのかを聞いてほしい。

    パターナリズムを脱し、病気や治療法についてよく知った上で
    自らも治療法の選択に参加する
        ↓  ↑
    インフォームド・コンセント、 セカンドオピニオン
もし理解が十分でなければセカンドオピニオンという方法もあるので
自分の治療法や病気についてよく知り 治療法の選択に参加しよう。
先生が良いといったからそれにするということではなく、
病気の事や相応しい治療をよく理解したうえで先生の勧めるものが納得できれば
それが1番良い選択であると思う。

      https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/3c/8c/pi0830pipikapi/folder/1622272/img_1622272_31239507_1?1201412803.jpg

外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」 下は以上です。

次回は 内科編 「一人一人の治療を考えよう-オーダーメイド治療へのご案内-」 上 をUP予定です。
   
去年も都内各所をまわったピンクリボンイベントの撮影ですが
  ↓
今年も行っています。
 
丁度この時期 お小遣い付きで都内に出かける用事があり (これをUPできる日は来るのかしら・汗)
半月前からアレコレと予定を立てていました。
 
乳がん患者にあるまじき考えですが 目的は啓蒙とかではなく リベンジ!
去年の手持ち写真がどうしても納得いかなかったので 東京タワーだけでも撮り直したい!
この際 イベントが多くて混みあう都庁は割愛してしまおう・・・ ゞ( ̄∇ ̄ )ヲイヲイ
はい、私は思いっきり自己チューなヤツなんです。
 
けれど結局は都庁にも行きました、 それもわざわざ別の日に。
きっかけは9月30日に発売になったアレです。
アレの中に出ていたのを この目で見てみたい~ (^^ゞ 
はい、私は思いっきりミーハーで 自己チューなヤツなんです。
 
これがアレですが ・・・ 本当にあったよ・・・ ( 苦笑 )  ↓
 
 
これをみて 「 あ~!」 とおっしゃってくださった方は同好の士です (〃 ̄∇ ̄)ノ彡☆
いつか必ずやスピンオフ記事として 日の当たる ( 笑 ) 場所に出してみせませう。
お楽しみに♪
 
ともあれ 直前で全ての計画を練り直し、 
義務を放棄して ただ楽しんでライトアップを撮ってきました。 
はい、私は思いっきり無責任で ミーハーで 自己チューなヤツなんです。
 
今回のデジブックで作りましたが 途中偉そうなコメントが入っています。
わんさかいた あつあつカップル ( 死語 ) を妬んでの繰り言です。
写真マニアの方たちは優しかったのですけどね (爆)
 
ではクリックをしてど~ぞ~ (≧∇≦)b
 
 
ちなみにご覧いただいたとおり 写真の出来はイマイチでした "(/へ\*)"
腕は言わずもがなですが ショックだったのは・・・
 
街灯がシンメトリーになる絶好のスポットなのに ありえない・・・ Σ( ̄ロ ̄lll)
1時間も前から場所取りをしていたのに~ il||li _| ̄|○ il||l
 
という訳で きっと来年もリベンジに走るであろう
諦めが悪くて 無責任で ミーハーで 自己チューな ぴぃでした (* ̄m ̄)プッ
  
  
  
  

その①は 「はじめに」 
その②は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 上
その③は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 中
その④は 診断編 「知っておきたい乳癌の画像診断」 下
その⑤は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 上
その⑥は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 中
その⑦は 病理編 「乳癌をみてみよう-ミクロの世界へのご案内-」 下
でした。


今回は 外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」 上 です。

外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」

                                   聖路加国際病院ブレストセンター長 中村 清吾先生


        世界の統計でみる乳癌
 ・年間100万人以上の乳癌が診断されている
 ・乳癌は、女性の癌罹患率のトップである。
 ・乳癌により、年間40万人以上の方が亡くなっている
先程芳賀先生のお話で、日本人は年間5万人以上の乳癌の診断がされているとあったが
世界的にみると100万人以上で、やはり女性にとっては深刻な問題である。
予後が良いというものの年間40万人以上の方が亡くなっている。

治療の歴史を振り返ってみたいが、実は治療はこの200年くらいの間に段々進歩して
今の標準治療が固まってきている。
特にこの10年20年の間の変化は激しく変ってきている。

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かつて紀元前の時代、古代エジプトの時代からこういう病気があることは薄々わかってはいたが
大多数は治療されておらず、
古い書物では1例のみが手術と焼け火箸のようなもので温熱治療を受けたということである。
癌をカニの甲羅になぞらえるのは、かなり進行した乳癌が丁度岩にしがみついたように
しっかり胸に固定して中々治すことができない状態からである。
KrebsやCancerというのはカニの意味だが、今は癌研の病院のロゴマークになっている。

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乳癌の手術は全身麻酔がない時代は中々治療が出来なかった。
しかし1800年初めに日本人華岡青洲が朝鮮朝顔から全身麻酔の薬をみいだし
存命中に150名を超える乳癌の手術をしたことが世界的にも全身麻酔で手術をした初めての記録である。
しかしその後長らくの間 1900年代に入るまで乳癌の手術は治療が確立せずにいた。

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1900年に入り左のような乳房を切除する手術が行われるようになった。

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これは先程土屋先生がご説明された顕微鏡による病理学の確立、
そして乳癌の一部がホルモン依存性であることが判ったことによる。
進行した乳癌、特に閉経前の女性は卵巣を取ると乳癌が良くなる-症状が抑えられるのが判明した。
しかしまだ薬の治療は開発されておらず、外科手術に頼る時代であった。
乳癌は腋の下あるいは鎖骨のリンパ節を経由して全身に広がると考えられていたので
手術は『包むようにとる』ことが中心であった。

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1940年代、特に第二次世界大戦のさなかに化学療法の可能性が打ち出されて薬の治療が開発されてきた。
同時に放射線治療も実験的に開始され、化学療法・放射線治療・外科手術と3つが揃ってきた。
しかしホルモン療法は外科的に女性ホルモンを活発に出す卵巣をとるというレベルで、薬はまだである。


2009年現在…

 ・36歳女性。 左乳房C領域に、2.6×2.0cm及び乳頭側に1.6×1.6cmの
  辺縁不整な硬いしこりを触知し、来院。
 ・針生検: 硬癌
  エストロゲン受容体(-)、プロゲステロン受容体(-)、
  Her2(3+)、 核異型度1

  乳房温存療法を強く希望し、術前化学療法
   CEF(500/100/500)4コース ⇒DOC(75)4コース
今現在病院の外来に患者さんがいらっしゃると、画像診断で大きさを測定し
針をさして組織をとり、癌が浸潤癌なのか非浸潤癌かを調べる。
乳癌の6~7割が女性ホルモンの刺激で大きくなるが、
組織からエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体を調べる。
最近では組織から癌が活発に大きくなるタイプかも調べられる。
Her2・ハーツーというもので、0から3+まであり、3+ではかなり活発に増えるタイプである。
これはハーセプチンという薬が良く効くグループであるが、抗がん剤もよく効くといわれている。
核異型度は癌の顔つきで、顔つきが良いというのは大人しい・活発に増えないタイプで核異型度1、
活発に増えるタイプが3である。
Her2が3+で核異型度が1とは相反する結果だが、
総じていうとホルモンは効かず化学療法はよく効くということである。

かつては乳房を全て取ってきたが、最近では抗がん剤が良く効くタイプがわかってきたので
乳房温存希望の人には先に抗がん剤を使って乳房を残す手術が行われる。

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マンモグラフィの画像だが、どこにしこりがあるのかわからないが大きくすると石灰化が見えてくる。
粒々したのがそうである。

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MRI検査をすると中身がよく判り、しこりが2つあることがわかる。
抗がん剤を使い癌が小さくなれば、小さく取ることができるようになる。

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細胞の話のおさらいになるが、例えば血液検査を受けたとする。
1㎣、1mm×1mm×1mmの小さな立方体に400万個の赤血球が正常だといわれている。
これが1㎤になると千倍なので400万個の千倍で40億個となる。
1cmというのはそれぐらいの細胞の固まりと思ってほしい。

細胞が2個、4個、8個と倍々に増える分裂を30回繰り返すと1cmの大きさになるといわれている。
癌が1cmの大きさで見つかる、あるいは5mmで見つかってもその時点で億単位の癌細胞がいる。
画像診断でわかる段階では細胞の数がかなり増えている状態である。

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手術できれいに取り除いたとしても、
目に見えない細胞レベルで体のどこかに潜んでいるかもしれない癌細胞の芽を摘むことが必要になり、
薬の治療として術後に抗癌剤やホルモン剤を行っている。


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1900年代は癌は腋の下のリンパ節を経由して全身に広がると考えられていた時代である。
右上のハルステッドという人が癌はきちんと包むように取る、全摘という標準治療を考え、
それが70~80年の長きに渡り行われてきた。

しかし右下の1980年代にフイッシャーという人が
全摘でなくてもきちんと癌を取れれば予後には関係ないだろう、あるいは
乳腺の中に隠れているかもしれない癌細胞の芽を放射線治療で叩けば乳房を残す手術も可能ではと考え
 ・全摘
 ・癌の部分だけ切除し放射線治療をする
の2つのグループに分けて検証した。

その結果大きく取る・小さく取るは10年20年の生命予後には変わりがないことが証明され
乳房温存療法が一般的になってきた。

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今は美容的に満足できる形に乳房が残せるのであれば、積極的に温存手術する方向になってきた。

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しかしこの術式は残念ながら日本では中々普及せず、日本人は海外の方からは
『Japanese are collective decision-makers.』と言われる。
『collective』は集める、『decision』は決心する、つまり
決して先駆けて目立つ行動を取らず周囲の出方を見てから遅まきながら遅れないように行動する・・・
このように色々な場面で言われている。

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本当に恥ずかしい話だが乳房温存手術の比率はこのように増えていき やっと2003年頃に逆転した。
こんなことがないように私たちは海外の臨床テストの結果を速やかに取り入れる、我々もテストに参加する、
あるいは独自に行うなど、きちんと標準と思われる治療は積極的に取り組んでいく必要がある。
そのために今ガイドライン等を整備していて、
丁度今回の乳癌学会でも患者さん向けのガイドラインを出したので 是非ご覧いただければと思う。




      https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/3c/8c/pi0830pipikapi/folder/1622272/img_1622272_31239507_1?1201412803.jpg

外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」 上は以上です。

次回は 外科編 「外科的治療の進歩-小さく見つけて、小さく治す-」 下 をUP予定です。