鶴見にも結構名の通った焼きとん屋が数軒有るけど、一番好きなのが「やまぐち」。
若いスタッフがこなすデリケートな焼きが気に入ってる。タレがあっさり派なのも俺好み。ゆえにレバー、シロが安定して美味しい!更に瞠目するのはハツ。この焼き加減はイイ!サクッと感がクリアに出てて、ハツの旨さを十二分に楽しめる。希少部位のハツモトとスジは数本で売り切れとなってしまうが、流石の素晴らしさである。
焼き以外もモツ煮込み等、手堅い。そして刺し物も美味しくて、その筆頭はガツ刺し。このレベルはなかなか無いんじゃないかな。味は酢味噌、ポン酢、胡麻塩ガーリックで選べる。下に敷かれている玉葱のおかげで、強めの各種タレに浸かり過ぎない工夫も良し。
ホッピーはいわゆる三冷ではないけど、空のグラスに中と外を注ぐ形を取っていて、最初から自分で調節できる。
鶴見もなかなかやるじゃん。
「まき村」(大森)へ。
まずは前菜三品から。酢の物にした季節野菜は拍子木切り、玉蜀黍手毬揚げは丸くひと口サイズ、胡麻和えは蓮根と胡瓜の厚さを揃えてアーモンドで食感と香ばしさのアクセントをプラス。ほんの少しの手間が何気ない食材の味を際立たせる。これぞまき村の真骨頂!
次のお椀は一転してスペシャル感有り!帆立真薯にフカヒレが加わってる。それもほぐした麺状のでなく日本人好みの姿煮的な物を食べやすい小ささに。これと帆立がまた絶妙なコンビネーション!香りといい味わいといい脳髄痺れるくらい美味しい!!!吸い地とのバランスも素晴らしく、暫し陶然となる私。
剣先烏賊素麺・海苔と卵黄添えでひと呼吸置いた後は刺身。この季節ド本命の真子鰈のお出まし〜。そのあくまでデリケートな味を存分に楽しめるのも、包丁の切れがあってこそ。何回食べても素晴らしいね〜!
ここでズドン!と一品料理的に蒸鮑・肝ソース・雲丹添えが。これがまたバランスの良い味なんだわ。決してクドくないけど濃厚な海の風味が口いっぱいに広がる。鮑の出来も完璧で言う事無し!
その次は煮穴子。下には豆腐を敷いて上から銀餡をかけてある。いたってシンプルな組み合わせながら、味の完成度たるや唸らざるをえない。穴子の質もさることながら、この銀餡の出汁、やっぱこれこそが和食の真髄だわな〜。
更に肉です。但馬牛イチボのローストビーフ・旨煮餡・茄子添え。肌理細かいシルキーな食感に溢れる牛の味。それを引き立てる餡と茄子。も〜凄い!凄いよ〜!!
鱧の落とし・蓴菜添えで素材の良さを再確認した後は、鮎御飯。まき村の名物はなんと言っても鯛茶だけど、夏には鮎御飯が出る。美味しく下拵えされた鮎を綺麗に御飯の上に並べた、そのビジュアルの美しさよ。そしてひと口頬張れば、肝の風味を纏いつつもあくまで上品な味わいに絶句!もはや言葉が出ない。只々お代わりするのみじゃ。
最後はデザートのマンゴー・白ワインゼリーがけ・マスカルポーネのムース添えを食べ、幸福の大団円。
人気になり過ぎて年に2、3回しか来れなくなっちゃったけど、またもや感動の嵐!突き詰めれば食材の質と技術の確かさ。積み木を組むが如く、基礎部分からきっちり積み上げ、一品一品至高の料理に仕上げていく。これって実は高いお店でもなかなか出来ない事なんだよな〜。。。
「与志福」(東銀座)へ。久しぶりに来て、やっぱりここは京風の凄みを備えてる事を実感。
ミニ八寸的な前菜三品から。 長芋素麺・雲丹添え、穴子と茄子の含め煮、筍の木の芽和え。
なんというデリケートな味なのか。出汁を仲立ちに素麺仕立ての長芋とピュアな塩水雲丹の絶妙な組み合わせ。穴子と茄子はこれが海と大地で別々の所の物とは思えない一体感。筍の木の芽和えは良く有るけど、この味わい深さはなかなか無い。イイわ〜!
お椀は鱧。それに黒胡麻豆腐が寄り添う。鱧はまぁいい。このレベルの店なら鱧でコケたりしない訳で。素晴らしいのは黒胡麻豆腐。コクは控え目にしつつ、良い風味は引き出されてて、不思議なくらい鱧と合う。勿論吸い地の出汁加減は完璧。
お造りは真子鰈と中トロ。この真子鰈が凄かった!上品な白身の風味がじわ〜っと広がる。最初に与志福に来た時も、真子鰈の仕上がり具合に感動したけど、相変わらずの出来栄えだわ!対して鮪は脂がきつめ。コースの流れ的にはメリハリが出るのだろうけど、好みからちと外れた。
箸休め的な水茄子・蕗味噌添えを挟んで、鰹のたたき。春の鰹としての香りがちょっとだけ物足りない気がしたけど、たたき具合は素晴らしい!過不足無い香ばしさを纏ってる。
その香ばしい流れで、焼物はベビーコーンとホワイトアスパラ。シンプルに野菜だけで堂々としたひと皿にしてしまう。うん、流石!
次の蛤のさっと煮に驚愕!サッと煮たからさっと煮だって。何よりまた出汁が素晴らしい!蛤を超えた蛤料理。これぞ、与志福の味じゃ!
そして再び焼物で、稚鮎の塩焼。苦味が堪らん!この為に生ビール(ここはサッポロ白穂乃香)を残しておいたと言っても過言じゃないね。
次はまたもや出汁の素晴らしさを発揮する炊き合わせ。飛龍頭・甘鯛・椎茸が織り成す旨味の競演!いやはやどんだけ美味しいんだよ〜。
まだ続く美味のパレード。鱧の焼霜で腕前の、バチコ焼きで仕入れの、確固たる正統性を念押しされた感有り。大したもんだわ。
御飯物はラッキーにも炊き込み。うすい豆御飯である。地味なことこの上無い。しかし豆の風味、塩と出汁の加減、凄い!凄いのよ!痺れました。
最後は餡子の蓬餅巻きで口福の大団円。
食材の扱い・ピュアな出汁・包丁の切れ味、一流!としか言いようがない。今までで一番与志福の真髄を見れたような気がする。勢い有るわ〜。正に昇龍の如し!