スペイン料理で有名なパエリア。これはあの平べったい鍋の名前、パエリアからきてる。
スペインには他にも鉄瓶の様な形のカルデロ、深皿型で焼物系のカスエラ、と色々な鍋がある。
一方、パエリアに代表されるスペインの米料理は、全般的にアロスと呼ばれていて、仕上げの柔らかさ加減で、乾いているという意味のセコ、蜂蜜の様にトロリとしてるという意味のメロッソ、雑炊状態でスープたっぷりなカルドソ、とそれぞれ別の名前がある。
で、パエリア鍋で作ったセコの米料理が、鍋の形状と仕上がり状態の相性が良く、料理としてもメジャーであまりにも有名なので、鍋の名前そのままでパエリアと呼ばれてる様なのだ。
どうやらパエリア鍋でもメロッソ仕上げの料理もあるみたいだし、カスエラを使ったメロッソも存在する。けど汁気の多いカルドソはカルデロ、セコならパエリア鍋はお決まりの様だ。
前置きが長くなったが、今、俺的にはメロッソに凝っている。元は海老とか魚介系のメロッソを追っかけていたのだが、とあるバルのご主人から「メロッソならイカ墨のを食べてくれ。食べ歩きが趣味なら、都内のイカ墨メロッソを色々食べた後、ウチのを食べてみてくれ。」との特命が。
そうまで言われちゃ行かねばなるまいて。
さて、色々行ってみて、やはりメロッソは必ずしもカルデロを使う訳じゃなく、カスエラや鉄のフライパンも使われている。
只、お米の状態がお粥っぽく煮崩れていたら、メロッソとしてはアウトかな、と思う。
そして当然イカ墨が生臭く鼻につくようではダメ。風味豊かにトロリとしつつも、お米の粒感がちゃんと残ってる、そんなイカ墨のメロッソを追い求めたい。
今のところイチオシは「五反田漁師バル」のもの。滑らかな食感の中、イカ墨の風味がバランス良く効いていて、これぞ!と思える出来栄え。
和える事で味の変化を楽しむ為のアイオリソースは、はじめからかかっているタイプでなく、傍に器入りで添えられるのも、俺の好み。
ここのメロッソは鉄のフライパンで作られる。美味しければカルデロを使わなくても全然OK。当たり前だが結局はシェフの腕次第。ここの米料理担当は若いが大したもんだわ。いい味出してます。
「サローネ2007」(山下町)へ。
イタリアンとして、トップクラスにゴージャスな雰囲気。料理は約10皿の多皿構成。俺的にはあまり行かない系統なので、楽しみに来店。
まずはメニューをひと通り。
トリュフ風味を効かせたポテトのサーロイン肉巻き
兎と牡蠣の冷前菜・リコッタチーズとアンチョビのクリーム添え
白身魚のソテーと蛸と蛤の温前菜・スープ仕立て
ボッタルガを散らした障泥烏賊とズッキーニのタリオリーニ
マジョラム・タレッジョ・ピスタチオを効かせたチンタセネーゼ豚のロースト・メロンのソルベとバルサミコのゼリー添え
羊のラグーのカヴァテッリ・サフラン風味のパン粉とリクリツィアと無花果添え
フォワグラを包んだカジキのポワレ・鷄のブロードのスープ仕立て・ポルチーニと赤玉葱添え
フェンネルと蜂蜜を効かせた鴨のロースト・デラウェアと赤ワインのソース・ラディッキオ添え
エスプレッソのクロッカンテを付けたザバイオーネクリーム・キャラメルジェラート・ヘーゼルナッツのメレンゲ添え
いくつかの料理にアグロドルチェ(甘味と酸味を組み入れる手法)を効かしているところは、南イタリア的と言えるかも。そして、数々の食材を面白く且つバランス良く組み合わせ、とても上品な料理に仕上げてる。
サービスは若々しくスマートで、お店の雰囲気とぴったりマッチ。きちんとした対応ながら、親しみやすさも兼ね備えてる。
全般的に極めて完成度が高いお店。有名な人気店として横浜に君臨しているのも納得だわ。
「ラペ」(日本橋)でランチ。
あまりシェフの経歴とかには触れないのだが、今回は別。ここのシェフの松本氏は、「オーグードジュール・メルヴェイユ」のシェフを開店当初から勤め上げ、有数の名店にした気鋭の人なのだ。そのシェフの独立店ともなれば、注目度は相当なもんな訳で。
さてランチはメインの魚・肉がorかandの2種類のコースから選ぶ形式。
魚も肉も食べたかったので、andの方にした。
チョリソーを入れたマフィンの美味しいアミューズの後、最初の前菜は
西瓜の冷製スープ。西瓜の甘さに梅肉の酸味を組み合わせた夏らしい爽やかな味わい。滑り出しから面白い!
続いてはミニサイズのタルトフランベ。アルザスの郷土料理で普通と言えば普通だけど、味は美味しい。基本も外しませんな。
次の前菜は魚介(白身・帆立等)のタルタル・白烏賊と海ぶどう乗せ・赤ピーマンのムースとアボカドのクリーム添え。様々な食材をひとまとめにしてバランスを取る(つまりトータルでより美味しくさせる)。出来そうでなかなか出来ない事だけど、当然ながら綺麗にクリアしてる。流石です!
魚は太刀魚のポワレ。タップナードソースを乗せてレモンで変化をつけてる。これだけはソースが強過ぎて太刀魚が影に隠れてしまった感有り。
が、肉ですぐに盛り返す。軽く燻製をかけた銘柄豚のロースト・マスタード風味のジュと白人参のソース・銘柄豚のミンチを詰めた赤万願寺唐辛子のファルシとジロール茸添え。これが抜群に美味しい!燻製でパワーUPした豚の風味がもう口一杯に広がる。ソース味とも相性バッチリ!これは素晴らしい!!
アヴァンデセールとして韃靼蕎麦のブランマンジェと塩アイス・オリーブオイルがけが出た後は、2種類の内からデザートをチョイス、した筈なんだが泡・白・赤とグラスワインでご機嫌になってしまい、食べたデザートを失念。確か夏らしいフルーツ系のを選んだと思うのだが。。。
気を取り直してまとめに入ると、綺麗で美味しい料理に、洗練された雰囲気とサービス。既に名店の風格が備わってるってところです。
只、惜しむらくは地上階でない事。フレンチで地下だと、見る人によってはマイナス。そこが気がかりなんだよな~。