ボルドーからはTGVで一路パリへ。今回の欧州旅行最後の都市である。昼過ぎに着いてまずは1日目のディナー。今回しかるべきレストランへの予約を怠ってしまい、直前でもらった友達情報から「ビストロ・ド・ラ・ギャレット」へ。
ま〜とにかくギョッとしたのは、基本的に全てのメニューがパイ付きな事。前菜なら傍にパイ、メインならパイに挟まれて肉、と終始そんな感じ。そりゃパイが名物なんだろうけど、正直閉口した。味もそこそこ。
翌日のランチもビストロで「ル・コントワール・デュ・ルレ」という老舗。
このお店、開店前から道路に行列。実は夜は予約で数ヶ月先までいっぱい!昼は予約不可で店先に並ぶしかないのだ。で、私めもその行列に並び無事席には着けた。
メニューに書かれた魅力的なビストロ料理の中から、王道のパテ・アンクルートと仔羊のローストを。ま、確かに美味しい。し・か・し、、、ここは天下のパリ。そのパリで有力なビストロではないのけ!?それでこの程度の味ってのは無い!無いわ〜。
もしかして、これが今のパリの実力なの?パリっ子達はこんなレベルで満足してるの??イマイチなお店が2軒続き、ネガティブな見切りが頭をもたげ始めた中、これまた友達に教えてもらったレストランで今回のパリ、そして欧州旅行最後のディナーを迎えた。
パリ3区に在るその店の名は「レ・ザンファン・ルージュ」。なんとシェフもスタッフの大半も日本人のお店。おかげで日本語のメニューがあって、じっくり料理を選べた。
前菜はグリーンアスパラ・セロリ・フヌイユの冷製スープ・オリーブオイルのクリーム・栗のチュイル添えを。そう、ここへ来てグッとただならぬ雰囲気が漂ってきましたよ〜!
ひと口スープを飲んだその時、全身鳥肌!こりゃ素晴らしい!旨味・苦味・酸味など色々な味が渾然一体となって迫ってくる。こんな美味しい冷製スープはついぞ飲んだことが無いかも。いや〜凄い。
そして肝心のメイン。日本にも前菜はなかなかだけど、メインの段になってガクッと力量不足を露呈しちゃう店が結構ある。ここはどうじゃろ?と季節物且つデリケートな味で難しい仔牛にした。ヘーゼルナッツのペーストを纏った仔牛の背肉のロースト・ホワイトアスパラ・モリーユ茸・ほうれん草のソテー・コンテチーズのチュイル添え。なんともそそるメニュー名である。
運ばれてきた皿の上には、真ん中に鎮座した大きな肉塊。そしてその周りに連なるガルニ達。一体感を演出するかの様なそのビジュアルにも感嘆の吐息が漏れる。
早速肉を適度にカットし、ソースを纏わせて頬張ると、、、
す、凄い!旨味爆発!!デリケートな仔牛の肉から、どうやってこんな溢れんばかりの旨味を引き出したのか!?野菜や茸との組み合わせも素晴らしく、この料理も色々複雑な味を見事に一つに纏め上げてる。全くその技量には唸るばかり!尋常じゃない凄さだわ〜。
デザートはパイナップル・パッションフルーツ・マンゴーのパフェ・サクサクアイス・胡椒風味のメレンゲ・なめらかクリーム添えをチョイス。甘さと酸っぱさ、それに胡椒が面白く効いてて、メチャ美味しい!
もうここまで来ると、あまりの美味しさにニヤついてしまう。しかしバカだね〜、俺。世界に冠たる本場パリのフレンチが、前の2軒レベルの筈がないじゃん。はっきり言って、このレ・ザンファン・ルージュだけで東京の大半のフレンチは蹴散らされるくらいだわ。そんなお店がパリにはゴロゴロしてるんじゃろうね〜。ほんのちょっと来ただけで、こんな凄いお店に出会えたんだから。
気付けば20以上の席は既に満杯。日本人は俺のテーブルと若手料理人二人の席とあともう一席。他は全てフランス人で埋め尽くされてる(どうしてフランス人だとわかるのかって?だってパリですもん。シル・ブ・プレ〜)。
また来ます、パリ。そして必ずまた来ます、レ・ザンファン・ルージュ。その為にパリに旅行する価値のあるお店です。