フレンチ「ブルギニオン」(西麻布)へ。16年ぶりに輸入解禁になって今話題のフランス産の仔羊を、この春夏大体週替わりで部位を変えて出している。
一つはキャレと呼ばれる背肉。ラムチョップとして出てくる最もポピュラーな部位。もちろんブルギニオンのキャレは素晴らしく、王道のロースト出て仕上げて旨味たっぷり。さらに傍らには仔羊のミンチのパイ包みかパートフィロ包みが添えられ、これまたメチャクチャ美味!もう凄い取り合わせなのだ。
もう一つの部位がセルと呼ばれる鞍下肉。この場合はそのままのロースト、その他にロール状に巻くか、更には事前注文でロニョン(腎臓)を中に巻き込むロニョナードにするか、その時々で調理法が変わる。
何と言ってもブルギニオンの必殺技はロニョナードで、この春既に食して相変わらずの傑作ぶりに悶絶済み。今回はセルをそのままローストした料理を食べる機会を得た。
それがまたも〜凄い!凄いとしか言い様が無い!滑らかな舌触り、深い風味に唸らざるを得ん。焼き加減が素晴らしいのか、状態が良いとすべきなのか何なのかわからんが、も〜とにかくセルの堪らない味わいには感嘆の溜息が漏れた。
この春夏、都内の色々なフレンチで仔羊を食べたが、やはりブルギニオンの右に出る店はそうそう無い感じ。流石です!
ちなみにこの日に食べたエクルビス(ザリガニ)とグリーンアスパラの温前菜・アメリケーヌソース)も素晴らしかった。ザリガニのコクのある風味がアスパラと絶妙にマッチしてる。
冷前菜では別の日に食べた蝦夷鮑とズッキーニのカペッリーニ(ブルギニオンでは、しれっとイタリア名の料理まで出してしまうのだ)。蝦夷鮑の肝の使い方がこの店ならではの面白さで、是非お薦めしたい。
夏も凄いフレンチのブルギニオン。7/2〜13のお店の夏休みの後に早速また行って、シェフ恒例のフランス土産話を聞かせてもらわねば。
ボルドーからはTGVで一路パリへ。今回の欧州旅行最後の都市である。
昼過ぎに着いてまずは1日目のディナー。今回しかるべきレストランへの予約を怠ってしまい、直前でもらった友達情報から「ビストロ・ド・ラ・ギャレット」へ。
ま〜とにかくギョッとしたのは、基本的に全てのメニューがパイ付きな事。前菜なら傍にパイ、メインならパイに挟まれて肉、と終始そんな感じ。そりゃパイが名物なんだろうけど、正直閉口した。味もそこそこ。
翌日のランチもビストロで「ル・コントワール・デュ・ルレ」という老舗。
このお店、開店前から道路に行列。実は夜は予約で数ヶ月先までいっぱい!昼は予約不可で店先に並ぶしかないのだ。で、私めもその行列に並び無事席には着けた。
メニューに書かれた魅力的なビストロ料理の中から、王道のパテ・アンクルートと仔羊のローストを。ま、確かに美味しい。し・か・し、、、ここは天下のパリ。そのパリで有力なビストロではないのけ!?それでこの程度の味ってのは無い!無いわ〜。
もしかして、これが今のパリの実力なの?パリっ子達はこんなレベルで満足してるの??イマイチなお店が2軒続き、ネガティブな見切りが頭をもたげ始めた中、これまた友達に教えてもらったレストランで今回のパリ、そして欧州旅行最後のディナーを迎えた。
パリ3区に在るその店の名は「レ・ザンファン・ルージュ」。なんとシェフもスタッフの大半も日本人のお店。おかげで日本語のメニューがあって、じっくり料理を選べた。
前菜はグリーンアスパラ・セロリ・フヌイユの冷製スープ・オリーブオイルのクリーム・栗のチュイル添えを。そう、ここへ来てグッとただならぬ雰囲気が漂ってきましたよ〜!
ひと口スープを飲んだその時、全身鳥肌!こりゃ素晴らしい!旨味・苦味・酸味など色々な味が渾然一体となって迫ってくる。こんな美味しい冷製スープはついぞ飲んだことが無いかも。いや〜凄い。
そして肝心のメイン。日本にも前菜はなかなかだけど、メインの段になってガクッと力量不足を露呈しちゃう店が結構ある。ここはどうじゃろ?と季節物且つデリケートな味で難しい仔牛にした。ヘーゼルナッツのペーストを纏った仔牛の背肉のロースト・ホワイトアスパラ・モリーユ茸・ほうれん草のソテー・コンテチーズのチュイル添え。なんともそそるメニュー名である。
運ばれてきた皿の上には、真ん中に鎮座した大きな肉塊。そしてその周りに連なるガルニ達。一体感を演出するかの様なそのビジュアルにも感嘆の吐息が漏れる。
早速肉を適度にカットし、ソースを纏わせて頬張ると、、、
す、凄い!旨味爆発!!デリケートな仔牛の肉から、どうやってこんな溢れんばかりの旨味を引き出したのか!?野菜や茸との組み合わせも素晴らしく、この料理も色々複雑な味を見事に一つに纏め上げてる。全くその技量には唸るばかり!尋常じゃない凄さだわ〜。
デザートはパイナップル・パッションフルーツ・マンゴーのパフェ・サクサクアイス・胡椒風味のメレンゲ・なめらかクリーム添えをチョイス。甘さと酸っぱさ、それに胡椒が面白く効いてて、メチャ美味しい!
もうここまで来ると、あまりの美味しさにニヤついてしまう。しかしバカだね〜、俺。世界に冠たる本場パリのフレンチが、前の2軒レベルの筈がないじゃん。はっきり言って、このレ・ザンファン・ルージュだけで東京の大半のフレンチは蹴散らされるくらいだわ。そんなお店がパリにはゴロゴロしてるんじゃろうね〜。ほんのちょっと来ただけで、こんな凄いお店に出会えたんだから。
気付けば20以上の席は既に満杯。日本人は俺のテーブルと若手料理人二人の席とあともう一席。他は全てフランス人で埋め尽くされてる(どうしてフランス人だとわかるのかって?だってパリですもん。シル・ブ・プレ〜)。
また来ます、パリ。そして必ずまた来ます、レ・ザンファン・ルージュ。その為にパリに旅行する価値のあるお店です。
サン・セバスティアンから列車で国境を越え、ボルドーへ。世界的に有名なワイン産地に初訪問。そしてボルドーでも格付等で特に著名なメドック地区のシャトー巡りをした。
まず最初に言うと、相当ボルドーに精通してない限り、大人しくシャトー巡りのツアーに予め申し込んで参加するに限る!
メドックだったからかもしれないが、名だたる格付シャトーを片っ端から見る事は、このツアーの一撃で大体叶ってしまう。
でもツアーの車に乗せてもらい周るだけでは、単に風景画の如く外からシャトーを見てせいぜい写真を撮るだけ。ボルドーワインをより深く知る為には、もちろん各シャトーの中を見学しなければ始まらない。
通常ボルドーシャトー巡りツアーでは、1日に2、3軒のシャトーの見学が含まれている。やはり醍醐味はこれなのだ。
俺が見学に行ったのは、以下の3軒。
シャトー・ラグランジュ
シャトー・ポンテカネ
シャトー・プージョ(シャトー・ボイド・カントナックも所有)
この中で何と言っても良かったのは、シャトー・ラグランジュ。実はサントリーの所有でその資本力の他、総合的なリソースの継続した投入により、高い評価を得ている有数のシャトーである。
訪ねてみると、建物の質、挑戦的な醸造、ガイドのホスピタリティ、試飲の充実度と、もうパーフェクトとしか言いようが無い。
試飲した中では、意外やフラッグシップの赤より、白のレザルム・ド・ラグランジュが素晴らしかった!これほどのボルドー白をシャトー・ラグランジュが出していたとは!
生産本数がかなり少ないらしく次また飲めるかわからないと思い、堪らず1本買ってしまった。
さて、シャトーもさることながら、やはりボルドーのレストラン事情も多少は織り込まねばなりますまいて。
ランチで1軒、
「Ha restaurant』
ディナーで2軒、
「Le Bistro du Sommelier』
「Restaurant Influences」
計3軒のフレンチをボルドーで食した。
流石にフランス。Ha restaurantの鱈のポワレ、Influencesの仔羊のロースト等は、なかなかの出来栄えで、東京でもそうそう無いレベルの美味しさだったし、Le Bistro du Sommelierは触れ込み通り、銘醸ワインがリーズナブルに楽しめた。
しかし、ま、本音を言えば驚愕するほどではなかったし、東京でトップクラスに美味しい店なら十分食べられるレベル。フランスももはや恐るるに足らず、と早合点してしまった。この後、パリで本場の底力を垣間見るまでは。。。