前回は動作分析をして、文書にするとこまでやりましたね。

今回は前回触れた検証の部分を少し掘り下げます。

「歩けない理由はコレかな?」→「違った。。。」→「じゃあコレかな?」→「違った。。。」を繰り返すって部分ですね。

慣れてくると、原因になる可能性がある因子をいつくも(もらさず)列挙できるようになるんですが、初めはなかなか思いつかないものです。

では、具体的にやっていきましょうか。まずは大きな流れのおさらいです。

・歩けるのか歩けないのか
・歩けない(助けがいる)なら、いつ(立脚or遊脚)、どんな助けがいるのか
・なぜ助けがいるのか(なぜ自分で出来ないのか)
・出来ない原因はコレではないか

みたいな流れですね。

最後のところの『原因はコレではないか』について掘り下げます。

前回は、

右足に体重を乗せるのに時間がかかっている→右足関節の背屈が(正常歩行に比べて)出てない

でも、右足関節の背屈に問題無い!じゃあ何でだ!

みたいな流れでしたね。

そうなんです。
体重が乗りにくい原因なんて星の数ほどあるわけなんですよ。

とりあえず、関節可動域の問題も含めて列挙してみましょうか。

①足関節(股関節)の角度に問題がある
②痛みがある
③右下肢に感覚障害がある
④姿勢制御に関わる機能に問題がある
⑤運動麻痺がある
⑥高次脳機能に問題がある

他にもあると思いますが、とりあえず以上の項目で話を進めていきます。

とりあえず、
①・②:可動域系
②・⑤:支持能力系
③・④・⑥:制御系
とかで分けましょうか。

①・②の可動域系は簡単ですね。可動域のテストをすれば良いわけですから検証は簡単ですね。拘縮とかあれば①だし、痛み(運動時痛)が制限なら②だし。
あと、歩いてる時に、「もう少し早く右足に体重乗せたらどうなりますか?痛いですか?」とか聞けたらなお良いんですけどね。

②・⑤の支持能力系は『そもそも支えれるのか』とい話ですね。筋力低下とかもここに含まれますね。
コレは、片脚立位でのリアクションとかで検証しましょうか。
崩れてしまったり、体重を乗せるのを回避するような現象が出るかを見て検証したりしましょうか。
また、上で出た運動時痛ではなく荷重時痛についても調べます。

③・④・⑤の制御系は、本当に難しい。制御系とか言いましたが正式な名称ではなく、一般的にはバランス能力とか呼ばれたりしてます。
まぁ、ここでは制御系としましょう。
感覚障害があったり、小脳系の失調があったりすれば、支持能力はあるのに調整が出来ない→時間がかかる!という事になりますよね。
各項目の具体的な検証は、、
⑤の高次脳の場合は条件を変えます。失行であればわざと意識させる、失認であれば認識しやすい環境にする、とかですね。
④の姿勢制御は小脳や基底核などの機能に問題がある場合ですね。
コレはバランスを取りやすい環境にしてみましょうか。
③の感覚障害は感覚検査をして、感覚の入力を促して検証していきましょうか。

このように各要素に対して検証していき、正体を突き止めていくわけです。

ざっくりと書きましたが、上記を参考に検証を進めていってもらえたらと思います。