名古屋市天白区にあるPhysio Conditioning Lab.(フィジオコンディショニングラボ)|パーソナルトレーニング×ピラティス&ボディメンテナンス 理学療法士トレーナーの柴田です。
はじめに
「体幹を強くするためにプランクを毎日やっています」
「プランクを長時間できるようになったのに、腰痛や姿勢があまり変わりません」
このような方は少なくありません。
プランクは、体幹の筋肉を使う代表的なトレーニングです。
しかし、プランクを長くできること=日常生活や運動で体幹を上手に使えることではありません。
むしろ、プランクの時間だけを伸ばしていると、「体幹を鍛えているつもりなのに、実際の動作では身体が安定しない」ということもあります。
今回は、理学療法士の視点から、プランクをしても体幹が強くならない理由と、体幹機能を高めるために必要な考え方を解説します。
プランクをしても体幹が強くならない最大の理由
最も重要なのは、「体幹の筋力」と「体幹を使う能力」は同じではないということです。
プランクでは、身体を一直線に保ちながら、重力によって身体が反ったり落ちたりするのを防ぎます。
そのため、腹直筋、腹斜筋、腹横筋などの腹部の筋肉だけでなく、脊柱周囲の筋肉や骨盤周囲の筋肉なども働きます。
しかし、実際の生活では身体が完全に動かない状態はほとんどありません。
歩く、階段を上る、物を持つ、片脚で立つ、腕を上げる、運動をする。
これらの動作では、体幹は「固め続ける」のではなく、必要な範囲で動きながら安定する必要があります。
つまり、プランクで静止する能力だけを高めても、動作中の体幹機能が十分に向上するとは限りません。
① プランクの時間だけを伸ばしている
「1分できるようになった」
「2分できるようになった」
これは一つの指標にはなります。
しかし、長時間プランクができることだけを目標にすると、いつの間にか「体幹を効率よく使う」よりも「楽な姿勢で耐える」ことが目的になってしまうことがあります。
例えば、腰が反っている、肩に力が入っている、呼吸が止まっているなどの状態でも、ある程度長く耐えることは可能です。
そのため、単純に時間を延ばすのではなく、
・姿勢を維持できているか
・呼吸を続けられるか
・腰や肩に過剰な力が入っていないか
・身体が左右に傾いていないか
などを見る必要があります。
② 「固める」ことばかり練習している
体幹トレーニングというと、「お腹に力を入れて身体を固める」というイメージが強いかもしれません。
確かに、重い物を持つときなどには体幹を安定させる能力が重要です。
しかし、常に身体を固めればよいわけではありません。
歩行では骨盤や胸郭が動きます。
腕を上げるときには胸椎や肩甲骨が動きます。
しゃがむときには股関節や骨盤が動きます。
つまり、良い体幹機能とは「動かないこと」ではなく、必要なところを動かしながら、必要なところを安定させる能力とも考えられます。
③ 呼吸が止まっている
プランク中に息を止めてしまう方もいます。
「お腹に力を入れよう」と意識しすぎると、呼吸が浅くなったり、呼吸を止めたりすることがあります。
体幹の安定には、腹部だけではなく、横隔膜や胸郭などを含めた呼吸システムも関係しています。
そのため、プランクを行うときも、姿勢を保ちながら自然に呼吸できるかを確認することが重要です。
呼吸をしながら姿勢を維持できることは、単純な「最大筋力」とは異なる体幹のコントロール能力を見る一つのポイントになります。
④ 体幹ではなく肩や腰で耐えている
プランクをすると「腰が痛い」「肩がすぐ疲れる」という方もいます。
この場合、単純に「体幹が弱い」とは限りません。
例えば、腰が反っていると、腰部周囲に負担が集中する可能性があります。
反対に肩をすくめるように力んでいると、肩や首周囲に過剰な緊張が生じることもあります。
重要なのは、「どこが疲れるか」です。
腹部に適度な負荷を感じるのか、腰ばかりが疲れるのか、肩や首が張るのか。
こうした反応を確認することで、身体の使い方を考えるヒントになります。
⑤ 体幹だけを鍛えている
実は、体幹の安定には下半身も大きく関係します。
例えば、片脚で立つときには、足部、足関節、膝、股関節、骨盤、体幹が連動します。
股関節周囲の筋力やコントロールが不十分であれば、体幹を過剰に傾けることでバランスを取ることもあります。
そのため、「体幹が弱いから体幹トレーニングをする」という考え方だけでは不十分な場合があります。
体幹だけでなく、足部から股関節、骨盤、胸郭までを一つの運動システムとして考えることが重要です。
⑥ 実際の動作につながる練習をしていない
ここが非常に重要です。
例えば、プランクで1分間きれいに姿勢を維持できても、
・片脚立ちになると身体が傾く
・スクワットで腰が反る
・歩くときに上半身が左右に揺れる
・腕を上げると腰を反ってしまう
・重い物を持つと身体が不安定になる
ということはあります。
これは「プランクが無意味」ということではありません。
プランクで得られる能力を、実際の動作へつなげる練習が別に必要だということです。
体幹トレーニングは「静止→動作」へ進める
体幹機能を高める場合、最初から複雑な運動をする必要はありません。
例えば、
① 正しい姿勢で体幹を安定させる
↓
② 呼吸をしながら姿勢を維持する
↓
③ 手足を動かしても体幹を安定させる
↓
④ 四つ這いや片脚立位などで身体をコントロールする
↓
⑤ スクワット・歩行・階段など実際の動作につなげる
というように、段階的に難易度を上げる方法があります。
つまり、「プランクを何分できるか」だけではなく、動きながら体幹をコントロールできるかを見ることが重要です。
プランクが向いている人・注意が必要な人
プランクは、体幹の安定性を練習する方法として有用です。
一方で、腰痛がある人、肩や手首に痛みがある人、姿勢を維持すること自体が難しい人などは、一般的なプランクが適切とは限りません。
例えば、膝をついた状態から始める、壁を使う、別の体幹トレーニングを選択するなど、身体の状態に合わせて負荷を調整できます。
「体幹トレーニングだから、とりあえずプランク」ではなく、その人の身体に合った方法を選ぶことが大切です。
理学療法士が体幹を見るときは「筋力」だけを見ない
理学療法士が身体を評価するときには、単純に「腹筋が強いか弱いか」だけでは判断しません。
例えば、
・関節の可動域
・筋力
・左右差
・姿勢
・呼吸
・バランス
・身体の重心
・動作パターン
・痛みの有無
・日常生活での身体の使い方
などを総合的に確認します。
同じ「体幹が弱い」という悩みでも、その原因は人によって違います。
だからこそ、トレーニングも一律ではありません。
よくある質問
Q. プランクは毎日やったほうがいいですか?
必ずしも毎日行う必要はありません。頻度よりも、正しいフォームで適切な負荷を設定し、他の運動と組み合わせることが重要です。
Q. プランクを長くできれば体幹が強いですか?
プランクの持続時間は一つの指標ですが、それだけで体幹機能のすべてを判断することはできません。実際の動作で身体を安定させられるかも重要です。
Q. プランクをすると腰が痛くなります。続けてもいいですか?
痛みを我慢して継続することはおすすめしません。フォームや負荷が合っていない可能性もあるため、原因を確認することが大切です。
Q. 腹筋を鍛えれば体幹は強くなりますか?
腹筋群は体幹機能の一部です。ただし、体幹の安定には背部、骨盤周囲、呼吸、股関節なども関係するため、腹筋だけを鍛えれば十分とは限りません。
Q. ピラティスとプランクはどちらが体幹に効果的ですか?
どちらが優れているというより、目的によって使い分けることが重要です。プランクは静的な安定性を練習しやすく、ピラティスでは呼吸や脊柱・骨盤・四肢の動きを組み合わせたコントロールを練習できます。
まとめ|体幹は「固める力」だけではない
プランクをしても体幹が強くならないと感じる場合、単純に「もっと長くプランクをする」ことが解決策とは限りません。
重要なのは、
・正しい姿勢で行えているか
・呼吸をしながら安定できるか
・腰や肩に負担が集中していないか
・左右差がないか
・手足を動かしても体幹を安定できるか
・実際の動作につながっているか
という視点です。
体幹機能とは、単に身体を「固める力」ではありません。
必要なときに安定し、必要なときには適切に動けること。
この両方が重要です。
フィジオコンディショニングラボでは「体幹が弱い」の原因から評価します
当ジム・治療院では、理学療法士の知識を活かし、「体幹が弱いから体幹トレーニング」という単純な考え方ではなく、身体全体の動きを評価します。
「プランクをしているのに効果を感じない」
「体幹が弱いと言われた」
「腰痛があるけれど体幹を鍛えたい」
「スポーツで身体がブレる」
「姿勢を安定させたい」
このようなお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。
理学療法士×パーソナルトレーニング×ピラティスの視点から、一人ひとりの身体の状態に合わせてトレーニングを組み立てます。
【名古屋市天白区・植田駅 徒歩6分】
昭和区・瑞穂区・日進からもアクセス良好
無料専用駐車場2台あり
「何回プランクをするか」ではなく、「その体幹を実際の動作でどう使えるようにするか」。
これが、体幹機能を高めるうえで重要な考え方です。
