名古屋市天白区にあるPhysio Conditioning Lab.(フィジオコンディショニングラボ)|パーソナルトレーニング×ピラティス&ボディメンテナンス 理学療法士トレーナーの柴田です。
はじめに
「運動した方がいいのは分かっているけど、動くと痛い」
「腰痛があるから運動をやめている」
「膝が痛いので筋トレができない」
「運動をすると痛みが悪化しそうで怖い」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
特に慢性的な肩こり、腰痛、膝痛、股関節痛などがあると、
「痛いなら動かさない方がいい」
と考えてしまうのは自然なことです。
しかし、ここで知っておいてほしいことがあります。
「運動すると痛い=運動してはいけない」ではありません。
もちろん、痛みの原因によっては運動を控えたり、医療機関で検査を受けたりする必要があります。
一方で、慢性的な痛みの場合には、適切に運動量や負荷を調整しながら身体を動かしていくことが重要になるケースもあります。
大切なのは、
「運動するか、しないか」ではなく、「どの運動を、どのくらい、どのように行うか」
です。
今回は、運動すると痛みが出る人ほど知っておいてほしいことを、理学療法士の視点から解説します。
「痛いから動かない」が必ずしも正解ではない
痛みがあると、まず安静にしたくなります。
これは当然の反応です。
痛い。
↓
動かさない。
↓
身体を守る。
というのは、身体に備わった自然な防御反応でもあります。
しかし、痛みが長期間続いている場合、
「痛いから動かない」
という状態が長く続くことには注意が必要です。
身体を動かす機会が減ると、
筋力が低下する。
体力が低下する。
関節を動かす機会が減る。
身体を動かすことに不安を感じる。
日常生活の活動量が低下する。
という変化が起こる可能性があります。
すると、
動かない → 体力が落ちる → さらに動くのが怖くなる
という悪循環につながることがあります。
そのため、慢性的な痛みでは「完全に動かない」ことだけが解決策とは限りません。
「痛みがある=身体が壊れている」とは限らない
ここは非常に重要です。
痛みを感じると、
「この動作で身体が壊れている」
「関節に負担がかかっている」
「筋肉が傷ついている」
と考えてしまう方がいます。
しかし、痛みは単純に「組織が壊れていること」だけで決まるものではありません。
痛みには、
身体的な要因。
過去のケガ。
睡眠。
ストレス。
活動量。
不安や恐怖。
仕事環境。
生活習慣。
など、さまざまな要因が関係することがあります。
そのため、
「痛みがある=身体を動かしてはいけない」
と単純に考えることはできません。
ただし「痛くても我慢して運動する」は違う
ここで誤解してはいけないのが、
「痛みがあっても我慢して運動しましょう」
という意味ではないことです。
痛みを我慢して無理に運動する必要はありません。
例えば、
軽い運動で少し違和感が出る。
↓
運動後にすぐ落ち着く。
という場合と、
運動するたびに強い痛みが出る。
↓
その後も長時間痛みが続く。
↓
日常生活まで悪化する。
という場合では、考え方が違います。
重要なのは、
痛みの強さだけではなく、「運動によって身体がどう反応したのか」を確認すること
です。
「運動中の痛み」だけで判断しない
運動すると痛い人は、
「運動中に痛かった」
という一点だけで、その運動が悪いと判断しがちです。
しかし、実際には、
運動中。
運動直後。
数時間後。
翌日。
翌々日。
まで含めて身体の反応を見ることが重要です。
例えば、軽い負荷で運動して少し違和感があったとしても、短時間で落ち着き、翌日の状態も悪化していないのであれば、負荷を調整しながら継続できる場合があります。
逆に、
「運動中は大丈夫だったけれど、翌日に強く痛くなった」
のであれば、運動量が現在の身体に対して多すぎた可能性があります。
つまり、
「その運動ができるか?」だけではなく、「その運動量に身体が耐えられるか?」
を見る必要があります。
痛みがある人ほど「負荷の調整」が重要
運動には、
強度。
回数。
セット数。
時間。
頻度。
動作の範囲。
休憩時間。
など、さまざまな負荷の要素があります。
例えばスクワットで膝が痛いからといって、
「スクワットは禁止」
と決める必要があるとは限りません。
まず、
浅くする。
回数を減らす。
ゆっくり行う。
支えを使う。
負荷を軽くする。
フォームを調整する。
など、条件を変えることができます。
つまり、
「できる・できない」の二択ではなく、「どうすればできるか?」
を考えることが重要です。
「同じ運動」でも身体への負担は変えられる
例えばスクワット。
10回×3セットを行って痛みが強くなる人がいたとします。
だからといって、
「スクワットは自分にはできない」
と決めつける必要はありません。
例えば、
5回×1セットにする。
↓
動作範囲を浅くする。
↓
椅子を使う。
↓
休憩を長くする。
↓
翌日の反応を確認する。
というように調整できます。
これによって、
「運動そのものを禁止する」のではなく、「身体が対応できる量に調整する」
という考え方ができます。
痛み改善では「弱いから鍛える」だけでは不十分
「膝が痛いから太ももを鍛えましょう」
「腰痛だから腹筋を鍛えましょう」
というアドバイスを聞いたことがあるかもしれません。
筋力トレーニングが重要なケースはあります。
しかし、
痛み=筋力不足
とは限りません。
例えば、
関節の可動性。
身体の動かし方。
バランス。
柔軟性。
運動量。
姿勢。
睡眠。
生活習慣。
など、さまざまな要素が関係します。
そのため、
「筋肉を鍛えればすべて解決」
という考え方ではなく、
「なぜ痛みが出ているのか?」を評価すること
が重要です。
「痛い場所」だけを鍛えればいいわけではない
これも重要なポイントです。
例えば膝が痛い場合、
「膝の筋肉を鍛えよう」
と考えます。
しかし、歩行や階段、スクワットなどでは、
足部。
足関節。
膝。
股関節。
骨盤。
体幹。
が連動しています。
そのため、
膝だけを見ても動作全体の問題は分からない
場合があります。
腰痛でも同じです。
腰だけではなく、
股関節。
胸郭。
骨盤。
下肢。
体幹。
などを見る必要があります。
「痛みが怖い」という感覚も無視してはいけない
慢性的な痛みがある方には、
「また痛くなったらどうしよう」
という不安があります。
そのため、
「運動してください」
と言われても、怖くて動けないことがあります。
これは単なる「気持ちの問題」ではありません。
痛みの経験によって、身体を動かすことへの恐怖が強くなることがあります。
そこで重要なのが、
「安全に動けた」という経験を少しずつ増やすこと
です。
最初から大きな負荷をかける必要はありません。
できる範囲の動作から始め、
「これなら大丈夫」
という経験を積み重ねます。
運動で大切なのは「頑張ること」より「続けられること」
痛みがある人ほど、
「早く治したい」
という気持ちから、頑張りすぎてしまうことがあります。
最初に張り切って、
毎日トレーニング。
高強度の筋トレ。
長時間のストレッチ。
大量のウォーキング。
↓
痛みが悪化。
↓
運動を中断。
というパターンです。
これでは継続できません。
むしろ、
「今の身体で無理なく続けられる量」
から始めることが重要です。
身体は一度の運動で劇的に変わるものではありません。
継続によって少しずつ変化していきます。
「運動した翌日に痛い」はどう考える?
よくある質問です。
運動後に筋肉痛や一時的な違和感が出ることはあります。
しかし、
「痛みが出たから必ず悪い」
とも、
「筋肉痛だから問題ない」
とも一概には言えません。
重要なのは、
どの程度の痛みなのか。
どれくらい続くのか。
日常生活に影響するのか。
以前より悪化しているのか。
同じ運動を繰り返すと毎回悪化するのか。
などを確認することです。
特に、運動をするたびに症状が強くなる場合は、運動量や方法を見直す必要があります。
「痛みをゼロにしてから運動する」という考え方にも注意
「痛みが完全になくなったら運動を始めよう」
と考える方もいます。
しかし、痛みが長期間続いている場合、
「痛みがゼロになるまで何もしない」
という方法では、活動量が低下したままになってしまう可能性があります。
もちろん、急性期や特定の疾患では安静や運動制限が必要な場合があります。
一方で、慢性的な痛みに対しては、
症状に合わせて運動量を調整する。
↓
身体機能を少しずつ高める。
↓
日常生活の活動量を増やす。
という考え方が重要になることがあります。
運動すると痛い人ほど「評価」が重要
ここが、私が理学療法士として特に伝えたい部分です。
「運動すると痛い」
という結果だけを見て、
「運動が悪い」
と判断するのではなく、
なぜその運動で痛みが出るのか?
を考える必要があります。
例えば、
関節の動きが不足している。
筋力が不足している。
身体の使い方に偏りがある。
運動量が多すぎる。
運動量が少なすぎる。
特定の動作を繰り返している。
フォームが現在の身体に合っていない。
など、さまざまな可能性があります。
だからこそ、
「痛いから運動をやめる」ではなく、「痛みが出ない、または悪化させにくい方法に運動を調整する」
という視点が重要です。
こんな痛みがある場合は、自己判断で運動を続けない
一方で、すべての痛みに対して運動を続ければいいわけではありません。
特に、
突然の強い痛み。
大きな外傷後の痛み。
急激に悪化する症状。
手足の強いしびれ。
明らかな筋力低下。
発熱などを伴う痛み。
安静にしていても強くなる痛み。
などがある場合は、自己判断で運動を続けず、医療機関で評価を受けることが重要です。
「運動で改善できる痛みなのか?」
「まず医療的な評価が必要なのか?」
を判断することも大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 運動すると痛いのですが、運動をやめた方がいいですか?
必ずしも運動をやめる必要があるとは限りません。
痛みの原因や程度によって対応は異なります。慢性的な痛みでは、負荷や運動方法を調整しながら身体を動かすことが重要になる場合があります。
Q. 痛みを我慢して運動すれば強くなりますか?
「痛みを我慢すればするほど良い」という考え方はおすすめできません。
強い痛みを我慢して運動するのではなく、現在の身体が対応できる負荷に調整することが重要です。
Q. 運動後に痛くなったら、その運動は自分に合っていないのでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。
運動の種類だけでなく、回数、強度、時間、動作範囲、頻度などが適切だったかを確認する必要があります。
運動後から翌日以降までの身体の反応を確認することも大切です。
Q. 腰痛がある場合、腹筋運動をしてもいいですか?
腰痛の原因や状態によって異なります。
腹筋が必要な場合もありますが、腰痛があるから腹筋をすれば改善するとは限りません。
痛みが出る動作や身体全体の機能を評価したうえで、適切な運動を選ぶことが重要です。
Q. 膝が痛い場合、スクワットはやめた方がいいですか?
膝の状態によります。
スクワットそのものを禁止するのではなく、深さ、回数、負荷、フォーム、支えの有無などを調整することで実施できるケースもあります。
ただし、強い痛みや症状の悪化がある場合は、専門家に相談してください。
Q. 痛みがある人にパーソナルトレーニングは向いていますか?
身体の状態を評価し、運動量や方法を個別に調整できる環境であれば選択肢になります。
特に「何をすると痛いのか」「どのくらいなら運動できるのか」を確認しながら進められる点は、運動に不安がある方にとってメリットになります。
まとめ|「痛いから運動しない」から一歩進んで考える
運動すると痛い人ほど知ってほしいのは、
「痛い=運動禁止」ではない
ということです。
もちろん、医療的な評価が必要な痛みもあります。
しかし、慢性的な痛みの場合には、
「どの運動ならできるのか?」
「どのくらいなら身体が耐えられるのか?」
「運動後にどのような反応が出るのか?」
を確認しながら、少しずつ身体を動かしていくことが重要になる場合があります。
大切なのは、
運動するか、しないかの二択ではありません。
「今の自分の身体に合わせて、運動をどう調整するか」
です。
痛みがあるからこそ、
無理をしない。
でも、必要以上に怖がらない。
身体の反応を確認する。
負荷を調整する。
少しずつ活動量を増やす。
という考え方が大切です。
そして、何よりも、
「なぜその運動で痛みが出るのか?」
を考えること。
これが、痛み改善の第一歩になります。
フィジオコンディショニングラボが「痛みがある人」に運動をすすめる理由
当施設では、
「痛いなら我慢して運動しましょう」
という指導は行いません。
まず、
どの動作で痛いのか。
どのくらい動くと痛いのか。
運動後にどう変化するのか。
関節はどの程度動くのか。
筋力はどうなのか。
姿勢や身体の使い方に問題はないか。
日常生活ではどの程度身体を動かしているのか。
などを確認します。
そのうえで、
「今の身体にできる運動」から始めること
を大切にしています。
痛みがあるからといって、身体を動かすことを諦める必要はありません。
一方で、痛みを無視して頑張り続ける必要もありません。
「痛みと付き合いながら、身体を少しずつ良い方向へ変えていく」
という選択肢があります。
「運動すると痛いから何もできない」
「何をしても痛くなる」
「痛みが怖くて運動できない」
という方こそ、まずは一度、自分の身体の状態を知ることから始めてみてください。
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