令和4年共通テスト化学の解説をします。次の問題です。
まず、強酸、強塩基、塩は100%電離します。
HCl→H⁺+Cl⁻
CH₃COONa→CH₃COO⁻+Na⁺
このあと、弱酸がどう電離・加水分解するのかなどはさておき100%電離です。したものと考えましょう。
で、酢酸イオンがあるわけだから、酢酸イオンの加水分解、あるいは酢酸の電離が問題になるわけです。
ここから、電離定数の式を立てて平衡点を見つける、ということをやります。
酢酸イオンと酢酸のモル数の和は0.003[mol]です。
100%電離しただけで加水分解が起こっていない状態はBです。
全部、加水分解したらAです。
中間はC。
そして、この線分上のどこかに平衡点があります。
で、電離定数の式を立てますが、そのとき、Aから電離が起こったとして式を立てても、Bから加水分解したとして式を立てても結果は同じです。実は。当然Cからでも同じ。
平衡移動が起こって、最後に落ち着く平衡点を探すのですから、最初はどこであってもいいのです(最初はどこであっても落ち着く点が平衡点ですから)。
このような2式が立ちます。どちらでも OK。
ところが問題があります。電離定数の式はxの2次方程式です。解の公式を使って解くのは結構難しいです。
そこで近似を使いたいのです。これ高校化学の常套手段。
100%電離が済んだところで、水素イオンがたくさんあります。ルシャトリエの原理から酢酸イオンは強く加水分解し、生じた酢酸はほとんど電離できないはずです。
つまり、平衡点はA点の近くにあります。よって、Aで立てた電離定数の式のxは小さい値です。近似が使えます。
0.003-x≒0.003
としていいわけです。それなら簡単に解けますね。
というわけで、弱酸の電離定数の式はどこを初めに式を立ててもかまいません。しかし、近似を使うには?ということです。
AとBの電離定数の式を解いてみましょう。答えは同じになるはずです。ただし、Bは工夫をしないと解けません。やっぱり近似を使えるようにしてやった方がいいですね。
皆さん、正解出来ましたか?