ここで新しく学ぶ知識を3つに分けておきましょう。
以下のようになります。
(1) 重心
(2) 力のモーメント
(3) 剛体の解法パターン
では,はじめの「重心」,いきますか。
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重心
この記事では「重心」について説明します。
今まで,力学では,質点というものを扱ってきました。
これは,この学問が,物体の運動に影響を与える要素のうち,
本質的なものを優先的に取り出して,なるたけシンプルに考える,
という性質を持っているところから来るものでした。
実際は,質点なんてものは存在しません。
そこで,ここからは,今まで取り扱ってきた力学を,
より現実に近い状態に近づけていきます。
質点というのは,体積が0で,質量だけ持つという物体でした。
ここからは,体積も質量も持つ物体を扱っていきます。
ただし,やはり物事をシンプルに考えるために,
その体積・質量を持つ物体は変形しない,
というこれまた理想的な物体を考えます。
このような物体を,「剛体」といわれています。
さて,この剛体は体積と質量を持っていますから,
いわゆる,質点と質点と質点と…(中略)…が寄せ集まった,
質点の集合体であると考えることができるんですね。
質点には重力がはたらきます。
剛体は質点の集合体ですから,もち剛体にも重力がはたらきます。
おや?? っと,ここで問題になってくることがあります。
それは,剛体にはたらく重力を図示しようとしたら,
どこに重力の矢印を書いたらいいのよ~!! ってこと。
ここで問題にしているのは,要するに,
剛体にはたらく重力の作用点はどこか,ということです。
詳しいことはこのブログでは略しますが,
重力の作用点のことを,「重心」といいますね。
なお,詳しい話は別のブログ「KPP 」でね。
さてさて,剛体にはたらく重力を図示する場合,
その剛体は大抵は一様な直方体の場合が多いので,
そういう場合は,重心はどこだ!? なんて大騒ぎする必要はありません。
ただ,一様な直方体ぢゃなく,妙な形をした剛体,
そういう剛体の重心を考えなければならない場面が,
大学入試の物理では登場します。
例えば,↓のような形をした剛体の重心はどこだ??
みたいな。
そこで,この記事で一番メインに扱いたいのは,
「重心の公式」といわれるものです。
まず,重心の公式を書いておきましょう。
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重心の公式
質量がそれぞれ
2つの剛体の位置がそれぞれ
合体後の剛体の重心の位置
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さて,この公式がなぜ成り立つのか,説明しましょう。
密度が同じで均一な板を,↓のように2つ用意します。
あ,この2枚の板は,厚さ(図の奥行き)と縦の長さが同じで,
横の長さが異なるような,直方体の形をした剛体です。
直方体なので,重心の位置はおわかりですね??
↓のように,板の左端を原点(
板全体の重心Gの位置を
左側の板の重心G1の位置を
右側の板の重心G2の位置を
左側と右側の板の質量をそれぞれ
板全体の重心の位置は,次のように考えて求めることができます。
小学生のときに理科の授業で,てこを扱ったと思いますが,
下の図のようにてこの左と右にぶら下げるおもりの質量の比が1:2の場合,
図のABを2:1に内分する位置に支軸を持って来れば,てこがつり合う,
っていうことを思い出してみてください。
同じように,左と右にぶら下げるおもりの質量の比が
ABを
ということがわかりますね??
Are you OK!?
さて,板の話に戻りましょう。
さっきのてこのAの位置が,左側の板の重心G1の位置にあたります。
同じように,Bの位置が,右側の重心の位置G2の位置にあたります。
そして,支軸の位置が,板全体の重心の位置Gにあたります。
さっきのてこの話から,
GとG1の距離:GとG2の距離=
になることがわかると思います。
この式を書き直すと,
よって,
という式が導かれるのですね。
試しに,この重心の公式を使って,
さっき出した剛体(↓です)の重心の位置を求めてみましょう。
以下,書き込み中。。
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