この記事では「力のモーメント」について説明します。
前回のてこの話の発展編として,
輪軸という道具を通して話を進めていきます。
皆さんは,小学校の理科でその輪軸のつり合いについて,
たぶん習っていると思います。
輪軸とは,↓のような道具です。
この道具を横から見ると,↓のような感じです。
一応,この道具について軽く説明しておくと,
この輪は,真ん中の軸と接している部分ではツルツル滑ることはない。
大きい輪と小さい輪は,一緒に回るような仕組みになっているのですね。
さ,ここからてこの話と全く同じ説明になりますが,
この輪軸に,↑の図のAとBにおもりを下げるときの話です。
大きい輪の半径と小さい輪の半径の比が2:1の場合,
AとBに下げるおもりの質量の比が1:2ならば,輪軸がつり合う,
ってことを思い出してください。
同じように,大小それぞれの輪の半径の比が
AとBに下げるおもりの質量の比が
ということがわかりますね??
では,次のような場合はどうなるでしょう??
Bに下げるおもりを取り外して,その糸を小さい輪にグルリと巻きつけて,
↓の図のような方向に引っ張りました。
輪軸が回転しない場合の,糸の張力の大きさはいくらでしょう??
という問い。
小学校で習いましたね??
答えを言っちゃいますよ??
答えは,さっきまでぶら下げていたおもりの重さと同じ大きさです。
はい,というワケで,ここで言えることは,
この輪軸の回転に関係しているものは‘輪を引っ張る力’だけちゃなく,
‘回転の中心から力の作用線に下ろした垂線’も関係している,
ということ。
ね,引っ張る力の大きさを変えずに,向きだけをあっちこっち変えても,
その力の作用線と回転の中心との距離は,常に一定なんですね。
今のこの輪軸の話で言えば,
輪を引っ張る力の大きさを一緒にしたままならば,
その引っ張る力の向きはどんな向きでもいいよ,
だって引っ張る力の作用線と軸との距離が一定だもの,
ということですね。
Are you 納得??
ま,わからんかったら,別のブログ「KPP 」をご覧あれ。
そして,↓のポイントだけ見てちょ。
さてさて,剛体の回転に関係しているものは,もう一度繰り返すと,
‘剛体にはたらく力’と‘回転の中心からその力の作用線に下ろした垂線’
です。
この垂線の長さのことを,物理では「腕の長さ」と呼んでいます。
さっきの,おもりの重さ(輪にはたらく力)の比と輪の半径(腕の長さ)の比を,
ちょっとここで式で表してみると,
(大輪にはたらく力):(小輪にはたらく力)
=(小輪のほう力の腕の長さ):(大輪のほうの力の腕の長さ)
となりますね。
この式を整理すると,
(大輪にはたらく力)×(大輪のほう力の腕の長さ)
=(小輪にはたらく力)×(小輪のほう力の腕の長さ)
となります。
この式の意味を説明しておきましょう。
左辺は,
(軸を中心として時計回りに回そうとする力)×(その力の腕の長さ)
ですね。
右辺は,
(軸を中心として反時計回りに回そうとする力)×(その力の腕の長さ)
です。
というワケで,ここで新たに,
力 × 腕の長さ
という形の式が出てきました。
これを,物理で「力のモーメント」と呼びます。
そして,剛体が回転をせずにつり合っているとき,
↑の式のように,
時計回りの力のモーメント = 反時計回りの力のモーメント
という関係式が成り立つことがわかります。
これを「力のモーメントのつり合いの式」といいます。
では,今回のポイントをまとめましょう!!
。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○*
力のモーメント
剛体の回転の中心をOとする。
点Oから剛体にはたらく力の作用線までの距離を「腕の長さ」といい,
力 × 腕の長さ
で表される物理量を「力のモーメント」という。
力のモーメントのつり合いの式
剛体が回転しない場合,点Oのまわりの力モーメントはつり合っている。
点Oのまわりの力のモーメントのつり合いの式は,
時計回りの力のモーメント = 反時計回りの力のモーメント
で表される。
。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○* 。oO○*
以上。
よし,カッコ良くきまった!!
次の「剛体の解法パターン」の記事はこちら
[力学のもくじ] へ戻る