4,5年前に京都で一度正月を過ごしたことがあって、そのときに各家の玄関のしめ飾りや、曼殊院さん(おそらく)で見かけた鏡餅の凝っていることに驚いて興味がわいた。
というわけで、正月過ぎてからこんな本を読んでいる。
こちらはしめ飾りに特化したプロジェクトを立ち上げているデザイナーのお二人の本。
しめ飾りの作り方に主に頁が裂かれているけど、大作が多くてなかなか難しそうです。
しかし、こんなにいろいろな種類の飾りがあるのだなあと感銘を受けた。
こちらはまだ読む前だけど、やはりしめ飾りを取り上げた本。全国各地にいろいろな種類の飾りがある。
身の回りでは専門書はほとんどこれだけしか見当たらない。まあ、しめ飾りの本があるだけでも凄いとは思うのだけど。
門松もかっこいいなあと思うが、あれは大きすぎて専門家が作るものという印象がある。
しめ飾りだと、小さいし海外のクリスマスリース的なハンドメイド感があって、どうかなと思ったが、多分技術的にはかなり難しいものがある。ハンドメイドどころか、相当腕力も要りそう。
でも表紙のこの複雑な形、これを藁だけで作っているというのは驚きですね。
東北にはしめ飾りの創作をされている方もいらっしゃるそうである。
私はカラフルなのが好きなので、こういうのに橙とか松の葉、紙垂なんかをつけてあるとわくわくする。
東北には、藁ではなく紙で正月飾りを作る地方もある。切り紙とはいえ、複雑なものでびっくりする。
そして、本はこれというものがなかったが、鏡餅も地方独特のものがあって面白い。
中段くらいに写真があるが、京都で見た鏡餅は裏白をしいて、餅の間に小さい干し柿を串刺しにしたものをはさんであり、京都の寺院で見たときに、「これはなんぞや?」と観察してしまった。柿には嘉来にかかる音があって、良いことが来るというので正月飾りに取り入れたらしい。
鏡餅もしめ飾りも、凝ったものはそれだけで祝い事の雰囲気が出て雅なものである。
年齢のせいか、おやつはケーキより和菓子、最近は着物の着付けもしているし、古民家も面白い。日本独自の文化の繊細さとセンスの良さにようやく関心が向いてきたのかも。
日本人が洋風の建物やら洋服の着こなしをどうやっても欧州にはかなわないように、欧米人が適わないものは日本のなかにちゃんとある。
世界のどこにも無い文化をどう尊重して続けていくかでこれからの日本の価値も変わってしまうのではないか。
お正月からそんなことを考えている本年です。
どちらかというと贔屓が欧州かぶれ気味になっている自覚はあるのだけど、他国のものと比較するとまた自国の良さがみえてくるというのも本当らしいです。
しかし藁ってどこにいったら手に入るのかな?身近に田んぼがあるけど、身近すぎて入手方法が分からない。