62歳 断熱フリークの社長の日記 -28ページ目

62歳 断熱フリークの社長の日記

このブログはもう8年ぐらい前から書いております。タイトルも入れ替えて、月に数回書いていきたいと思います。コメントは放置でしたが今後は書くようにしたいと思います。

おはようございます。

昨日は福島海通りにいってきました。いや、被災地ではあるものの,、いわき市は割と被害が軽かったようです。

しかしながら、福島第一の事故のために東京電力から見舞金というのかはっきり解りませんが、慰謝料のような資金を得て暮らしている人が流れ込んでおります。

彼らは一家族年間2千万円ぐらいもらっていたりするので、いわき市の土地の値段が上がって、いわきの庶民ではもう買えなくなっているという事情があるみたいですね。

また、持ちなれていないお金を持っている人が多いので人間性がちょっとなという人も出てきている話も聞きました。もちろん、復興第一ですが、彼らの心のケアも必要なんじゃ無いの?と思った次第です。

それから、今日はある方らから、こんな相談を受けました。

TPPが可決される可能性が高まっています。それに対して、農業は大きく影響を受けます。農業は高品質商品が充分国際競争力を持っています。なので、今後輸出を促進していきたいと思うのですということでした。

言葉遣いはかなり違いますが、基本的なお考えは上記の通りでした。

確かに、TPP可決の可能性は高まっていますが、マレーシアあたりは離脱する可能性が出てきています。このあたりは注目に値します。

ナイーブな貿易自由化崇拝主義や親米的な考え方は置いておいて、農業は本当に輸出産業にするべきなのか考えます。

その前に、僕のスタンスを表明しておけば、農業を輸出産業にするのは大反対です。

今日はその話をしておきます。

農業を輸出産業にしている国はどこが思い浮かびますか?

アメリカの小麦、大豆、コーンなどの穀類、牛肉、豚肉などの輸出はかなり有名です。豪州も穀類、さらには牛肉、羊、乳製品などがありますね。ニージーランドも同様に乳製品、特にチーズ、バターなどがすごく安い価格で販売されています。

以前はロシアも輸出国でしたし、チャイナも輸出できるほどの生産量を誇りましたが、両国とも現在は穀類に関して言えば輸入国になっています。もちろん、ロシアは収穫高によって輸出もしています。この収穫量が非常に不安定で、エジプトで起きたジャスミン革命は、ロシアの小麦の出来が悪く価格が4倍になって、小麦の消費量の多いエジプトの貧困層が怒り狂って起こした革命という側面でもあります。

エンゲル係数が高いと、穀物価格が家計を直撃しますからね。

これに対して、日本は野菜・果物などはほぼ国内でも生産できています。外食産業を中心に中国製の野菜を使っていますが、多分きちんと増産すれば国産だけでほぼほぼまかなえると思っております。

しかしながら米以外の穀類は、米国を中心心とした国から輸入しています。小麦、コーン、大豆などですね。南米や、豪州などからも入っているはずです。

で、問題なのは農業を輸出産業にすると言う言葉ですね。

確かに、果物など一部のものは国際競争力があるかもしれませんが、日本の果物は世界的に見ても凄く高いです。桃一個150円ぐらいの小売価格は、海外に行くとちょっとあり得ない価格です。

そして、その高い価格でも買える人間というのは、どこにいるかといえば、各国にいる富裕層に加えて、先進国の一部の国民に過ぎません。

世界に人口が65億人いるといわれていますが、資産が10億円以上ある富裕層は1,000万人以下です。これ以外の先進国の人口を全て合わせると5~6億人ぐらいだと思います。

この中から、通常の数倍~10倍もする輸入の果物を購入しようという奇特な人間は、全て合わせても100万人ぐらいですかね。多く見積もっても300万人ぐらいしかいません。

つまり、日本の人口1.3億人を相手にするか、世界の数百万人を相手にするかというお話になるのです。

これが、穀物なら別です。穀物は65億人がほぼ全員口にします。ですが、日本の穀物価格は国際競争力が全くありません。それに、かなり特殊な用途(例えば、豆腐に使う大豆とか、黒豆用大豆とか、うどん専用小麦とか)を除くと、多分品質差はたいしたことはありません。

何が言いたいかと言えば、日本の農産物の輸出マーケットは全然大したことないというわけです。

もちろん、マーケットは教育によって大きくなります。我々はマンゴーやキウイが美味しいものであると知っています。ですが、初めは全くに何だか解らないですし、大して売れませんでした。

なので、お客様を教育しないといけないのですが、金が無いのに1パック1,000円を超えるイチゴを買わせるのは至難の技です。日本で350円のイチゴが、海外でも350円で売れるわけがありません。青果は足が速いので、航空便などが必要です。

もし、高い日本の青果を喜んで食べるという教育ができたとして、現在の為替水準であれば輸出が出来たのであっても、1ドル80円を超えるような円高の時代が必ずまたやってきます。その時、農家の手取りは一気に30%も減ってしまいますが、それでも良いのでしょうか?

さらにもう一つ、付け加えないといけないのは、補助金の問題ですね。アメリカや豪州の穀物の競争力がとても高いのは、多額の補助金をつけているからなんですよね。だいたい、販売価格と同じ価格の補助金がつぎ込まれているといわれています。

日本も現在ですら既に補助金がつぎ込まれているのに、さらに多額な輸出補助金をつぎ込むことになりかねません。

これらのことを総合的に考えても日本の農業を輸出産業にするという考えは賛成できません。その前にやることがあると思うのです。

日本農業の現場は、生産者の高齢化に加えて、コストアップに悩まされています。

これらを全て解決して、日本の農村に若年労働力を導入する事に注力すべきで、安易に輸出を奨励して、日本の農家が為替に一喜一憂したり、ましてやコストダウンのために海外に生産拠点を移すなどというバカなことの内容に、政策を進めて欲しいと思っています。

つまり、国内でも充分に儲かるビジネスにある程度改良を加えないといけないと思うのです。僕はそれが農協解体ではないと思いますが、その議論はまた後日書きたいと思います。

それから、農業は食に繋がります。そして、食は安全保障の一環なので、中国がレアアースを輸出制限したように、どこかの国との関係悪化によって日本の食の中心となるものを輸出制限を受け、政府がそのことにより譲歩を余儀なくするなんてことは想像するだけで充分あってはいけない事だと解ります。

ということで、是非とも日本の農業の若返りと生産性の向上、流通網の見直しなどを注力していただいて安全で高品質な食を日本国民に提供する農政を希望いたいと思います。