うだつの上がる昔町散策 〜岐阜県美濃市〜 | 旅するカメラ

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美濃市 うだつ


開発の波に取り込まれるのを忘れられてしまった様な、
そんな「昔町」を散策するのが好きである。

そんな私が中部地方を訪れるならどうしても立ち寄ってみたいと思っていたのが
美濃市の「うだつの上がる街並」。


犬山城 を訪れた後、木曽川の向こう側の岐阜県にあるJR鵜沼駅から2駅先にある美濃太田駅まで行き、
そこから「長良川鉄道」に乗り換え更に30分かけて「美濃市」駅に到着。
ローカル線の旅を満喫した。

■鵜沼駅から美濃太田までのJR東海。 キハ系統のディーゼル車。



美濃市 JR東海

■長良川鉄道。 一両編成だったが高校生や観光客で乗客は多かった。
美濃市 うだつ


味のある美濃市駅を出て3分程歩いた所に「旧名鉄美濃駅」がある。
今は廃線になってしまったようだが、駅舎はそのまま残されており古い列車も展示されていた。

駅に入ると・・・
なぜかネズミ(?)の駅長さんがお出迎えしてくれたw
美濃市 うだつ


こんな可愛い電車が走っていたなんて・・・。
長良川鉄道で復活して走らせてくれたら列車目当ての観光客が更に増えるのではないだろうか。なんて。
美濃市 うだつ




そして駅から歩いて15分くらいだろうか?
いよいよ「うだつ」の上がる街並に突入したようだ。
周りの景色が一気に変わる。

多少、観光化してしまっている感はあるが・・・それでもいい雰囲気が漂っている。
うーん、遠いけれど来てよかった♪♪

美濃市 うだつ

よくみてみると、家と家の間の屋根の上に立派な「うだつ」が上がっているではないか!
美濃市 うだつ

「うだつの上がらないヤツ」などと言う時に使われる「うだつ」だ。
一体何の事か分からないままに使っていたが、妹尾河童さんの著書「河童の手の内幕の内」と言う本だったと思うが、
その中で初めてこの「うだつ」と言うものの存在を知った。
そしてその本の中でこの美濃市の街並が紹介されていて新しい道路や鉄道の開発の並みに取り残されたおかげで「うだつ」が残されていると言う事を知ったのが
美濃市を訪れてみたいと思う様になったきっかけ。
あれから何年が経ったのかは忘れてしまったがやっとその夢を叶える事が出来た。

もともとは、長屋で火事が起きた時の為の防火壁として付けられていた「うだつ」だったのだが、
時代と共にだんだんと飾りが派手になり遂には富の象徴とされるようになった。
関ヶ原の合戦でこの美濃の特産である和紙を使って徳川家康が采配(戦の指揮に使う道具)を行い勝利した事から
「縁起のいい和紙」と言う事で幕府御用紙に指定されて多いに発展し、「うだつ」がどんどん上げられて行ったとか。


町にはうだつの上がる家が19軒も残っていて、色々な形の色々なうだつが上がっていた。

■カーブを描く「うだつ」
うだつ

■ダブルの「うだつ」
美濃市 うだつ




と、思わず「うだつ」ばかり写真に撮ってしまっていた・・・。





■馬つなぎ石
美濃市 うだつ

■蔵のある風景

美濃市 うだつ

■なんでもない古い自転車すらいい感じであるw
美濃市 うだつ


■小坂酒造場
この店の「うだつ」が上の写真の「カーブを描くうだつ」である。
奥の酒蔵を利用してギャラリーが開かれていた。
美濃市 うだつ


■そば切り まる伍
美濃市 うだつ 信州の新蕎麦をいただきました。(岐阜だけど)
さすがに香りがいい!
美濃市 うだつ

■和紙の店 紙遊
美濃和紙のお店。
美濃市 うだつ
便せんや手帳等の他、和紙でできた靴下(!)や、照明の傘なども。
ほんのり照らす灯りが和む、和む。

その奥では珈琲や抹茶をいただく喫茶コーナーもあり、ほっと一息つく事が出来る。
生チョコ付きなのが嬉しい♪
(カフェオレ・・・だったかな?450円位だったと思う。)
美濃市 うだつ


■うだつ君(?)
こんなキャラクターが(笑)
美濃市 うだつ




うだつの上がる町並みから少しだけ離れてしまうとごくごく普通の通りになり、
普通の生活の場へと変わる。
昔の町並みを残すと言う事は・・・大変な窮屈と不自由と資金を要するものなのかもしれない。
それでもやはりこの町並みを出来るだけ残して欲しいと思うのは旅人のワガママなのだろうか。

美濃市 うだつ












おまけ。
帰りの長良川鉄道の美濃市で買った切符。
昔なつかし「厚紙」で出来た切符だった。
しかも自動券売機ではなく、駅長さんに直接お金を渡して切符を買うのだ。
長良川鉄道


改札は、もちろん自動改札ではなくレトロな改札機で「ガチャン」とパンチのような丸い小さな穴が開くタイプ。
この切符、もう一枚買って記念に持って帰れば良かったと後になってちょっと後悔したりした。