大分県の東部、ちょうど地図で見ると「こぶ」の付け根に位置する杵築市。
別府から車で約45分。
ここに素敵な坂道の町がある。
どうしても実際にその坂道を歩いてみたくなり、杵築へと向かった。
まずは町のランドマーク的存在の杵築城が見えてきた。
杵築城は、三方を海と川に囲まれた小さなお城。
けれど天正15年(1585年)、木付氏十六代鎮直(しげなお)の時代に
島津義弘の武将、新納(にいろ)武蔵守勢の猛攻を受けたがこれを撃退している。
これ以来「勝山城」といわれるようになったとか。
島津の猛攻を退けるとは・・・木付氏、なかなかやるではいか。
その後、宗家である大友義統(よしむね)が朝鮮の役で豊臣秀吉の怒りにふれ
大友氏は滅亡。
義統の軍に従った木付氏十七代統直(むねなお)は大友除国の悲運を嘆き自刃入水し木付氏は滅んだ。
その後は前田玄以→杉原長房→細川忠興→小笠原忠和と藩主の交替が相次いだ後、
能美松平英親が3万2千石で城主となり以後明治まで松平氏が藩主として続いた。
天守閣自体も復興されたもので、中はよくある歴史資料館だったけれど
係りの方が丁寧に説明してくれた。
けれど・・・ここ杵築のお勧めポイントはお城そのものではなく城下町。
ほどよく開発の並に飲まれずに風情を残した街並みは江戸時代の風を感じる。
お城を下りまず現われたのが『勘定場の坂』。
急な坂道なのだが、馬や籠かきの歩幅に合うように配慮された広い階段。
ここから武家たちはお城へ向かって行ったのだろう・・・
そして次に見えてきた坂道が今回の私が一番見てみたかった『酢屋の坂』。
凄い傾斜。
そして風情のある石畳
うーん、すばらしい。
(車道を挟んで奥に見える坂道は『志保屋の坂』。)
振り返ってみても・・・やはり凄い傾斜。
ここ杵築の城下町はパンフレットによると「サンドイッチ型」と呼ばれる珍しい形状。
南北の高台に武家屋敷群があり、その谷間に商人の町が挟まれている。
町人達は武家様の住まいを見上げながら生活していたのかな。
「酢屋の坂」を下り向かい側の「志保屋の坂」を上る。
こちらの南台武家屋敷群にある普通の民家の門も
「ここは武家屋敷?」と見間違うほど立派なものが多かった。
もう、町全体が歴史資料館と言った感じ。
途中、道を入ったところにある古民家ギャラリーカフェ「萩」で一休み。
どこか懐かしい佇まいに癒される空間。
素敵な茶香炉や陶器が並ぶギャラリースペースも。
見ているだけでも楽しい。
(が、茶香炉を購入。)
杵築を訪れたときはまた立ち寄りたいカフェ。
■陶器ギャラリー&カフェ■
萩
-hagi-
Open 11:00~18:00
定休日 火曜日(祝日の場合は翌日)
杵築市南杵築237番地
080-5609-9273
最後に「飴屋の坂」を下り商人の町へ。
大分観光で別府でお湯巡りをする前に
是非立ち寄って欲しい町だった。