ボダでの日々もあっという間に過ぎていった。
最後の夜にはみんなで集まって乾杯をした。
キッシュマンは乾杯後、ビールを一口ゴクリと流し込むと口火を切って俺たちに謝罪した。
「本当に申し訳ない!ヒロたちを鉱山に連れて行きたかった」
いやいやキッシュマンたちの責任なんかじゃあないよ!!次はあいつらに何の文句も言わせないようにバンギで全てを揃えて来るよ!そん時はこれまで以上に2人にはガッツリ動いてもらうよ(笑)
あまりお酒には強くない俺には大きすぎるくらいのローカルビールを飲み干してキッシュマンとオノレと力強く握手をした。
今回の「5Cプロジェクト」の第一歩としては十分過ぎるくらいの収穫だった。
プロジェクトを実現していく為の新しい情報を得ることが出来たこと。それらは決して日本では一歩も前に進めないことばかりだった。
リスクも覚悟していたけど、もしかしたら全て俺たちが日本の机上で立てた夢物語かもしれなかったこのプロジェクト。
それが一つづつ繋がっていって空論なんかじゃなくて実現可能なんじゃないかというところまで見えてきた。
何よりこのプロジェクトを受け入れてくれて協力してくれる仲間が日本だけでなく、中央アフリカにもたくさん生まれたこと。
これは何より心強くて、何より重要だった。
これ以上の収穫はない。
これからきちんと形にしていく為には次のステップもある。
それなりの資金が必要になってくる。
アフリカで何度も同じ夢を見た。
走っても走っても前に進まない。
もしかしたら俺たちがやろうとしてることはこれ以上、先に進めることが出来ないということを夢の中で伝えようとしてるんじゃないだろうか。
Kowzuさんは不安になりそうな俺に口癖のように諭してくれる。
「もしお金だけが問題ならそれは大した問題じゃない」
これからこのプロジェクトを形にしていくのは、俺たちの日本での活動にかかっている。
どれだけ熱意と誠意を持って伝えられるか。
「お金だけが問題ならそれはうまくいったも同然だよ。逆にいくらお金があってもできないプロジェクトなんていくらでもある。お金があれば何でもできるわけじゃあない。それくらいこの5Cプロジェクトは価値がある」
本当に値打ちのあるものってこの世にどれくらいあるんだろう。
ここで彼らと一緒に見ようとしてる景色は間違いなくキラキラしててダイヤモンドなんかより価値のあるものだと心から思う。
朝日新聞デジタルにて「5Cプロジェクト」を配信していただいてます!
少しでも多くの方に届きますように。
朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20190131005478.html