初めての富士山生活の日のこと | 富士山に住むカメラ女子

富士山に住むカメラ女子

夏山シーズン、富士山で生活するカメラマンmushです。
2010〜2014年は富士山頂上の山小屋で働き、2015年から御殿場口五合目のトレイルステーションで活動、
2017年からまた富士山頂上に戻り活動しています。
富士山生活歴14年!
SIJ公認SUPインストラクター
最近釣り女子

引き続き、富士山生活を振り返っていきます



思いを馳せた富士山。

一年越しに雇ってもらい、勤務前日は社長の家にお泊まり。

挨拶も早々、部屋に案内され

同じく初めて働くというAちゃん(後に親友となる)を紹介され、同じ部屋で休むことに。


2人で雇用契約書を書きながら

「どこから来たの?」「あ!一つ違い(私が一歳下)だねー」なんて話しながら、

なんだかんだ意気投合して、話し込んでなかなか寝られない。

奥さんに「明日は5時に出るからね!早く寝なさい」と言われても

興奮し過ぎて寝られない。


ほとんど寝られないまま、早朝五合目へ。

あいにくの天気。

頂上は荒れていて山小屋を閉めているらしい。


「あーぁ、おまえら大丈夫かよー?初めてだろー?」

みんな口々に心配する。

何も知らなかった私達は、「大丈夫でーーす」なんてキャッキャしてた。


荷物は1つにまとめて!と言われ、

必要最低限の1ヶ月分の荷物をギュウギュウに詰め込んだ。



ブルドーザーに揺られ、3時間ほど。

途中から寒くてガタガタ震えながら、なんとか頂上に到着。

初めて見た富士山頂上は、想像とは全く違う

寒々しい景色。

霧で真っ白で、目の前しか見えず...

荒天で登山者なんて登ってこない。

山小屋のスタッフは、炭を起こして暖をとっている...


私はお気に入りのアークテリクスのレインウェアを着て行ったんだけど、

ブルドーザーから降りる際、荷物を下ろしに来たスタッフから

「そんな良い服着てきやがって!後悔するぞー」

と捨て台詞。

(後に聞いたら「汚れるからもったいないよ」っていう意味だったみたい)


寒くて、炭に当たろうとしたら「まだ慣れていないのに炭に寄るな!」と。

(これも酸素不足になるから危険って意味だったらしい)


荷物を運ぼうかとすれば「動くな!!」と

(酸素が薄い場所でいきなり動くと危ないから)


初日から洗礼を受けた感じ。


何をして良いかわからず、言われた通り座ってるだけの初日。

一緒に初めてを経験したAちゃんいなかったら心折れてたな。


忘れもしない富士山生活初日のこと。

もうすぐ14年経つのに、昨日のことのように覚えてる。

そして未だAちゃんと語る思い出話。


富士山の生活は、洗濯もできないし、火山灰や炭で汚れやすい。

だから、高価なウエアは登山の時しかきません。

仕事用は汚れてもよくて機能性が良いものにしています。