あれからずっとおっきい人間と小さい人間は、ボクのご飯を運んで来てくれた。
食べ終わって顔を拭いてると、頭とか体とかを優しく撫でてくれる。然もあったかい。
「今日は穏やかで良かったわね。でも、明日は雨だそうよ。濡れちゃうね。」
「そうだな、何とかしないと風邪引くな。でも、家へ連れてく訳に行かないしな。」
「そうね。何か良い知恵ないかしら?」
「ここにはボランティアさん、いないしなぁ。」
「ねえおじいさん。八百屋か魚屋へ行ってあの白い箱をもらって来るのはどうかな?」
「おぉ、そりゃいい考えだ。中に要らない毛布とかを敷けば暖かいぞ!」
と、おっきい人間は後ろを向いて小さい人間を置いて行っちゃった。
「大丈夫。おじいさんが家を造ってくれるからね。」
小さい人間は、ボクの体を撫でながら、目を細めてる。何か大事にされてるようでちょっと
嬉しいかも。
しばらくしておっきい人間が何かを抱えて来た。白い箱に柔らかそうな?土ではない物を
一杯に敷いて、
「さあ、入ってごらん?」
ボクの体の両脇から手を入れて持ち上げ、箱の中に入れてくれた。最初、びっくりした
けど、匂いを嗅いで、爪で引っ掻いてみて安全そうなのを確認して座ってみた。
「うんうん、ぴったりだ。これをここへ置けば雨もそんなには掛らないだろう。」
「今日はもう、お休みね。」
人間達は手をひらひらさせてきた方へ帰って行った。ボクは後姿を見送った後、
その箱の中で丸くなってみた。体が柔らかいものに包まれてるようだ。
(あ、お母ちゃんだ、お母ちゃんのあったかさだ。おかあちゃん・・・・・。)
お腹がいっぱいなうえに暖かいから、ボクはいつのまにか寝ちゃった。
おしっこで目が覚めて空を見ると何もなかった。小さい光も明るい光も。
「にゃ~~~おぉ~~~~!!」(おかあちゃ~~ん。)
返事はない、聞こえない。そりゃそうだ、お母ちゃんから大分離れたんだから。
今頃どうしてんのかな?元気でいるのかな?ちょっとだけでも逢いたいよ!
ボクはまた、あの箱に戻ると再び寝入っちゃった。
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こんにちは。
今日もうすら寒いですね。風が強くない、全然ない分だけいくらかマシ、かな?
うちの食客の雀たち。最近、数が増えたそう。旦那が喜んでる。
今日はヒヨドリが一羽、ご飯食べに来たそうだけど、余りの雀の多さにちょっと齧って
飛んでっちゃったって。楽しそうに話してくれた。
いつもヒヨドリに突かれて近寄る事も出来ない、横目で羨ましそうに眺めてるよって、
窓の外を気にして見つめてる。
いつも旦那がご飯あげてる所為か、外へ出るとどこにいたのか一斉に集まって来るよって、
誇らしげに話す。お腹空いてる所為でしょ!とは私は絶対言わない。ご機嫌損ねるからww
ではでは
紅