若旦那です。
一時期かなり話題になった俳優・水嶋ヒロの処女作にして第5回ポプラ社小説大賞受賞作の「ＫＡＧＥＲＯＵ」を読みました。
あらすじとしては、「自殺しようとしたヤスオの前にキョウヤと名乗る青年が現れ臓器移植を申し出る」という話です。
読んだ感想としては「まあ良く書けてるんじゃない？」という所でしょうか。ただ、主人公のヤスオが軽く、世の中に絶望し自殺しようとした４０男の悲壮感というか悲哀さが感じられませんでした。それと、ヤスオを助け臓器移植を提案したキョウヤの属する「全日本ドナー・レシピエント協会（通称：全ド協）」、これは卓越した医療技術を持つ凄い組織なのですが、これもリアリティが無く軽い感じがしました。テーマは悪くなく作者の思いも伝わってくるので、もうちょっと作品に深みを持たせる事が出来てればあるいは違ってたかもしれませんね。
