ツルさん 続き
看護師6年目
新人看護師が4人入職してきた。
純
細身で長身。モデルっぽい感じ。綺麗系。ちょい抜けてる。嫌味のないすっきりした感じ。
凛
細身。かなりしっかり者。新人看護師の中でリーダー的存在。真面目すぎてたまに暴走。
ポン
私と同じようなおデブちゃん。明るい。元気いっぱいって感じ。
けい
がっしり体型。やんちゃやったんかな?って雰囲気が出ている。強がりやけど傷つきやすい。
基本は全員頑張り屋さん。
新人看護師たちが来て数ヶ月
仕事にも慣れてミスが出てくる時期。
ティさんも辞めて怖いと思われる人がほとんどいなくなった。山田主任は健在。
私は厳しくでも褒める時は褒める。理不尽な八つ当たりは絶対にしない。というスタンスで仕事をしていた。
患者さんの命がかかっているので厳しくはなる。
ある日
患者さんとおしゃべりして気分良く詰所に戻ると詰所の雰囲気がめちゃくちゃ悪かった。
(なんや‼︎この雰囲気‼︎めっちゃ悪いやん)
と思いつつ巻き込まれたくないのでそそくさと次の準備をしていたら怒鳴り声が
「あんた‼︎何考えてんねん‼︎」
ツルさんが怒鳴っている。
ツルさんはその日リーダー。
怒鳴られてる人は純。
純は
「バイタル測定してコミュニケーション取ってました。」
と説明していた。
ツルさん
「今、何する時間か分かってる?あんた1人サボってるやん」
純
「えっ…サボってないです…」
ツルさん
「周りみてみー‼︎」
純
「清拭してます」
ツルさん
「あんただけだらだらサボってるやん‼︎」
純
「……すみませんでした…」
周りは清拭しに行ってるのでほぼいない。
師長も休み。山田主任がニヤニヤ笑って座っている。
私は患者さんと一緒に清拭をしながらおしゃべりして終わったので新しく清拭セットを準備しに詰所に戻っていた。
ツルさん
「早く清拭しにいきや‼︎」
怒鳴っている。
(タイミングここやな)
私
「純ー‼︎○○さん清拭するから空いてるなら手伝ってー」
純
「あっ…今すぐ行きます」
離れられた‼︎
純が近くにきた。
純
「ありがとうございます」
と言いかけ途中で止めた。
ツルさんが睨んでたから。
私
「早よ行かないと時間間に合わんでー笑」
と言い準備を終わらせて詰所を出る。
清拭に入る前に純に話を聞く。
バイタル測定の時に話をしていたら少し長くなり報告に行くと最後だったらしくサボってると怒鳴られたらしい。
ちょろっとアドバイスにもなってないアドバイスを。
「そういう時はすぐバイタル報告に行って清拭の準備をしてその患者さんのところに戻るんよ。それやったら清拭もできるし患者さんとも話せる。毎回それしてたらスタッフに怪しまれるから気をつけないとあかんで。あと話がめちゃくちゃ長い患者さんとかもおるからタイミングつかむことも必要やな」
と言うた。
正解かどうかは分からないが私はそれで身を守ってきた。
その日を境にツルさんから純への嫌がらせや嫌味が増した。
私がいる前では嫌味や嫌がらせはされていないので注意できないでいた。師長には伝えていたが…改善はされなかった。
純から
「同じ勤務だけでありがたい」
と言われたがどうにか対処したかった。
目の前でやられてたら注意できるのに‼︎
新人看護師たちの中で最初に純がツルさんに目をつけられた。
他の3人は純のことを心配しているが自分が目をつけられたくないので病棟では純とはあまり関わろうとしていなかった。
気持ちはすごく分かる。
なんでやられて嫌やったことを後輩にしてるんかな…
別の日
私は当時、唐揚げを作ることにハマっていた。
夕ご飯に唐揚げを作りお弁当にも入れた。
お弁当は1人なので簡単弁当。
唐揚げとキャベツの千切りとご飯。
昼休憩
唐揚げを食べていたら
「いいなー。食べたいなー」
という声が。
ツルさんが唐揚げをガン見していた。
こんもり唐揚げやから2つくらいあげた。
ツルさんから
「めっちゃ美味しいー。また食べたい」
とか言われたけど追加で1つだけあげた。
休憩が終わりポンに
「私も唐揚げ食べたい」
と言われた。
「なんで知ってるん?」
と聞くと
「ツルさんが言うてましたよー。プーの唐揚げ美味しかったってー」
ツルさんもおデブちゃん。私やポンよりおデブちゃん。
「今度作ったらまたお弁当に持って行くからー」
と適当に答えておいた。
1週間後くらい経過
またまた唐揚げを作っていた。いろんな物を入れて漬け込んだ特製唐揚げ。自分で言うのもあれやけどめちゃくちゃ美味しかった‼︎
お弁当用にいっぱい作った。
「持って行くからー」の言葉を忘れていた。
昼休憩
また同じ唐揚げ弁当。
ポンが
「唐揚げー。食べたいですー」
思い出した‼︎
「そういえば持っていくって言うてたな笑」
とポンと話していた。
新人看護師4人とはよく喋るようになっていたのでポンの唐揚げ食べたい発言もなんとも思ってなかった。人によっては先輩にそんなことよく言えるな‼︎とは思うやろけど笑
ポンに3つくらいあげた。
興奮しながら食べてた笑
「めっちゃ美味しい」
と言うてくれた。
自分のお弁当なので全て食べ切った。
奇跡の唐揚げやと思う。
全員の休憩が終わりツルさんがやってきた。
「ポンに唐揚げあげたんやってなー。うちの分は?」
理解できなかった。
「ん?なに?」
「今日唐揚げ持ってきたんやろ。ポンが美味しいって言うてたで」
「あぁ。唐揚げなー。めちゃくちゃ美味しくできたんよなー。」
普通に言うた。
ツルさんが
「なんでうちの分ないん?」
と激おこ。
「うちの弁当やからな。ポンにちょろっとあげただけや。一緒の休憩じゃなかったしあるわけないやーん笑」
と笑いながら去った。内心意味が分からなかった。
唐揚げ自分で作れよ‼︎とも思った。
数日後
ツルさんのイジメ対象が純からポンに変わった。
最初全く気づかなかったけどポンから相談あると言われなぜか純も一緒にご飯を食べに行った。
その時に
「私、ツルさんから無視されたり純と同じようなことされてます。辛いです」
と言い泣いていた。
私は
「えぇ?あんだけ媚びって仲良く喋ってたのにー?」
ついポロっと本音が出てしまった。
ポン
「媚びって笑。確かに。でも媚び売らないと目つけられてイジメられると思ったんです…純ほんまごめんね…辛いのに助けやんと自分だけ守ってばっかりで…ほんまごめん」
と泣いて純にも謝ってた。
純も
「確かに最近、無視とか嫌がらせはなくなりました。ポン気にせんといて。辛いよな。」
など話していた。
その光景を見ながらビールを飲んでいた私。
「それでなんでイジメられてるん?」
ポン
「唐揚げ食べたからです…」
私と純
「は?唐揚げ?」
2人でポカーン顔
ポン
「前にツルさんから自慢気にプーさんの唐揚げ美味しいって言われて私も食べたくなったんですよ。」
私
「そういえば言うてたなー。それでまた作ったらあげるよーとも言うたな。その言葉忘れて唐揚げ作ってお弁当で持って行って偶然、休憩が一緒で食べたいって言うから3つあげたなー笑」
ポン
「そうです‼︎その日です‼︎めちゃくちゃ美味しかったんです。それをツルさんに話したら顔がムッってなってそこから無視されたり怒鳴られたりするんです。」
私
「あの唐揚げは今までに1番美味しかったわ。でもごめんな…まさか唐揚げでそんなことになると思わんかったよ…」
純
「誰も唐揚げでイジメに発展すると思いませんよー…」
私
「食べ物の恨み怖いな笑」
ポン
「もぉ笑わないでくださいよー😭ほんまに美味しかったんやもん😫ちょい自慢してもいいじゃないですかー😨」
私
「確かにあれは1番の出来やったわ笑それでも自慢気に話さんでいいんちゃうかー。てかうちが作ったんやし…しばらく唐揚げやめよかな…」
純
「うち食べたい笑」
私
「純聞いてた?笑。今作らんとこ言うてたけど?笑」
純
「だって美味しいって言うから気になりますよー」
私
「お弁当には持ってこんけど作る時に家来る?笑」
冗談で言うてみた。
ポンと純
「行きます‼︎」
私
「えっ?ほんまに言うてるん?冗談で言うたんやけど…」
ポンと純
「本気で行きます」
私
「めんどくさくなるん嫌やから誰も誘うなよ。あとは買い出しから手伝ってもらうからね」
めんどくさいことになった。
数週間後
3人の唐揚げパーティになった。
買い出しから。ポンもうちもおデブちゃんなので鶏肉多め。キャベツも半分。玉ねぎとベーコンを購入。諸々サラダ。
買い物中、まさかのツルさんと出会ってしまった。
ツルさん
「何してるん?」
私
「唐揚げパーティするから買い物に来てるねん」
あとでバレるより今正直に言う方がマシかなと思った。
ポンと純は顔色悪くなってる。
ツルさん
「うちも行きたいわー」
ポンと純
「一緒にいきましょー」
なんとなく棒読みやった気がする。
長くなったので続きます。
次回
唐揚げパーティ