今日は「第7番」の紹介です。
「第6番」からシンフォニストとしての地位を
確固たるものしていく道程を登り始めた頃、
その「第6番」が大好評を博していたロンドンに招かれ、
歓待を受けたイギリス旅行の後に、
フィルハーモニー協会から名誉会員に推挙され、
同時に交響曲の委嘱も受けました。
折りから耳にしたブラームスの「交響曲第3番」の
初演にも刺激されていたドヴォジャークは、
その委嘱を受けてただちに作曲に取りかかったそうです。
初演はロンドンで行われ、作曲家自ら指揮をしました。
このような経緯から、この「第7番」は、
ブラームスの「交響曲第3番」との近似性を
指摘されることもありますが、
スケール感ではブラームスを凌ぐ伸びやかさもあり、
確固たる独創性と音楽性を湛えた名曲と言えるでしょう。
私の仕事場のライブラリーには、このCDが在ります。
ドヴォジャーク/交響曲第3番&交響曲第7番
チョン・ミュンフン指揮/
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
グラモフォン / POCG-10014

<交響曲第7番 ニ短調 作品70 / B.141>
1884-85年作曲 / 1885年初演@ロンドンで初演
[第1楽章]
重々しく始まる第一主題と明朗な第二主題の
コントラストが印象的な、
ソナタ形式による冒頭楽章です。
直前に書かれた序曲「フス教徒」の主題の動機も
巧妙に絡められて書き進められた楽章です。
[第2楽章]
ドヴォジャークが書いた緩徐楽章の中でも
とりわけ美しいと評価の高い音楽です。
例によって自由な(複合)三部形式による構成です。
コラール風の導入の後、木管楽器のそれぞれの個性が
対位法的に絡み合う主要主題と、弦楽器を中心に
柔らかに歌われる副次主題による主部の後、
ホルンによる牧歌的な主題が印象的な中間部が
大らかなクライマックスに到達します。
やがて主部が回帰して対位法的な発展も見せた後、
最後は序奏の雰囲気の内に閉じられます。
[第3楽章]
「第6番」のスケルツォに続いて、
チェコの伝統的舞曲=フリアントのリズムが
音楽性を主導する舞曲楽章になっています。
中間部は長調になると共に速度を落として、
対位法的な手腕が発揮されて発展的な音楽になります。
二度目の主部はやや短く再現されますが、
その後に眺めの終結部(コーダ)が付されています。
フリアントの持つ躍動感と情緒溢れる旋律性が相俟って
独自性の高いスケルツォ楽章になっています。
[第4楽章]
第1楽章の副次的素材から紡ぎ出されたと思われる
悲劇的でコラール風でもあ第一主題と、
いかにもボヘミア的な田園風で晴朗な第二主題が、
起伏の起きな終楽章を彫琢していきます。
それほど演奏時間が長くなない楽章ですが、
再現部に続く終結部(コーダ)は長大で壮大です。
力強い勝利の宣言のように、高らかに全曲を閉じます。
YouTube / パイタ ドヴォルザーク交響曲第7番
この「第7番」と「第8番」、
そして"新世界交響曲として名高い「第9番」が、
今日ではドヴォルザーク(ドヴォジャーク)の
"三大交響曲"と認識されています。