今日は、韓国・大邱(テグ)での私の思い出をひとつを回想しましょう。
私にとっての初めての韓国訪問の旅の中でのエピソードです。

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1996年に初めて韓国を訪ねた私は、
招待参加していた<大邱国際現代音楽祭>での
自作のリハーサル・コンサートやレクチャーといった
公式スケジュールの合間をぬって、
一人で自力ミニツアーを敢行したのです。

ガイドブックの端に小さく載っていた古い古い仏教寺院=
雲門寺(ウン厶ンサ)が何故か気になって仕方がなく、
どうしても行きたくなったのです。

韓国語も話せずハングル(文字)も全く読めないながら、
発音記号を組み合わせて15世紀の李氏挑戦時代に公布されたという
ハングルを何とか自分なりに解き明かしつつ、
まずメモを書いてタクシーで郊外バスターミナルに行き、
そこで行き先表示を発音記号として解読して、
目当てのバスを探し当てて、それから1時間半以上にわたって
農村風景の車窓を楽しみまたうたた寝をしつつ、
遂に山間にひっそりと佇む雲門寺に辿り着くことができたのでした。

新羅時代の557年創建という由緒ある古刹であるとともに、
現在も尼寺として、また尼僧を輩出する学校(修業寺院)として
現役の仏教施設として現代社会に息づきながら、
厳然とした雰囲気が漂う境内で、暫し時間を忘れて瞑想したのでした。

その日の夜、大邱市内に戻って音楽祭に合流して、
陳圭英氏や私が大変お世話になったコーディネイターの李承淳女史
(李さんは有名な詩人でピアニストです)に
「一人で雲門寺に行ってきた」と言ったところ、
「本当にあんな遠くに一人で行ってきたのか?」
「私はまだ言った事が無いよ!」
等と、とても驚かれました。

この旅先の小冒険の経験を得て、
私は韓国の文化や風土がとても好きになり、
その後の日韓交流への微力ながらの参画に
繋がっていったのでした。

お隣の国=韓国、
買い物&グルメのツアーも結構ですが、
その国に息づく伝統文化の真髄に触れる歓びを、
皆さんにも味わってほしいと願っています。

音楽って素晴らしい!
文化って素晴らしい!
だから(未熟ではあっても)人間って素晴らしい!


今日の写真は勿論"雲門寺”です。

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