2014年は、ドイツ後期ロマン派を代表する作曲家、
リヒャルト・シュトラウスの生誕150年にあたりました。
(早いもので一昨年は生誕160周年でした。)
それを記念したプログラムによる演奏会やイベントが、
世界各地で行われましたが、2014年4月のNHK交響楽団の
第1780回定期演奏会は、一際ユニークなプログラムが
注目された公演でした。

####<NHK交響楽団第1780回定期演奏会>####
 指揮=ネーメ・ヤルヴィ 管弦楽=NHK交響楽団
 オルガン=小林英之 コンサートマスター=篠原史紀
     2014年4月23日(水) 24日(木)
 R.シュトラウス/祝典前奏曲 作品61
 R.シュトラウス/紀元2600年祝典曲 作品84
 R.シュトラウス/バレエ音楽「ヨゼフの伝説」 作品63

N響2014年4月フィルハーモニー

<祝典前奏曲 作品61>は、
ウイーンのコンツェルトハウスの杮落としのための
委嘱作品で、1913年に初演されました。
オルガンとオーケストラのための作品で、
祝祭の雰囲気に溢れています。
同ホールのオルガンが通常のホールのオルガンよりも
遥かに大きなものだったために、初演の演奏のバランスが
散々なものになってしまい、
初演に立ち会えなかった作曲者が
後にその話を聞いて激怒したそうです。
通常の規模のオルガンを想定して
作曲した作曲家の意図を汲んで、
オルガンのレジストレーションを調整する必要が、
現場の関係者に有ったということでしょう。

<紀元2600年祝典曲 作品84>は、
1940年(昭和15年)に皇紀2600年を祝う作品として、
日本政府が海外著名作曲家に
委嘱した作品の一つとして有名な作品ですが、
実は滅多に聴く機会の無い作品でもあります。
序奏と結尾の打楽器にアジア的な雰囲気を込めつつも、
アルプス交響曲のミニチュア版のような構成を持つ音楽で、
初めて聴いた私は随分楽しく聴くことができました。

<バレエ音楽「ヨゼフの伝説」 作品63>も、
演奏機会がそう多い曲ではありません。
ロシア・バレエ団の委嘱作品として誕生して、
作曲者自身の指揮による上演で1914年に初演されています。
つまり、あのストラヴィンスキーの
<春の祭典>の初演の翌年、
第一次世界大戦勃発の年にあたります。
バレエ無しに1時間弱を聴き通すには
やや冗長な面も否めませんでしたが、
終始一貫して鳴り響くR.シュトラウスのサウンドを
十分に堪能することができました。

これらの3曲、存外に演奏が難しかったらしく、
後日にお会いしたN響のメンバー数名から
苦労話を伺いました。
大作曲家の有名な代表作の影に隠れた佳品を聴く機会も、
実に楽しいものです。

YouTube / R.シュトラウス:皇紀2600年奉祝音楽(日本初演)
作曲:リヒャルト・シュトラウス
指揮:フェルマー
演奏:紀元二千六百年奉祝交響楽団