5拍子で驀進する冒頭楽章〜組曲「惑星」第1曲:火星〜戦争の神 | 松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~

松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~

創造芸術は人間の根源的な表現欲求と知的好奇心の発露の最も崇高な形。音楽家・作曲家を目指す貴方、自分の信じる道(未知)を進んでいきましょう。芸術・音楽・文化と共に人生と社会を豊かにしていきましょう。~頑張れ日本!〜がんばろうニッポン!

ホルスト/組曲「惑星」の各曲の紹介を
今日から私なりに綴っていきましょう。

第1曲:火星~戦争をもたらす者(戦争の神)
原題:Mars, the Bringer of War

5拍子で驀進する音楽は、日本でも人気があります。
第4曲:木星についで有名な楽章と目されます。

第一次世界大戦の頃に作曲された作品のため、
その時代の空気が反映されていると指摘されることもあります。
"戦い"のイメージを喚起するような、
5拍子を基調とした変則的な拍子や
時に複調のような不確定な調性など、
ストラヴィンスキーの「春の祭典」からの影響も感じられます。

途中で現れるテナー・テューバ(しばしばユーフォニアムで演奏)
による副主題は、管弦楽法の貴重な事例として知られています。

発展的な音楽で迫力があります。
強いて分析するならば
ソナタ形式的な構成に見えなくもありませんが、
テンポが遅くなる中間部を有する発展的な複合三部形式と
捉えるべきと、私は考えています。

戦争そのものと言うよりも、人間の内面の戦いを象徴した音楽
として感じるのは私だけでしょうか。
聴く者を一気にこの作品の世界に引き込む魔力がある
素晴らしい冒頭楽章であると、私は考えます。

・・・ロンドン/SLA-1031・・・
指揮=ズビン・メータ
管弦楽=ロスアンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団
女声合唱=ロスアンジェルス・マスター・コラール
「惑星」メータ盤表面
「惑星」メータ番裏面

YouTube / G.ホルスト / 組曲『惑星』より「火星」


アンサンブル・ヌーボー版「火星」の
YouTubeをリンクしました。