アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を続けています。
今回は第176巻の紹介です。
毎号のお楽しみとなっているNゲージサイズ車両模型ですが、
本号では「ハイパーサルーン」と前面に描かれた塗装が特徴的な
DE10形ディーゼル機関車1756号機の姿を見ることが出来ます。
それではいつものように、第176巻のパッケージを解いて、
奥底から冊子を取り出しましょう。
巻頭記事はこのところの恒例通り、付録模型の車両の解説です。
JR九州では1988年から特急「有明」に新型電車783系
"ハイパーサルーン"を投入しました。
その中の二往復は、熊本から豊肥本線の水前寺駅まで乗り入れることになり、
非電化区間の熊本-水前寺間は熊本機関区所属のDE10が牽引することになりました。
その役割に抜擢された1756号機は、ハイパーサルーンのイメージに合わせた塗色に変更され、
前面に「ハイパーサルーン」の文字も施された、特徴的な外観となりました。
続くページは、京王電鉄7000系電車の特集です。
京王線向けとしては初のステンレス車両で、
各駅停車向けに1984年から投入された形式です。
今世紀に入ってから、制御方式をチョッパ制御からVVVFインバーター制御に
変更する改造が施されたため、京王線系統で最古参の形式ではあるものの、
当面は活躍が継続されるものと思われます。
更にページをめくると、わたらせ渓谷鐡道の開業に向けて用意された転換クロスシート車、
わ89-300気動車・わ88-310気動車の特集です。
両毛線の桐生駅を起点に渡良瀬川に沿って間藤まで伸びる、
足尾銅山を支えたかつての支線は、現在では第三セクターになっています。
足尾銅山の遺構を目玉とした観光需要に向けて準備されたのが、
この二つの形式の車両だったという訳です。
「鉄道建築」シリーズは、比叡山へのルートとして開業した
叡山電鉄の終着駅、八瀬比叡山口駅の特集です。
二面二線の配置の上に体育館のような大屋根が被さる
レトロモダンな駅は、なかなか印象的です。
ここからケーブルカーとロープウエイを乗り継いで、
比叡山に登っていけるのです。
嘗ては、料亭、ローラースケート場、動植物園遊園地なども揃った、
"八瀬遊園"があって栄えたということです。
そして巻末記事はいつものように「観光列車」シリーズです。
本号では、日本最北端の私鉄を走る昭和の列車「ストーブ列車」の特集です。
懐かしい旧型客車の室内に石炭ストーブが設えられて、酒を燗したりスルメを焼いたり・・・
一度は乗って味わってみたい昭和の風情を運ぶ列車です。
「国産鉄道コレクション」シリーズは、まだまだ続きます。