アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を続けています。
今回は第173巻の紹介です。
毎号のお楽しみになっているNゲージサイズ車両模型ですが、
本号では、優美なフォルムで人気が高かった国鉄時代の直流電気機関車、
EF58の特別塗装をまとった珍しい姿です。
東海道本線全線電化に向けた4種類の試験塗装の一つということです。
それではいつものようにパッケージを解いて、第173巻の冊子を取り出しましょう。
巻頭記事はこのところの定例通り、付録模型の車両形式の解説です。
この模型の塗装はEF58形4号機に施されたもので、
4種類の試験塗装の中で最も評価の高い存在だったそうです。
結局、濃淡緑色のツートーンは見送られましたが、淡緑色が採用されて、
特急「つばめ」「はと」の機関車と客車が統一カラーになりました。
次のページをめくると、古典的な電車のモノクロ写真が目に飛び込みます。
和歌山県にかつて走っていた野上電鉄で活躍した、モハ20形電車モハ24の特集です。
車体は阪神電車604形、電機機器類は阪急電鉄モハ3、
台車は南海電鉄で使用されていたブリル台車、といった具合に
三社合体のユニークな経緯を持つ、個性溢れる古典的電車です。
当時としては斬新な車体は当時のアメリカンスタイルということです。
更にページをめくると、今度は古豪の風格を湛えた凸型電気機関車が登場します。
名古屋港の貨物輸送を全うした、名古屋鉄道デキ300形電気機関車の特集です。
現在もデキ303が最後の一両として残存していて、車籍は抹消されていますが、
舞木検査場内の移動機として現役で活躍しているということです。
「鉄道建築」シリーズは、旧長浜駅舎の特集です。
奇跡的に残った明治時代に建設された駅舎として、鉄道ファンの間で名高い駅舎で、
現在は、長浜鉄道スクエアとして保存されています。
鉄道黎明期に立てられた洋館スタイルの駅舎が、往時の彷彿とさせてくれます。
巻末記事はいつもの通り「観光列車」シリーズです。
本号ではJR東日本E2系の特集となっています。
JR東日本最初の汎用新幹線車両で、
ビジネス輸送と観光輸送の両面で大活躍を続けてきましたが、
次第に後続のE5系、E7系、W7系に活躍の場を譲ってきています。
「国産鉄道コレクション」シリーズはまだまだ続きます。