異種の楽器(群)または二群の合奏の対照を
テーマとした作品のタイトルとして使用している
<音・音 / Sound Sound>というシリーズについて、
一昨日から数日の連続記事として紹介しています。
今日は第3作の紹介します。
#### 音・音 Ⅲ ~笙とコントラバスの為に~ ####
SOUND SOUND Ⅲ
for Sho and Contrabass (2000)
真鍋尚之委嘱作品
演奏時間:約13分
初演:2000年7月 紀尾井ホール
<真鍋尚之リサイタル>
演奏:笙=真鍋尚之 コントラバス=溝入敬三
再演:2001年10月 横浜みなとみらいホール(大ホール)
<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>
オープニング・コンサート
演奏:笙=真鍋尚之 コントラバス=溝入敬三
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未来を担う若手の笙奏者の一人に、真鍋尚之さんが居ます。
作曲家としての研鑽も洗足学園音楽大学で積んだ後に、
東京藝術大学に雅楽専攻が開設された時に入学して、
以前から続けてきた笙の分野での研鑽に更に磨きをかけて、
その後、国立劇場主催の作曲コンクールで自作自演で優勝する等、
華々しい活躍で注目されている、気鋭の演奏家です。
その真鍋さんのリサイタルのために作品を委嘱され、
更には氏の最初のCDに収録もしていただきました。
また、横浜在住の演奏家による委嘱作品で、協演者も横浜在住
ということと、邦楽器と洋楽器の協奏作品ということもあって、
<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>の開催初日夜の公演=
<オープニング・コンサート>にもプログラミングされました。
高音楽器で構造的には管楽器である笙と、
低音楽器で弦楽器であルコントラバスの対照、
拍節感がほとんど無い曲の前半部と、
悠然とした拍節がたゆたう曲の後半部の対照が、
この作品の基本コンセプトになっています。
また、慎重に吟味して構築したこの作品の音構造は、
その後の私の他の作品にも応用されていることを考えると、
小粒な作品ながらなかなかの重要作なのかもしれません。
この作品が収録されているCDが下の写真です。
「呼吸」~真鍋尚之-笙リサイタル
ALM RECORDS / ALCD-9023