2011年夏に自作自演(指揮)により世界初演を果たした
シリーズ第4作のギター協奏曲ヴァージョンの紹介です。

###PHONOSPHERE Ⅳ-b
      ~ギターと管弦楽の為に(2010)###
     マークアートフォーラム委嘱作品

演奏時間:約16分
初演:2011年7月31日/文京シビックホール 大ホール
   日本作曲家協議会 《アジア音楽祭2011》
   〘オーケストラコンサート~指揮者は作曲家〙
演奏:指揮=松尾祐孝 ギター=Magnus Andersson
管弦楽:東京フィルハーモニー管弦楽団

この初演の直後、2011年の12月には、
ACL(アジア作曲家連盟)音楽祭2011台湾大会で、
音楽祭ファイナル・コンサートにプログラミングされ、
音楽祭最終曲目として演奏されました。

松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ACL2011台湾プログラム冊子

松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ファイナルコンサート頁

更に2013年5月には、ウクライナのドネツクで開催された
<Dumbs Modern Music Art 2013>音楽祭の
ファイナルコンサートに指揮者として招聘されて、
ドネツク・アカデミック・フィルハーモニー管弦楽団を
指揮して、この<PHONOSPHERE Ⅳ-b>を含む
全6曲の現代音楽プログラムを演奏する機会を得ました。

Vadim&Olgaの二人と共に

マークアートフォーラム委嘱作品として作曲した
空間構造を内包したギター協奏曲です。
委嘱元の意向に沿って、スウェーデン現代音楽界の重鎮である
国際的ギタリスト=マグヌス・アンデション氏の独奏と、
私自身の指揮によっての初演となりました。

オーケストラのサイズは通常の二管編成ですが、
弦楽器を左右二群に対称配置に分割して、
その後ろに木管楽器群と金管楽器群を陣取り、
ハープが二十絃箏の影のように舞台奥で振る舞い、
打楽器を舞台下手(左)・舞台中央(奥)・舞台上手(右)
に配して、それらが舞台最前列中央(指揮者横)の
ギター独奏を中心に音響の多重構造を生成していくという、
正にphono(音)+sphere(空間)という曲になっています。

2010年3月に初演した姉妹作品=
<PHONOSPHERE Ⅳ-a>~二十絃箏と管弦楽の為に(2010)
と、管弦楽パートは全く同一のヴァージョン初演ですが、
音楽の趣は、独奏楽器の性質が音響全体に波及した、
かなり異なったものに聴こえます。
アンデション氏の駆使する10絃ギターから奏でられる
変幻自在の独奏パートと、上述のような多次元構造を持つ
管弦楽パートの融合と対照から湧き上がる音楽と音響を、
繊細に聴き分けて楽しんでいただけると嬉しい作品です。


今日の写真は、
数年前に南大東島で見てきた朝焼けのショットです。

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-南大東島の朝焼け