クラシック音楽に詳しい者同志がお酒のグラスを傾けて語り合うと、
時には、ある作曲家の作品の中で最も好きな曲や、
あるジャンルで最も好きな作品を披露しあったりすることがあります。
そんな話題で何時間も話題が持つのですから、
趣味や嗜好というものは凄いものです。

わたしたち作曲家仲間の中でも、
「ブラームスの4曲の交響曲の中でどれが一番好きか」
というような話題で、宴席が盛り上がることがあります。

ベートーヴェンの偉大なる交響曲群の前で恥ずかしくない
作品を書こうと精進を重ねて40歳を過ぎてようやく発表した
<交響曲第1番ハ短調>の若々しさと渋さが同居した迫力。

第1番を書き上げた解放感から今度は自然な生気に溢れた
健康的で明るい曲調が印象的な<交響曲第2番ニ長調>。

最も柔軟性を兼ね備えたロマンテフィズ厶に溢れつつ、
最後は(当時としては極めて珍しく)静かに音楽を閉じる
<交響曲第3番ヘ長調>。

いぶし銀のような風格とバロック時代の構成原理・音楽様式
であったパッサカリア(シャコンヌ)を終楽章に置いて、
伝統と革新を見事に融合した<交響曲第4番ホ短調>。

皆さんは、どれが一番お好きでしょうか。
これから暫く、飛び飛びの日程でのアップになりますが、
明日から、各曲に対する私の簡単な考察を
ご紹介していきましょう。


私の仕事場のライブラリーにあるブラームス交響曲全集CD
のひとつをご紹介しておきましょう。
指揮=キュンター・ヴァント
管弦楽=北ドイツ放送交響楽団
RCA / BVCC-8841~42
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ブラームス交響曲全集ヴァント版