先週から、ホルスト/組曲「惑星」の各曲の私なりの紹介を続けています。
昨日の第5曲「土星」に続いて、今日は第6曲「天王星」をご案内しましょう。

第6曲:天王星~魔術師(魔術の神)
原題:Uranus, the Magician

ホルストがこの組曲を作曲する手順として、
先ずピアノ・デュオの為の楽譜にして、
それをオーケストレーションという方法を採ったそうですが、
この第6曲「天王星」だけは、先ず最初に
オルガン曲の楽譜にしたということです。
実際、完成したオーケストレーションでも
オルガンがとても重要な役割を担っています。

音楽の性格としてはスケルツォに近いものと分類できますが、
終曲に匹敵する重量感も併せ持っている音楽になっています。
デュカスの名曲「魔法使いの弟子」に影響を受けた
とも言われていますが、それはともかく、
この組曲の後半のクライマックスを形成している楽章として、
極めて強い印象をもたらす重要な存在です。いわれる。
冒頭に現れる印象的な4音(G, Es, A, H)は、
ホルストの名前(Gustav Holst)を表していると言われていて、
この楽章の中に何度も執拗に登場します。

全曲のクライマックスとも捉えられる楽章ですが、
どことなく孤独な感覚を聴く者にもたらすように感じられます。
「土星」から「海王星」までの
後半の3曲に通じる印象でもあります。
ホルストがこの作品に託した想いを、考えてみたいと思います。

・・中学時代から大学生時代の愛聴盤(LP)・・
・・・・・・ロンドン/SLA-1031・・・・・・
指揮=ズビン・メータ
管弦楽=ロスアンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団
女声合唱=ロスアンジェルス・マスター・コラール
「惑星」メータ盤表面
「惑星」メータ番裏面

YouTube / ホルスト 天王星