22年前に初演された[新世紀への讃歌] の
各曲とその作曲家の紹介を続けます。

第4曲:”空気の未来~森へ、大気へ”
ディエゴ・ルズリアガ(エクアドル)
/Diego Luzuriaga (Ecuador)
演奏編成:オーケストラ、バリトン独唱

四大元素に基づくタイトルによる4曲の中の3曲目、
"空気の未来"がこの第4曲です。
南米大陸の赤道直下に位置し、
低地のジャングル地帯から
標高4000メートルを超える高地まで、
そして太平洋にはイグアナやフィンチ等を含む
独特の生態系で知られるガラパゴス諸島まで擁する、
エクアドル出身の気鋭の作曲家=
デフィエゴ・ルズリアガ氏にこそ
この楽章を託すに相応しいと考えました。

曲は、世界中のシャーマン(呪術師・祈祷師)が、
二酸化炭素を酸素に還元する地球環境維持サイクルの
重要な役割を担うジャングル・森の保全を祈るイメージを、
作曲者の独特の感性を通してに喚起します。
ラテンアメリカ圏の文化背景を仄かに放射する
厳かなオーケストレーションの上に、
バリトン独唱(河野克典氏)がシャーマンの首領(リーダー)の
ように祈祷を続け、オーケストラの楽員もシャーマンのように
振るまいながら、静かにしかし熱く、未来を展望します。

ルズリアガ氏とは、1992年にワルシャワで開催された
ISCM World Music Days(国際現代音楽協会・世界音楽祭)で
初めて会って意気投合して以来、懇意にしている間柄です。
その交友記・交遊記については、また改めて記事にしましょう。

今や、世界中の何処からでも、
ある水準の教育を受けることができる可能性が有り、
現代音楽や先端芸術の分野でも世界的な才能が輩出される、
そういう時代になっているのです。
このブログの読者の皆さんの中からも、
世界に羽ばたく方がいるかもしれませんよ!

さて今回の写真は、エクアドルに因んで、
ガラパゴス諸島の動物達をワンショット!
私は2006年に首都=キトの国立ユースオーケストラを指揮に
行ったことはありますが、残念ながらガラパゴス諸島を
訪ねる時間はありませんでした。
一度、行ってみたい洋上の楽園です。

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