今日から[新世紀への讃歌] の各曲と
その作曲家の紹介をアップしていきましょう。

第1曲="序章:人類の未熟さに対して"
松尾祐孝(日本)/Masataka MATSUO (Japan)
演奏編成:オーケストラ、児童合唱
演奏時間:約9.5分

この国際共作連作は、”21世紀の開幕を祝う”単なる祝賀作品としてではなく、
20世紀の100年間での人類の凄まじいばかりの発展とともに
その表裏一体とも言える愚行の数々をも顧みながら、
新しい世紀の開幕にあたって未来への希望を、
音楽文化メッセージとして発信しようというものでした。

東京フィル<アジア環太平洋作曲家シリーズ>の
プランニング・アドヴァイザーだった私=松尾が、
ホスト役として序章を担当しました。
近代兵器による戦争の悲惨さや地球環境破壊への警鐘を
音楽の構成と音響そのもので表現しつつ、
一方では独立した管弦楽曲= [フォノスフェール第3番]
でもあるという作品を、2001年夏に一気に書き上げたのでした。

尚、この楽章の詳しい情報は、
テーマ=「PHONOSPHEREシリーズ」の
「フォノスフェール第3番」の記事をご参照ください。

そして、この序章において20世紀を顧みた後、
後続の7名の作曲家による楽章によって、
主催者側から提示した各曲のタイトルに沿って、
音楽作品による未来への展望が紡がれる、
という楽章構成・ストーリーになったのです。

この [新世紀への讃歌] の世界初演(2001年10月19日)
が間近に迫った同年9月11日、
誠に残念な、遺憾な、大惨事が起きてしましました。
アメリカ同時多発テロの報が、リアルタイム映像と共に、
夕食時の日本の茶の間に飛び込んできたのでした。
21世紀開幕の年にまたもやこのような・・・
人類はまだまだ未熟なままなのか・・・
私は愕然となったのでした・・・

犠牲者への哀悼の意を心に秘めながら、
私はこの作品と讃歌全体の世界初演に臨んだのでした。


今日の写真は「月から見た地球」です。
人類発の月面着陸を達成したアポロ11号から撮影した
「地球の出」(日の出ではなくて)というタイトルで
有名になったショットです。
宇宙空間の中ではこんなにも小さく儚い青い惑星、
地球の存在の奇跡に、我々はもっと感謝しなくては
なりませんね。

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