アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を続けています。
今回は第110巻の紹介です。

 

 

毎号お楽しみのNゲージサイズ模型の付録は、

国鉄の特急電車の嚆矢=151系を山岳線区用に装備追加を施して、

上越線特急「とき」に投入された161系特急形直流電車の先頭車=クハ161の

今眺めても流麗な雄姿ですね。

 

 

では、いつものようにパッケージを解いて、奥底から冊子をとり出してみましょう。

 

 

巻頭記事は、このところの恒例通り、付録模型の形式の解説です。

東京・大阪間に国鉄初の電車特急として

センセーショナルにデビューした151系をベースに、

耐寒耐雪装備や抑制ブレーキを追加した仕様が、

161系として上越線特急「とき」に投入されたのは1962年でした。

その後1965年には、151系も161系も出力増強が施されて、181系に改番されました。

 

 

続くページは、旧国鉄色の特急の塗色やデザインから

大きくイメージチェンジしたJR移行後の特急電車群の

ひとつ、JR東日本が常磐線に投入した

E653系交直流特急形電車の特集でした。

1997年に"フレッシュひたち"という新しい愛称で颯爽と登場して、

主に上野〜水戸間を結ぶ運用で、1988年登場のE651系"スーパーひたち"との併用で

常磐線特急として活躍しました。

現在では、常磐線からは引退したものの、

一部の車両に改造も加味されながら、羽越線を中心に活躍を続けています。

 

 

更にページをめくると、今度はJR西日本の気動車

(ディーゼルカー)キハ33形の特集でした。

国鉄時代の末期に客車列車の近代化のために

赤紫色の塗色からレッドトレインと呼ばれたオハ50形が投入されました。

 

しかし、その後に客車列車の電車や気動車への置き換えが進行したため、

車齢が新しいオハ50系を種車として気動車に改造するという手法が採られました。

そこで誕生したのが、このキハ33形という訳です。

 

残念ながら2両の改造が落成したのみで追加はされず、

2010年には引退となった珍しい形式となりました。

 

 

また、定番の鉄道建築シリーズは、

山口県に在る萩駅の駅舎の紹介でした。

山口県萩市は、日本の鉄道網整備の黎明期のリーダーで、

初代鉄道庁官を務めた井上勝の故郷でもあるのです。

大正末期に建てられた風格ある建築物として、

一時には解体の危機に晒されたものの、貴重な遺産として保存されています。

 

 

そして巻末記事は、このところすっかり定着している

刊行鉄道シリーズで、本号では、私鉄の富士急行の"富士登山列車"の特集です。

JR東日本"パノラマエクスプレス"の譲渡・改造で

2002年に「フジサン特急」が登場しました。

その成功を受けて、既に譲渡・改造で運用されていた

昭和の名車の誉れ高い京王帝都電鉄(現・京王電鉄)の

5000系の譲渡・改造から誕生していた

「マッターホルン号」を再改造して2009年に登場したのが、この「富士都山電車」です。

 

JR九州のイメージチェンジに大きく貢献してきた

工業デザイナー=水戸岡鋭治氏のデザインによる精緻なデザインに包まれながら、

富士山を眺める絶景を楽しめる特急電車は、実に魅力的な存在です。

 

 

「国産鉄道コレクション」シリーズは、100号を遥かに越えても、まだまだ続きます。