アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を続けています。
今回は第79巻の紹介です。

117系近郊形直流電車クハ117形

毎号のお楽しみ、Nゲージサイズ模型の付録は、
関西圏で新快速として一世を風靡した活躍の後、
各地に転用された名車117系潮流電車でした。

「国産鉄道」第79巻パッケージ

さて、いつものようのパッケージを解いて、
冊子を取り出してみましょう。

第79巻冊子

巻頭記事は、国鉄分割民営化後間も無い時期に
JR東日本の北関東地区に投入された、
通勤型と近郊型の中間のような性格を持つ
107系直流電車の特集でした。
その頃、廃車が進んでいた急行形165系から機器類
を転用して誕生したという経緯もマニアには有名です。

JR東日本107系直流電車

次のページは珍しい蒸気機関車の記事でした。
国鉄が最後に新製した蒸気機関車=E10の特集です。
奥羽本線の38パーミルの勾配がある板谷峠越えに
投入すべく開発されたタンク形蒸機でしたが、
大きな活躍を見せる前に東北本線の電化が進捗して、
ほどなく九州の転属となったものの、
昭和30年代に全廃になってしまったのでした。

E10形蒸気機関車

更にページをめくると、鉄塔のような奇妙な形の
鉄橋の写真に目を惹かれました。
築後川の河口に架かる筑後川昇開橋の特集でした。
既に廃線になっている旧国鉄の佐賀線の鉄橋ですが、
今でも現役の可動橋としてマニアには注目の存在です。
昇開橋可動橋で現存するものは、
全国でもここだけということです。

筑後川昇開橋

そして巻末に本号の主役の登場です。
1979年の京阪神地区の"新快速"でデビューした
117系直流電車の特集記事です。
都市間輸送、通勤輸送の速度と質を一気に向上させる
契機となった名車です。

JR西日本に移行後、1990年には後継の221系に
置き換えが完了して新快速の運用からは撤退しましたが、
各線区に転用され、短編成化や改造を受けながらも
今でも現役で活躍する姿を観ることができます。

117系直流電車

そしてお待ちかねの付録、Nゲージサイズ模型は、
117系の快速サンライナー塗装の先頭車、
117系近郊型直流電車クハ117形でした。
明るくて優美な姿ですね。

117系近郊形直流電車クハ117形