私自身の軌跡を振り返りながら、自作邦楽器作品の紹介を続けています。
#### 音・音~二群の邦楽合奏の為の二章 ####
SOUND SOUND
~ Two Movements for Two Groups
of Japanese Traditional Instruments ~
(1998)
日本音楽集団委嘱作品
演奏時間:約15分
楽器編成:
2笛(篠笛と能管の持ち替え)
2尺八(一尺八寸)
2三味線
2打楽( Ⅰ =小鼓 Ⅱ =締太鼓 聲(余韻A)
4二十絃箏
2十七絃箏
初演:1998年7月 津田ホール
<日本音楽集団 第152回 定期演奏会>
演奏:指揮=松尾祐孝
邦楽合奏=日本音楽集団
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拙作<フォノスフェール第1番~尺八と管弦楽の為に>
(1993年東京フィルハーモニー交響楽団委嘱作品)が、
国内外で大成功となった事を契機として、私の許には
邦楽器のための作品の委嘱をいただくようになりました。
その中でも最も大きな楽器編成の委嘱であったものが、
この<音・音 / SOUND SOUND>です。
この詩的で風変わりなタイトルは、作品が内包する多重な
対称性(或いは対照性)を象徴したものです。
舞台配置の視覚的効果や演奏そのものから、
性格の異なる二楽章の対照、左右二群の合奏の対照、
左右二群の掛け合い、箏群と他の楽器との対照、といった
多角的な要素を聴く者・見る者に感じてほしい作品です。
「静」的な第1章と「動」的な第2章のふたつの楽章が、
つづけて一気に演奏されます。
自ら指揮をして日本音楽集団の錚々たるメンバーによって
初演できたこの作品は、その後は再演に恵まれていません。
そろそろ再演の機会を伺いたいところなのですが・・・
どなたか演奏してみませんか。
初演コンサート「日本音楽集団第152回定期演奏会」の
プログラム・パンフレットの表紙がこれです。
この作品で私なりに確立した、左右二群の対称や
音と音の対照といった手法は、その後の私の様々な作品で
更に敷延されていくことになりました。
また、タイトルの<SOUND SOUND>も、
使い続けていくことになっていったのです。