モーリス・ラヴェルの最高傑作、
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」の初演は1912年でした。
それから110年が経過しています。
1912年、ヨーロッパ社会が爛熟期を迎えていた時代の
最後の時期の“花の都パリ”で初演された作品です。

ディアギレフ率いるロシアバレエ団に委嘱作品として
誕生したこの長大なバレエ音楽は、
その後「第1組曲」と「第2組曲」も編作され、
バレエ音楽としてのみならず、コンサート・ピースとしても
人気のレパートリーになっていきました。

全体は3部構成となっています。
信仰深いダフニス(ヒーロー)とクロエ(ヒロイン)
達の暮らす平和な村に、突如海賊が来襲して、
クロエは捕われの身となってしまいます。
絶望したダフニスは、そこに現れた3人のニンフに
促されて、敬虔にパンの神に祈ります。
するとパンの神が現れて、ダフニスの願いを聞き入れて、
海賊を撃退してクロエは救い出されます。
そして、元の祭壇の前で夜明けを迎え、やがて
大団円(ハッピーエンド)に向けて高揚していきます。

第1部 パンの神とニンフの祭壇の前にて
#序奏~宗教的な踊り
#全員の踊り
#ダフニスの踊り~ドルコンのグロテスクな踊り
#優美な踊り~ヴェールの踊り~海賊の来襲
#夜想曲~3人のニンフの神秘的な踊り
#間奏曲

第2部 海賊ブリュアクシスのアジト
#戦いの踊り
#やさしい踊り
#パンの神の登場

第3部 第1部と同じ祭壇の前にて
#夜明け
#無言劇
#全員の踊り

この中から、
#夜想曲~3人のニンフの神秘的な踊り
#間奏曲
#戦いの踊り
を抜き出したものが第1組曲で、
#夜明け
#無言劇
#全員の踊り
を抜き出したものが第2組曲となっています。
特に「第二組曲」は、演奏時間も手頃で演奏効果も高く、
現在に至るまで人気のレパートリーになっています。

私もこの作品が大好きです。
嘗て、若き日の小沢征爾率いるサンフランシスコ交響楽団の
来日公演でのライヴを聴いた印象は、今でも鮮明です。
また、往年の名指揮者=クリュイタンスの指揮による
ラヴェルの数々は、今日聴いてもなお色褪せない演奏です。
作曲家としても名高い指揮者=ピエール・ブーレーズと
ニューヨーク・フィルとのコンビによるLPは、
それこそすり切れんばかりに随分と聴き込みました。

下の写真は、そのLPのジャケットです。
ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲
指揮=ピエール・ブーレーズ
管弦楽=ニューヨーク・フィルハーモニック
合唱=カメラータ・シンガーズ
(指揮=エイブラハム・カプラン)
CBS/SONY/ SOCO-150

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ダフニスとクロエ全曲LPブーレーズ盤
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-ダフニスとクロエ全曲LPニューヨークフィル盤