2018年は、アメリカが生んだ天才的音楽家、
レナード・バーンスタインの生誕100年にあたりました。
バーンスタイン生誕100年シリーズ記事の第3回、
今日は交響曲第3番「カディッシュ」を紹介します。
交響曲第1番「エレミア」で、
自分自身がユダヤ人の血を引く人間であることを
痛切に吐露したバーンスタインは、
この第3番でもその延長上の創作を展開しています。
タイトルの"カディッシュ"は、
ユダヤ人にとって深く重要な言葉で、
"祈り"に類した意味を持っているそうです。
演奏編成には、語り手、独唱、合掌が導入されていて、
交響曲の概念を越えた作品になっています。
###レナード・バーンスタイン
交響曲第3番「カディッシュ」###
作曲年=1963
エピソード=作曲同年にJ.F.ケネディーが暗殺されたことに
より「レクイエム」として捧げられた。
初演=1963年12月
指揮=レナード・バーンスタイン
語り手=ハンナ・ローヴィナ
独唱=ジェニー・トゥーレル
管弦楽=イスラエル・フィルハーモニック
楽器編成=3管編成+ピアノ独奏
構成
第1楽章「祈り」
(祈り〜カデフィッシュ)
第2楽章「ディン・ドーラ」
(ディン・ドーラ〜カディッシュ2)
第3楽章「スケルツォとフィナーレ」
(カディッシュ3−1〜カディッシュ3−2)
YouTube / バーンスタイン: 交響曲 第3番「カディッシュ」
佐渡 1997, 1998
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レクイエム的な性格を持つ作品となれるこの"カディッシュ"
ですが、歌詞には「死」という言葉は登場せず、むしろ
「生」が登場してくる。神への頌歌もしくは平和への祈り
とも言える作品ではないだろうか。
指揮者マーラーがしばしば演奏したマーラーの交響曲、
特に晩年の第8番や「大地の歌」との共通性も見出せるでしょうか。
ユダヤ人の血をひく人間としての誇りと確信を
表出し続けたバーンスタインの面目躍如たる作品です。
私の仕事場に在る
バーンスタイン conducts バーンスタイン 作品集CD
を紹介しましょう。
指揮:レナード・バーンスタイン
管弦楽:ニューヨーク・フィルハーモニック
CBS/SONY 75DC 390~2