アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社が発行してきた
「国産鉄道コレクション」(全240巻/発行完了)の付録の模型の写真を中心に、
全号を順番に振り返る記事シリーズを紹介を始めています。
今回は早くも第15巻になります。
付録は、世界的にも珍しいコンセプトの車両として
国鉄の昼行座席特急と夜行寝台特急の全国展開発展に
大いに寄与した、583系電車のNゲージ模型です。
寝台車と座席車の両方の機能を兼ね備えた、
しかも客車ではなく電車というところに、
日本ならではの知恵と工夫が伺われます。
さて、パッケージの奥に潜んでいる冊子の
ページをめくってみましょう。
付録模型は国鉄の車両を取り上げていますが、
記事には私鉄も多く登場します。
今号は、京阪電鉄が通勤混雑時の乗車率飽和を
少しでも緩和すべく投入した18メートル級5扉車として
今日もまだ現役で活躍する名車=5000系です。
また、日本の鉄道の歴史的経緯を振り返る記事も
毎号のように掲載されています。
今号は「国鉄の動力近代化」と題して、
蒸気機関車から無煙化に向かった道程が
解説されています。
その次には、単線区間の安全運転の要となる
区間の閉塞確保の懐かしい方式、
「タブレット閉塞式」の説明も興味深いです。
更には、フランスの新幹線とも例えられるTGVについて
概説されている記事も掲載されています。
そしてメインの記事は、勿論、
583系寝台座席両用特急形交直流電車です。
山陽本線・九州連絡系で活躍した581形と
東北本線・常磐線系で活躍した583形ともに、
昼行座席特急と夜行寝台特急の両方で活躍できる、
使用効率の極めて高い車両でした。
現在では、オリジナルの雄姿を見る機会は
ほぼ無くなりました。
大幅な改造を施されて、ローカル線区の
普通電車として活躍していた時期もありました。
そして、付録のNゲージサイズ模型を
透明アクリルのケースを開けてみましょう。
上野駅から、東北本線経由青森行き「はくつる」と
常磐線経由青森行き「ゆうづる」の夜行寝台特急電車と、
昼行特急の「はつかり」が、同じ583系で何本も走っていた
昭和40~50年代が、懐かしく思い出されます。