私の《Sound Sound / 音・音》シリーズの紹介を

続けてきましたが、今日はいよいよ最新作の紹介です。

2019年の7月27日(土)に開催された、洗足学園音楽大学の

現代邦楽コースの演奏会=和楽器コンサート「和のいろは」で、

この公演のために書き下ろした新作、

《Sound Sound Ⅴ》〜箏とオルガンの為に〜が初演されました。

 

 

2019年度の大学院2年生に、箏専攻=青木里加さん、そして

オルガン専攻=ヨウ・テツさんが在学されていることから、

箏とオルガンのステージを設定することにして、

私=松尾祐孝が作曲をしたという訳です。

 

片や邦楽器で木製の素朴な弦楽器、片や金属主体の

大きな機械仕掛けの鍵盤楽器(音生成のメカニズムは管楽器)

という極端な組み合わせの二つの楽器の対照と融合という

性格の音楽になることから、《Sound Sound / 音・音》

シリーズの延長上に相応しいと考えて、第5作とした次第です。

 

この曲の音楽は、基本的にシリーズ第3作(笙&コントラバス)

の骨格をかなり活用した骨組みを持っています。

オルガンは、笙の音律に添った音構造による

持続的な音をトレースしていきます。

箏は、オルガンの真っ直ぐな音と対照的な、曲がる音や微妙な

ニュアンスを駆使しつつ、幽玄な音の波紋を生成していきます。

 

初演はなかなか見事な演奏で飾っていただきました。

箏のパートはおそらく中国箏(古箏)でも演奏可能と

考えられるので、留学生のヨウ・テツさんには是非、

帰国後に古箏と協演して再演していただきたいと思っています。

 

###松尾祐孝 /《Sound Sound Ⅴ》

         〜箏とオルガンの為の幻想曲〜 (2019) ###

 

初演:2019年7月27日(土)  洗足学園音楽大学 シルバーマウンテン

        邦楽コンサート「和のいろは」

演奏: 青木里加(箏)  ヨウ・テツ(オルガン)

 

 

###【邦楽コンサート「和のいろは」】###

 2019年7月27日(土)  13:30開場 14:00開演

  洗足学園音楽大学 シルバーマウンテン1F

    入場無料 ※ 未就学児入場不可

 

プログラム

 沢井比河流 / アルカディア

 山中信人 / 冨田慎平 太鼓作調/津軽・風の舞[初演]

 山本邦山 / 紫苑

 松尾祐孝 /《Sound Sound Ⅴ》

         〜箏とオルガンの為の幻想曲〜[初演]

 長澤勝俊/春の一日〜箏とオルガンの為の幻想曲〜[初演]