ISCM国際現代音楽協会の世界音楽祭<World Music Days>100周年に寄せて、
その100年間で唯一の日本開催となった<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>
の回想録を続けています。

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<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>への苦難の道のりも、
いよいよ具体的な実働実行期に突入していきます。

2000年度は、ISCM規約に基づく作品の国際公募の実施と、
現音の通常年事業に相当する部分の協会会員内作品募集を
並行して行ないながら、最終的に20あまりの公演を想定して、
公演の企画とプログラムを策定していくことが必要でした。

予め実現可能と想定できる演奏会企画リストを設定して、
出演する演奏団体もほぼ確定させて、
それら各演奏会で上演できる作品数を割り出して、
それをISCM音楽祭作品枠とJSCM(現音)音楽祭出品枠の
割振りも目安を設定して、
その数を勘案しながら、国際審査入選作品の決定や、
プログラミングをしていくという、
極めて実際的・現実的な方法を採用しました。

ISCM国際作品公募は2000年春に締め切られ、
受領資料の整理の後、審査員による閲覧が開始され、
7月末に〘国際審査員〙が数日間に渡っておこなわれました。

約500作品の応募を抱えた事務局は、
それこそ足の踏み場も無い有り様と化しました。
近隣のウィークリーマンションの一室を借り上げ、
暫くの間楽譜資料置き場と審査員閲覧場所として活用して、
なんとか急場を凌ぐことができました。

審査員に陣容は次の通りでした。
審査員長:松平頼曉(作曲家)
審査員:一柳 慧(作曲家) 近藤 譲(作曲家)
    野平一郎(作曲家) 篠原 眞(作曲家)
湯浅譲二(作曲家)

ISCM国際審査は、多くの場合は多国籍メンバーなのですが、
規約で主催支部のメンバーのみの構成も認められていたので、
経費・予算に照らして、日本人作曲家のみによる
審査員会としたのでした。
幸い、日本人作曲家は世界的なビッグネームも多く、
上記リストの審査員リストは、
国際的にも充分納得の得られるものでした。
そして、審査員各位の献身的とも言えるような真摯な審査と、
入選や演奏への細やかな配慮によって、
非常に行き届いた結果を策定することができました。

実行委員長として私=松尾が審査会に立ち会い、
上述のように演奏会での演奏の実現性を前提とした方法として、
各カテゴリー別に入選作品を決定していきました。

オーケストラ、室内オーケストラ、弦楽オーケストラ、
吹奏楽、室内楽、電子音楽、邦楽器作品、オルガン作品、
といったカテゴリー別に、各審査員が下見を済ませた上での
判断に基づく点数を出して行くという作業を、
地道に重ねていきました。

当初の予定の通り、国際審査入選作品50曲を決定しました。
しかし、それらが加盟全支部・準会員を網羅していなかったので、
入選曲の無い支部・準会員の提出曲の中で高点を得た数曲を、
プログラム委員会(次の記事で詳しく紹介)への
申し送りを行ない、多数の入選曲の有る支部の
作品の一部と入れ替えるといった、
プログラミングの調整も行なっていきました。

入選作品等の情報詳細については、
このテーマ<ISCM2001横浜大会>の後続の記事で、
公演別の回想をアップしていきますので、
そこで曲毎のクレジット(選曲根拠)も紹介していきます。

このようにして、ISCM音楽祭の核となる
ISCM国際出品作品を決定して、
そこにJSCM(現音)出品作品を
加えて、プログラムの枠組みを策定していく作業に
入っていったのでした。


事務局は世界中から送られてきた楽譜・資料で埋もれそうでした!
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