ラフマニノフの交響曲の話題の第4弾、そして最終回です。

ラフマニノフの交響曲の紹介を、第1番から第3番まで、
全て掲載してきましたが、最後に、
<交響的舞曲>に触れておきましょう。
タイトルこそ「交響曲」ではありませんが、
この作曲家の最後の輝きとなった“白鳥の歌”でもあり、
また作品自体の質と量の両面に照らしても、交響曲に
匹敵するような存在感を有する名曲と言えるでしょう。

この<交響的舞曲>は、晩年の作曲家によって、
1940年にニューヨーク州ロングアイランドで
作曲が進められられました。
初演は、オーマンディ指揮/フィラデルフィア管弦楽団
によって翌年に行われ、大好評を博したということです。

三楽章構成を持つこの作品は、
舞曲と交響曲の性格を併せ持つ音楽と言えるでしょう。
両端楽章は、ソナタ形式をノビノビと自由に歌い踊るような
音楽に仕立て直したような構造になっています。
間に挟まる第2楽章は、複合三部形式によるワルツ楽章です。


エドワード・ガードナー指揮/
アムステルダム・コンセルトヘボウ
の演奏の映像(YouTube)をリンクしておきましょう。



つい先頃に紹介した<交響曲第3番>と作曲時期が近く、
両者には強い近似性が感じられます。
この作品も、もっと演奏されて良い隠れた名曲の一つだと、
私は思っています。


この全集CDには<交響的舞曲>も収録されています。
ラフマニノフ交響曲全集