ホルスト/組曲「惑星」の各曲の私なりの紹介を続けています。
今日は最も有名な第4曲「木星」をご案内しましょう。

第4曲:水星~快楽をもたらす者(快楽の神)
原題:Jupiter - the Bringer of Jollity

この組曲の中で、最もよく知られている楽章と目されます。
特に中間部 Andante maestoso の旋律が非常に有名で、
この作品が発表されて間も無い時期に歌詞が付されて、
“I vow to thee, my country”(我は汝に誓う、我が祖国よ)
という題名で、英国の愛国的な賛歌として広く歌われています。
また、日本では、平原綾香さんのデビュー曲"ジュピター"
としても有名ですね。

この組曲中で最も大きな規模と明朗な楽想を持つ楽章です。
上述の旋律が中間部に朗々と歌われ、
その前後の主部に3つの主題の提示と再現が配されていて、
ロンド・ソナタ形式に匹敵するほどに聴き応えたっぷりの
複合三部形式で構成されています。
おおらかで素晴らしい音楽だと、私も思います。

今日は吹奏楽編曲版の演奏をリンクしておきます。
(林紀人指揮/洗足学園音楽大学の演奏)
G.ホルスト / 組曲「惑星」作品32より 木星-快楽の神


ここまで聴き進めてくると、
火星=力強い冒頭楽章、金星=融和な緩徐楽章、
水星=お洒落なスケルツォ、木星=明朗な終楽章、
という4楽章交響曲のようなまとまりを感じることができます。
しかし、作曲者のホルスト自身は、
この4楽章の抜粋演奏を特に嫌ったそうです。
その辺りに、作曲家がこの作品を通じて
何を表現したいのかを知るヒントがあるように思えます。

・・中学時代から大学生時代の愛聴盤(LP)・・
・・・・・・ロンドン/SLA-1031・・・・・・
指揮=ズビン・メータ
管弦楽=ロスアンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団
女声合唱=ロスアンジェルス・マスター・コラール
「惑星」メータ盤表面
「惑星」メータ番裏面