七年前に訪ねたリニア鉄道館の記事を、回想録として再アップしています。

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"リニア・鉄道館"は、東海道新幹線を運営する会社だけに
新幹線関連の展示は殊に充実しています。

その中でも、地味にひっそりとしたエリアになっていますが、
新幹線の生みの親の最重要人物2氏に関する展示が在ります。

十河信二に関する展示

新幹線計画決定から建設期の日本国有鉄道(国鉄)総裁、
十河信二氏の、高度成長の先を見越した鉄道大量輸送の
必要性を見抜いていた先見の明と、馬車馬のような
事業推進力がなかったら、新幹線計画は採択されず、
その後の日本の発展はかなり停滞したことでしょう。

一方、技術面では島秀雄氏が獅子奮迅の陣頭指揮を
執ったことは正に鉄道史の語り草のように有名です。
たった5年で、500キロ以上に及ぶ新線建設と
信号・運行システムの新規開発、
車両の設計から試験走行そして量産型車両の生産までを
一気にしかも正格・正確に成し遂げた事は、
日本が世界に誇るべき金字塔でしょう。

島秀雄に関する展示

しかし、昭和39年10月1日の開通式に
この二人の姿はありませんでした。
開通の直前に国鉄総裁は交代、
島秀雄氏も自分の役割は終わったと退社していたのです。
この辺りの事情は、各種出版物や報道で
おわかりいただけると思いますが、
一抹の寂しさが漂う話です。

しかしながら、新幹線そのものは、開業以来
十河氏の先見の明をも遥かに超えるような
飛躍的な発展を遂げました。
しかも、運転事故による死者を未だに1名も出していない
という安全性を持つ高速大量輸送機関として、
正に世界の手本となって、今日に至っています。

YouTube / 東海道新幹線デビュー!! 1964