ISCM国際現代音楽協会創設100周年に寄せて、
開催から22年が経過したISCM横浜大会の回想録を続けています。

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三年前の2020年は、1930年に新興作曲家連盟として産声を上げた
現 特定非営利活動法人 日本現代音楽協会(通称:現音)の
創立90周年にあたりました。
現音は、1922年に創設された国際現代音楽協会(ISCM)に、
非西欧系国としては最も早い1935年に加盟をして、その日本支部となっています。
そして2001年に、長年の懸案であったISCM世界音楽祭を
日本が主催して開催できたのでした。
このところ、その日本初開催となった国際現代音楽祭の開催準備秘話や
実際に開催した各演奏会等のイベントについての回想録をアップしています。

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<ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>の
開催に向けての指針を策定してからは、
目標が具体的になってきたこともあって、
厳しい状況ではありながらもある種の確信を持って、
準備活動を進めていくことができました。

1999年夏には開催日程骨子を策定して、
秋の<ISCMルーマニア大会>で国際募集要項を発表、
2000年5~7月に国際審査会(審査員長:松平頼曉、
審査員:一柳慧、近藤譲、野平一郎、篠原眞、湯浅譲二)を
行ない、応募約500曲から50曲の入選作を決定しました。

国際審査会では実行委員会が策定した50曲枠にピッタリの
選曲を行ないましたが、その結果としての入選作品が
全ての支部・準会員を網羅していなかった為、
入選作の無い支部・準会員の提出曲の中で
高点を得た数曲を加えて、プログラム委員会に通知、
その後、プログラム委員会
(委員長:小鍛冶邦隆、委員:下山一二三、中川俊郎、
 松尾祐孝、松平頼曉、長木誠司/音楽学、
 坪能由紀子/こどもみらい2001音楽監督)
が大会全体のプログラムの策定にあたり、
前記の高点を得た数曲と入選曲多数の支部の一部と入替え、
音楽祭や演奏会としてのバランスを考慮した曲目の追加調整、
通常年の<現代の音楽展>に相当する日本支部出品枠の設定、
通常年の<現音・秋の音楽展>の内容に相当する
JSCM音楽祭作品の募集要項の設定を行ないました。

2000年の<ISCMルクセンブルグ大会>では、
複合音楽祭としての開催骨子及び日程概要を発表し、
更にISCM国際本部との切迫したギリギリの協議に基づく
全支部・準会員網羅の為の独奏作品募集という追加施策の
設定を経て、2001年4月には開催詳細情報を掲載した
国際参加申し込みパンフレットを全世界にリリースしました。

一方では、財団法人横浜市文化振興財団の共同主催、
横浜市の共催、文化庁芸術創造基盤整備事業、
社団法人企業メセナ協議会認定事業、各方面からの後援等、
着々と開催体制を固めていきました。幸い、(当時の)
参議院議員・小野清子氏(元・JASRAC理事長)、
元参議院議員・斎藤文雄氏、元文化庁長官・吉田茂氏
(前JASRAC理事長)といった方々に親身になって
相談に乗っていただき、また力強い励ましもいただき、
困難を極めていた開催資金の調達も
徐々に目処が立っていきました。
(結果的には、各種助成金はほぼ目論見通りの支援を獲得、
企業からの協賛獲得は想像以上に厳しかったものの、
予想を大幅に上回った個人からの寄付に大いに救われました。)


<ISCM世界音楽の日々2000ルクセンブルグ大会>
・・・・・・・・プログラム冊子・・・・・・・・
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-WMD2000ルクセンブルグ冊子

  <ISCM世界音楽の日々2001横浜大会>
・・・・・・・・プログラム冊子・・・・・・・・
$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-WMD2001冊子・表紙