音楽家・作曲家への道のりは長く厳しいものですが、
その第一歩は、音楽通・音楽愛好家になることです。
好きで好きでたまらない音楽を聴き抜いて、調べ抜いて、
楽しみ尽くす心をなくして、プロにはなれません。

私は、折りに触れて、現代音楽の作曲家の仲間や知人と、
一献ご一緒することがあります。
時間が許して興が乗ると、
様々な話題を深く深く語り合う傾向が、
私たち作曲家には強いように思います。

時には、古今東西の作曲家の書いた「交響曲第2番」の
中で、最高傑作はどれだろうか・・・といった話題で、
何時間も話が尽きないこともあります。

何だかマニアックだなあと思われるかもしれまえんが、
考えてみれば、車の話題、スポーツの話題、歴史の話題、
建築の話題、鉄道の話題、等々、
好事家が集まっての談義がそれぞれにマニアックな訳です。

では、あらためて皆さんにも話題を提起しましょう!
「貴方の交響曲第2番ベスト・ワンは誰の作品ですか?」
マニアックな答えがある方は、
是非メッセージをお寄せください。

ご参考までに、私なりの考察を披露しておきましょう。

ベートーヴェンの第2番は、
第3番「英雄」の陰に隠れがちですが、
第1番から飛躍した素晴らしい作品です。

メンデルスゾーンの第2番「賛歌」は、
合唱を導入した作品で、なかなか荘厳です。
あまり演奏されないのがちょっと残念ですね。

シューマンの第2番は、シューマンの交響曲の中で
最も肯定的な前進力のある作品です。

ブラームスの第2番も、ブラームスの交響曲の中では
最も屈託の無い健康的な輝きに溢れた作品です。
嘗てのカルロス・クライバー指揮の名演が忘れられません。

チャイコフスキーの第2番「小ロシア」は、
佳品ではありますが
所謂3大交響曲(4~6番)に比べると今一歩か。

マーラーの第2番「復活」は、大本命でしょうか。
マーラー流ソナタ形式を確立した作品としても、
ベートーヴェンの「第9」以来の声楽導入大作としても、
正に記念碑的な名曲として君臨しています。

エルガーの第2番も風格充分です。

対抗馬としてラフマニノフの第2番を挙げましょう。
かつては滅多に演奏されませんでしたが、ここ30年位で
随分メジャーな作品にランクアップした作品です。
歌謡性に溢れたロマンティックな名曲です。

シベリウスの第2番は、この作曲家の代表作として
広く認知された名曲ですね。
フィンランドの大らかな自然を感じさせてくれるような
楽想に心を惹かれます。

ヴォーン・ウィリアムズの第2番「ロンドン」は、
この作曲家独特の、そしてイギリスの風土独特の雰囲気が
静かに染み入るように拡がっていく作品です。

その他、ボロディンの「第2番」やオネゲルの「第2番」
といった、小粒でもピリリと辛い佳曲もありますね。

そういえば、アイヴスの第2番という存在も気になります。

戦後の時代の交響曲の中では、
バーンスタインの第2番「不安の時代」を愛聴しています。
(実質的にはピアノ協奏曲ですが・・・)

そして私のとっておきの第2番は・・・
スクリャービンの「交響曲第2番」です。
滅多に演奏されませんが、青春の息吹と言えるような
若々しく輝かしい楽想が全5楽章に溢れていて、
聴く者の心を締めつけるような魅力があります。
もっと頻繁に演奏されて良い名曲だと私は思います。
私のお勧め第2番ベストワンです。

下の写真は、私の仕事場にあるCDです。
ネーメ・ヤルヴィ指揮/
スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
CHANDOS / CHAN-8462

$松尾祐孝の音楽塾&作曲塾~音楽家・作曲家を夢見る貴方へ~-スクリャービン第2番CD