日本の歴史を振り返ってみると、明治維新以後、
明治、大正、昭和の三時代には日本は戦争を経験しました。
平成の約30年に至ってようやく、
"日本は戦争の無い時代を手にした"という見方ができるでしょう。
そして今は令和の時代に入っています。
日本の戦後の動乱期の政治と外交の中枢に居た傑物、
吉田茂(よしだ・しげる)を主人公としたNHK制作のドラマの
回想を、五日前の全体の概要紹介から始めています。
キャスト等についての情報は五日前の記事をご参照ください。
今日は第5話(最終回)の概要をご紹介しましょう。
・・・「負けて、勝つ ~戦後を創った男・吉田茂~」第5回・・・
戦争放棄(第9条)を盛り込んだ新憲法を日本に制定させながら、
朝鮮戦争の勃発による東アジア情勢の急転という事態に対応して、
日本に再軍備を求めるダレス(チャールズ・グラバー)と
吉田茂(渡辺謙)との激しい交渉が展開されます。
ここでも吉田茂は頑固なまでの粘り腰を発揮します。
その結果、日本が自国防衛のための軽武装を持ち、
日米安保条約を土台とした講和に向かうという路線が決定します。
一方、朝鮮戦争で戦線拡大に独走した最高司令官
マッカーサー(デヴィッド・モース)は、
大統領との対立を深めていき、遂に解任されてしまいます。
1951年9月、サンフランシスコ講和条約締結を終えた吉田は、
その直後にたった独りで日米安保条約にサインをします。
このあたりの登場人物の繊細な心理描写には心を打たれます。
吉田茂の心中は複雑でしたが、帰国後に待っていたのは、
独立回復を成し遂げたことへの国民的称賛でした。
しかし、このタイミングを花道として勇退を勧める
白洲次郎(谷原章介)の意見には素直に従えない吉田茂でした。
そして・・・晩年までが描かれていきます。
歴史に基づくフィクションという位置づけのドラマですが、
時代考証やCG映像、ロケ地の選定や配役の妙など、
かなり真実に迫った内容になっているドラマです。
日本が戦争が無い30年間を過ごすことができた平成の時代の
ありがたさを改めて振り返る為にも、その前の時代の最後の戦争、
太平洋戦争・第二次世界大戦の戦後の日本の足取りを
正格に知る必要があると、私は考えています。