
年頭に寄せて・・・
このブログで何度も言っていることですが、
私は、日本に生まれて作曲家になったことに、
幸運と歓びを常に感じています。
西欧音楽(クラシック音楽)は、
バロック時代~古典派~ロマン派~後期ロマン派~近代
と、楽器編成と楽曲規模の両面において、
複雑化・拡大化の一途を辿りました。
この時期は、神聖ローマ帝国が終焉に向かい、
産業革命による産業構造の変化、資本主義経済の進展、
それらに伴う帝国主義の台頭、
という社会環境の変化期と一致します。
そういった社会環境の反映として、
クラシック音楽のあのような発展と拡大が
あったということでしょう。
それらの各時代の様式や構造原理の
成立や変遷を知ることは、
音楽愛好家としては非常に興味深いことですし、
音楽家・作曲家としては、
基礎知識として大変重要なことです。
一方で、日本には、
簡潔に極まる文化も発展してきました。
白い和紙に黒い墨で描く"書"は、
モノトーンによる空間処理の芸術とも言えるでしょう。
また、5・7・5の十七文字に季節感・情感・
感興を込めた小宇宙を描き出す"俳句”(俳諧)は、
今や言語の垣根を越えて世界中で愛好される、
短詩型文学の花形として、世界に知られています。
複雑化・拡大化の文化と、簡潔・単純をも極める文化、
この両面を日常的に使いこなしている日本は、
やはり素晴らしい国であると、私は思います。
これからも、この両面を活かしながら、
音楽家・作曲家として、
修練を重ねていきたいと考えています。
YouTubeでご覧いただける私の邦楽器作品を
ここでリンクしておきましょう。
YouTube / 松尾祐孝 コントラストリングス第2番
~悠久の書からの断章~
演奏:vn=水野佐知香 琵琶=田原順子
YouTube / 松尾祐孝 / 糸の書